Orange AD140 Lead

今日はこのアンプの話を熱く語りたいのですが、あまり共感は得られないかも(汗)。
全然話題に上らない?アンプですから。
でも臆せず書きますよぉ(笑)
長いですよぉ(笑)
■ ORANGE との出会い
3年ほど前、バンド練習で埼玉県春日部市にある Calling というスタジオに入りました。
昨今どこのスタジオでもある Marshallスタックがココには無い。
あったのは Orange のギターアンプ。
1ch MV, Gain, Treble, Middle, Bass のシンプルなアンプでした。
- Marshallスタックくらい置いとくのは普通だと思ってたけど、やっぱ春日部だからかなぁ? -
などと見下すような思いを巡らしつつ。。
レスポールGT しか持ってかなかったので、必然的にアンプ直で使ってみたら。。
これが超素晴らしかった!
もちろんバンドでバランスとった音量でです。
Orange のアンプを使ったのはこれが初めてで、衝撃でした!
Marshall のようなジャキジャキとは違います。
Fender のような鈴なりもしません。
言うなれば、ガッンガッン! なのに粘る!
ギターのボリューム絞ってもコクがある!
言葉じゃわかんないですよね(笑)。
とにかく感動したのです。
探し求めていた音、というわけではないけど。
気持ちイイことこの上ないのです!
- Orange っていい! -
当時、Marshall絶対信者だった私の考え方を改めるのに十分な感動でした。
それからは楽器店や他のスタジオで Orange を見つける度に Rockerverb や Thunderverb などを試してみました。
おそらくこいつらのトーンが、最近の Orange のダーティと呼ばれる音なのかなぁ、と。
ただ、春日部のスタジオCallingの時のような感動はなかったのです。
■ ORANGE AD140 LEAD というアンプ
- あれは一体なんというアンプなのだろうか? -
練習スタジオにあるアンプだから、Orange の量産機種だとばっかり思い込んでました。
何度目かの練習で撮った写真を確認すると "AD140 LEAD" と読めます。

Orange の HP には、ADシリーズなるものはあっても、"AD140 LEAD" はラインナップに見当たりません。
どうやら、すでに生産中止!?
- じゃ、中古で! -
と探しても出てこない。。
もぉちょっと調べてみると、
・ 2001年に Orange にハンドワイアード・アンプを作る Custom Shop が設立。
・ その初アンプとして AD140B というベースアンプが17台生産された。
・ AD140B をベースに AD140 LEAD が約70台生産された。
らしいです。。
本当かどうかはわかりません。。ネット情報なんで。
70台中、何台が100Vの日本仕様で作られたのかもわかりません。
それにしても、なんてレアなアンプを置いてるんだ! 春日部スタジオCalling、恐るべしです。
現在の AD140HTC は、これを 2ch にして量産に対応したPCB版との情報がありますが。。。
AD140HTC は使ったことないので、AD140 LEAD との違いは、わかりません。。
HTC の回路図と LEAD のシャシー内部画像を見比べると、同じ AD140 とはいえ LEAD とはチャンネル数だけでなく、基本回路や定数までも違うような。。
ネットでのコメントにも、「別物」という意見もありました。
YouTube で HTC のデモを幾つか聴いてみても、LEAD とは雰囲気が違うようにも感じられます。
HTC には HTC のキャラクターがあるのでしょう。
むしろ同じシングルチャンネルの AD30 の方が AD140 LEAD に近いかもしれません。
いずれにせよ、スタジオCallingの感動を自分のものにするには、LEAD を手に入れるしかないと悟りました。
■ AD140 LEAD を探す旅
こうして、国内のみならず eBay や海外ショップにまで AD140 LEAD を探す旅が始まったのです。
しかし3年待っても出てきやしません。
こりゃ、JTM45に続く次作のアンプとして作るしかないかなぁ・・。
とも考え始め、1332さんにも相談したり。。。
実は、AD140 LEAD の回路図は出回っておらず、入手したという情報すら見つけられません。
シャシー内部の画像や AD30の回路図などを頼りに、自分で回路図を起こすしか術がなさそうです。
それが今年に入って、なんとヤフオクにキャビとハードケースセットの AD140 LEAD が登場!
開始額 ¥310,000!
JTM45製作直後で予算が足りず、ヨダレを垂らしながら見送りました(涙)。
更にアメリカのショップサイトに比較的程度の良いものがありましたが、$2,495.00 とお高い。
輸送費も考えなければならず、まったく手が届かない(涙)。
それに、フットスイッチでミッドブーストできるような改造までされてるんで、パス。
そしたら今度はデジマートにハードケース付きで ¥118,000 で出品されてるじゃないですか!
出品されたその日に見つけたので、よしっ! と思って速攻連絡!
が、すでに商談中・・・
かなりショックでした(涙)。
旅にも疲れ、同じ Custom Shop製 の AD50 でもいいか? などと妥協が頭をよぎり、大久保の中古楽器店まで足を運ぶほどの始末。
でも、試奏してみると全然違うんで、踏みとどまりました(笑)。
お店のキャビのせいかもしれないけど、AD50 は OR15 に近いトーンのように感じたのです。
だったらいらないじゃん、と。
AD50 は Retro50 のゲイン増加版という解説もあるので、AD140 LEADとは設計アプローチが違うのかな?
よく見ると EQ構成も違います。。
こうなりゃ、何年でも待とう! と覚悟を決めました。
ところが事態は急展開を見せます!
■ 憧れのアンプが遂にやってきた!
AD50 を見に行った翌朝、1332 さんからメッセージが入ってて。。
『知人が所有する AD140 LEAD をヤフオクに出品するらしいので、至急連絡下さい!』
なんと!!
是非にとオーナーさんをご紹介いただいて、買い取らせていただけることに!
実はそのアンプこそ、私がデジマートでミスったものでした!
オーナーさんは、ブログ "ジナパパ一家の何てことない日常" の管理人ジナパパさんです。
私もちょくちょく読ませていただいてるブログです。
過去にこのブログで Marshall 1Wシリーズの存在を知り、私の真空管アンプ漁りのきっかけともなりました(笑)。
ジナパパさん、AD140 LEADを買ったはいいけど他に食指が動いたらしく、ジナパパさんとは昔からお付き合いのある1332さんが、私がこのアンプを探していることも知っていたことから、仲介を買って出ていただけたというわけです。
お二人には感謝、感謝です!
いやぁ、この時ほどブログやってて良かったと思ったことはありません(笑)。
考えてみれば、JTM45 を作ったことが、このアンプと巡り合うことに繋がったんです。
そして 念願の AD140 LEAD がジナパパさんから届きました!
問題は使えるキャビがない・・(汗)。
出力140W あるんで 許容200W以上のものでないと事故る不安があります。。
まぁ、自宅練習音量なら問題なかろうと、許容60W しかない 2061CX につないでます。。
60W じゃ、JTM45 も Yeti もスタジオやライブでは使えないので、いずれスピーカーは交換するつもりです。

140Wアンプということで、小音量は全くダメだろうと思いきや、驚くべきことに全然しっかりとしたトーンでイケます!
部屋音量でも、Orange との出会いのトーンが感じられます!
自宅練習アンプとしても、OR15 よりいいんじゃないでしょうか。
これはすごく意外でした。
本当に 140W か? と疑いたくなるような器用さがあります。
マスターボリュームも EQ も、まるでオーディオアンプのような感覚で増減できます。
もちろんスィートスポットはある程度の音量からでしょうけど、そこから外れても崩れないんですね。
Marshall ばっか使ってると常識を覆させられる思いがします。
キャラクターの好みで評価は分かれるとしても、良いアンプであるという点では多くのギタリストから同意を得られると思います。
今ある Yeti50、 JTM45、 Blues Jr.、OR15。
そして AD140 LEAD を加えて、私のアンプ探しの旅も終わりを迎えました・・。
今のところはそう思ってます(笑)。