【745】鈸(ばつ ばち)

[通釈]

銅鈸子(どうばつし(どうばつ)) 大鐃鈸(だいにょうばち)

 

[解説]

 金属製で中央が皿状にふくらんだ円盤を2枚打合せたりすり合せるもので、楽器のシンバルに類する梵音具。元々は伎楽の楽器であった。現在でも法会で用いられるが、「はち」と称し「鉢」とも書く。これはゴング類の鐃 (にょう) と合奏されることが多く、鐃鈸(にょうばち)という成語がある。

 静御前(しずかごぜん)が源頼朝の前で舞った時に工藤祐経(くどうすけつね)が担当した事でも知られる。近世になると葬送の折に先頭で大きな音を立てて魔障の物を遠ざける習俗も生まれ、地方によっては「じゃんぼ」「じゃらんぼ」等という。