イラン戦争に関して投資家は誤った理解をしている…シタデルが警告
Samuel O'Brient によるストーリー
• 5 時間
2026.3.26
- イラン戦争の行方は依然として不透明であり、トランプ大統領が市場に対して出口戦略を示しているにもかかわらず、その先行きは見通せない。
- シタデル・セキュリティーズは、市場に対するリスクは依然として高く、容易に撤退できる選択肢はほとんど存在しないとみている。
- 同社でEMEA地域(欧州・中東・アフリカ)の債券セールス責任者を務めるノーシャッド・シャーは、投資家が危険な誤ちを犯している可能性があると指摘している。
シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)の見解によると、イラン戦争は市場が認識している以上に複雑であり、投資家はその影響を依然として過小評価している可能性があるという。
市場は、アメリカのドナルド・トランプ大統領がイランとの終戦に向けた進展を示唆したことで一時、大幅な上昇を見せた。しかし、事態打開の出口戦略が具現化し始めているとはいえ、市場の専門家は、現実はより複雑だと見ている。
シタデル・セキュリティーズでEMEA地域の債券セールス責任者を務めるノーシャド・シャー(Nohshad Shah)は、地政学的緊張の高まりがもたらすリスクに対し、市場はあまりに楽観的だと主張してきた。3月23日のノートでもその見解を改めて強調し、今回の紛争を単純な地政学的ショックとして捉えるべきではない理由を示した。
シャーはこのように不確実性が極めて高い局面においては危険な「思い込み」があるとし、注意を促している。
「投資家は近年、地政学的な混乱を織り込み済みとして受け流すことに慣れており、今回の戦争の影響についても比較的楽観的だ。これは、トランプ大統領がいつでも終戦させ、手を引くことができるという仮定に基づいている。私の見解では、これは誤りだ」
シャーは、現在のイラン紛争を昨年の関税問題と比較しつつ、今回の紛争が市場を動揺させた他の事象と異なる点として、複数の当事者の合意を必要とする点を挙げた。つまり、トランプ大統領は、多くの貿易相手国に課した関税をいつでも撤回できたが、イラン戦争の場合には複数の国々の同意が必要となる。
イランの現地メディアは、同国の指導者とトランプ大統領との間に対話は一切ないと報じた。一方でトランプ大統領は、SNS「トゥルース・ソーシャル」でこれと異なる内容を発信していた。このことは、「トランプ大統領が単に紛争から手を引けば、世界経済への影響が止まると考えるのは誤りだ」というシャーの指摘を改めて裏付けている。
シャーはまた、イラン側にはアメリカと早期の停戦合意に至る動機が乏しい可能性も強調した。
「イランにとって、これは国家の存亡をかけた戦いだ」と彼は指摘する。
大好調の意見
「トランプ大統領が単に紛争から手を引けば、世界経済への影響が止まると考えるのは誤りだ」というシャーの指摘は誰が考えても妥当な見解であろう。
だが、「イラン側にはアメリカと早期の停戦合意に至る動機が乏しい可能性も強調した。」との指摘は少々疑問である。イランのイスラム革命防衛隊にとって戦闘が何時までも続行すれば、それでなくとも厳格なイスラム宗教に押さえつけられていることに飽き飽きしている一般市民が生活が苦しいこともあって暴動を起こす可能性があり、早期に問題を解決したいはずだ。
またイランはホルムズ海峡を制圧して世界の石油輸送を支配していると豪語するが、米国がイランの石油輸送船をホルムズ海峡から出てきたところで拿捕若しくは撃沈させることができることを忘れているか、無視している。つまり、米国がその気になればイランのホルムズ海峡支配権は簡単に崩壊させることができる。
したがって、イスラム革命防衛隊は何時までも強がりを貫き通すことはできず、近い将来妥結に至るのではないか。