「これで中国に勝てるのか」…米学生に広がる“考えない勉強”、数学力は7年差

荒巻俊
 
 
 

AI覇権をめぐって米国と中国が競う中、米国の学生の基礎学力低下と過度なAI依存により、学業成績で中国に後れを取っていることが明らかになった。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は14日(現地時間)、「中国の生徒たちが米国の子どもたちを大きく引き離している」と題した社説で、経済協力開発機構(OECD)が主催する「生徒の学習到達度調査(PISA)2025」の結果を紹介し、米国の教育システムの競争力低下に警鐘を鳴らした。

 

PISA 2025で、中国の北京・上海・江蘇・浙江地域の生徒は数学612点、科学597点、読解527点を記録し、数学・科学分野では1位となった。米国はそれぞれ463点・502点・490点で、特に数学では中国との差が149点に達した。中国の数値は全国平均ではなく、経済・教育水準の高い4地域の結果ではあるものの、全体として米国を上回っているというのが米メディア各社の評価だ。

 

WSJは「米国と中国の最終的な数学力の差は7年以上に相当する」とし、「米国の学校は高度な工学・数学能力を備えた生徒を十分に育てられていない」と指摘した。

 

中国自身も、膨大な人口を背景にした高水準の人材を、AI産業における競争力として誇示している。15日付の新浪財経によると、ファーウェイ会長を務めたこともある郭平監事会議長は、新入社員との座談会で「中国はコンピューティングパワーでは米国より劣るが、データ活用と産業現場での応用では強みがあり、人材面では競争力を備えていて米国に後れを取っていない」と述べた。

 

一方、米国の大学では、AIが学生の思考力を弱めているとの警鐘が鳴らされている。マサチューセッツ工科大学(MIT)のAI利用研究委員会は最近の報告書で、「生成AIが大学の文化を大きく変えつつある」とし、「学生が難しい問題に直面した際、自ら考え、調べることをせずAIに頼って答えを求める『認知的降伏(cognitive surrender)』という現象が現れている」と分析した。

 

MITは、学生が教授のもとを訪ねたり、他の学生と一緒に学び悩んだりする代わりにAIチャットボットに頼るようになり、孤立が深まりかねないと指摘した。また、答えをすぐに得られる一方で、実際には十分理解していないのに勉強したと錯覚してしまう「学習の錯覚」についても懸念を示した。MITが昨年発表した研究でも、チャットボットを文章作成の補助ツールとして利用した人は、エッセーを書いてからわずか数分後には、自分が書いた内容を思い出すのに苦労することが分かった。

 

大好調の意見

 「マサチューセッツ工科大学(MIT)のAI利用研究委員会は最近の報告書で、「生成AIが大学の文化を大きく変えつつある」とし、「学生が難しい問題に直面した際、自ら考え、調べることをせずAIに頼って答えを求める『認知的降伏(cognitive surrender)』という現象が現れている」と分析した。」とのことであるが、やはりそうかとの思いが的中し残念である。

 

ところで、日本でも同じような状況ではないだろうか。非常に心配である。