『虎に翼』の寅子も驚く…法務省・検察でいま「女性幹部シフト」が劇的に進んでいるのをご存じですか?

川邊 克朗(ジャーナリスト) によるストーリー

 • 12 時間 

2024.6.8 

 

一気に進む「女性幹部シフト」

NHK朝ドラ『虎に翼』は、法曹界での女性の苦闘を描いて、大きな人気になっている。

その人気にあやかる……というわけではないだろうが、じつは、つぎの法務・検察の両トップの座を初の女性検事が射止めそうだ。

 

6月に任期のメドとなる「就任から2年」を迎える甲斐行夫検事総長の後任に、畝本直美東京高検検事長が既定路線のとおり昇格し、女性初の検事総長誕生となる見込みが高い。ちなみに、東京高検検事長は、検察ナンバー2のポジションである。

畝本氏(検察庁のホームページより)

畝本氏(検察庁のホームページより)© 現代ビジネス

 

また検事総長への「出世コース」となってきた法務事務次官は、松下裕子刑事局長の起用で落ち着きそうだ。

 

これだけではない。さらに、「関西検察のドン」への登竜門とされる大阪高検検事長にも、大阪地検特捜部長時代から「女ボス」との異名を取ってきた山本真千子札幌高検検事長の抜擢が検討されているという。

 

「ポスト甲斐」の体制は、女性のキャリアアップを阻む「ガラスの天井」を打ち破った「女性検事の時代」を一気に迎えることになりそうだ。

いま司法界では、男女間の不公正をただすなど、平等性や多様性を重視する判決や審判が相次いでいる。

 

3月には札幌地裁で、同性婚をめぐる現行法の規定が違憲であるとされていたが、5月には、同性パートナーが異性の夫婦と同様に名字を変更する許可を名古屋家裁が出した。

また同月には東京地裁で、実質的に男性のみに家賃補助が支払われている状況に対して、男女雇用機会均等法に定められている「間接差別」が認定された。

 

こうしたなか女性幹部が一気に増える『虎に翼』モードは、法務・検察の今後の動向にも、影響を与えるかもしれない。

 

もっとも、検察捜査をめぐっては、公安警察の暴走を黙認した「大河原化工機事件」起訴取り消しをはじめ、「検察なめんな」と被疑者に自白を強要した「プレザンス事件」無罪判決などによって、「検察バッシング」が再燃している。

こうした状況に、『虎に翼』モードは、一石を投じることができるのか。

 

大好調の意見

一番情けない検察・司法の姿をさらしたのは安倍内閣における検察であろう。真っ当な司法・検察を維持できないと失望させた。安倍首相を助けるために明らかな嘘をついたり書類隠蔽をしたり、書き換えたりした司法・検察のテイタラクは悲しかった。