NTT、2023年度通期決算は過去最高 新会社設立で海外展開も加速

CNET Japan によるストーリー

 • 2 時間

2024.5.13

 

NTTは5月10日、2023年度の通期決算を発表した。売上高は前年同期比1.8%増の13兆3746億円、営業利益は前年同期比5.1%増の1兆9229億円と、増収増益となった。

2023年度は増収増益、2024年度は減益見込むも成長分野へ積極投資

同日に実施された決算説明会に登壇した代表取締役社長の島田明氏によると、営業収益は電力事業を手掛けるエネットの電力調達価格の高騰によって減益となった一方で、NTTドコモを中心とした総合ICT事業と、NTTデータを中心としたグローバル・ソリューション事業が伸び、売上高、営業利益、当期利益はいずれも過去最高を更新したとのこと。

 

さらに、島田氏は2024年度の業績予想も公表した。売上高は854億円の増収、営業利益、当期利益は対前年から減益の見込み。2024年度は2027年度の中期目標の達成に向けた各施策を展開していく予定で、地域通信事業などでいったんは減益となるものの、成長分野の拡大とコスト構造改革に取り組んでいくとした。

 

続いて島田氏は、新会社「NTTドコモ・グローバル」と「NTTプレシジョンメディシン」の設立、CCXO(Chief Customer Experience Officer)とCAIO(Chief Artificial Intelligence Officer)の任命、2040ネットゼロの実現、IOWNの海外ビジネス展開に向けた取り組み、株主数の状況、中期経営戦略の進捗と、7つのトピックについて語った。

 

NTTドコモ・グローバルとNTTプレシジョンメディシンは、7月に設立予定。NTTドコモ・グローバルは、ドコモグループにおいてグローバル事業を統括し、事業横断で総合的かつ機動的にグローバル事業を推進する新会社で、Web3などのアプリケーションサービスの海外展開や、海外通信キャリアに向けたOpen RANの導入支援を軸に事業を展開する。また、NTTプレシジョンメディシンは、医療機関などとの連携を通じてメディカル・ヘルスケアデータの生成と収集を行い、製薬企業や研究機関などへのデータ流通の加速により、次世代の予防や治療法の研究開発を支援するとした。

 

さらに、CX強化に向けたCCXOの任命と、AIファーストを推進するために2名のCAIOを新たに任命する。2040ネットゼロの実現については、2040年のカーボンニュートラルに向けて、温室効果ガスの排出量を計画以上に削減できているとした。

 

IOWNの海外ビジネス展開に向けた取り組みとしては、4月10~11日にサンフランシスコにて「Upgrade2024」を開催し、グローバルにおけるIOWNの社会実装に向け、APNや「tsuzumi」などの研究開発成果や製品開発を提案したと発表。ほか、株主数が株式分割前に比べ186万人と倍増したこと、中期経営戦略の進捗についても「順調に進んでいる」とコメントした。

 

また、新代表取締役に就任する、前田義晃氏(NTTドコモ)、小島克重氏(NTTコミュニケーションズ)、佐々木裕氏(NTTデータ)に関しては、3人とも50代と若く、新しい世代に次の戦略を構築してもらうことを期待していると語った。

 

大好調の意見

 NTTは、「2023年度の通期決算を発表した。売上高は前年同期比1.8%増の13兆3746億円、営業利益は前年同期比5.1%増の1兆9229億円と、増収増益となった。」とのことであり期待していたのに、株価は現在162円台に値下がりしている。