韓国がいま「反日」「従北朝鮮」できない”意外な事情”と、これから待ち受ける「悪夢のシナリオ」

豊 璋 によるストーリー

 • 9 時間

2024.5.11

 

韓国「野党圧勝」のウラで

韓国では4月の選挙で、韓国野党が大勝をおさめたことは記憶に新しい。例年であればメーデー(5月1日)のデモでも政権批判の煽動デモを行うものだが、今年は少し様子が違った様だ。

 

メーデーを仕切った労組についても尹政権により北朝鮮関与などの疑惑が明白になりつつあることから、関心が低かったという。

選挙では野党圧勝だったが、文在寅政権後に左派の「疑惑」が次々噴出する中で、国民が冷めた視線を持っていることは間違いないようだ。

 

そうした中、今回、野党が選挙に勝ったことで今後は、野党、特に李在明支持者のための“利権法案”が正当な手段によって通ってしまうとさっそく懸念されている。

文在寅政権下でも「国民のため」、「若者のため」、「未来のため」として作られた法案は抜け道だらけで、多くの文在寅支持者たち“ばかり”が国からの補助金、支援金という恩恵を露骨に受け取っていたことが暴露された。

 

そうした韓国野党の露骨な利権法案を阻止するには大統領に認められた「拒否権」を行使しないといけない。今年の1月30日現在で尹大統領は就任後9回目の拒否権行使で、1987年の民主化以後、大統領の歴代最多記録を更新中である。

「国民のため」、「若者のため」、「未来のため」…

ちなみにこれまで拒否権対象法案基準で盧泰愚(ノ·テウ)元大統領が7件で最も多く、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領6件、李明博(イ・ミョンバク)元大統領1件、朴槿恵(パク・クネ)元大統領2件だったという。 金泳三(キム·ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、文在寅元大統領は在任中、拒否権を一度も行使しなかった。

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Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 

文在寅政権では、成熟した従北思想を利用して韓国内でご存じの通りの愚行をし尽くした。そんな文在寅政権の“一派”たちが再び選挙で大勝したわけだから、これからいったいどうなるのか。もう尹大統領が最低限の正義を貫くには「拒否権」を乱発行使するしかないという声もすでに出始めているわけだ。

 

今後、韓国野党は尹政権の残った3年間は従北姿勢を露骨には見せず、文在寅政権同様に「国民のため」、「若者のため」、「未来のため」を謳い出すだろう。文在寅政権の間違いは、従北思想を利用して私腹を肥やしてきたことを北朝鮮に見透かされたことだろう。従北思想による反日を口に出すことを「ただ(無償)」だと思っていたのだ。

北朝鮮にも嫌われアメリカからも疎まれ日本は…

金大中氏が大統領になった時を思い出すと、韓国内では「日本文化開放」と日本にも良いイメージを植えつつ、北朝鮮には太陽政策なる支援を行っていた。それに対して文在寅政権は北朝鮮へのお節介(朝米会談)と口約束しかしないから、罵声を受けたわけだ。

 

結局、文在寅元大統領は北朝鮮にも嫌われアメリカからも疎まれ日本には……であったわけだ。

 

そして、今の韓国野党には文在寅政権が人事配置した「従北思想者」たちが隅々まで行き渡っている。これから国内で利権者たちによる談合、癒着なんでもし放題になりかねない。利権者たちに不利益な問題が生じれば、野党が「もみ消し法案」なるものを発案、発議し通せば良いわけだ。

 

北朝鮮への忠誠なる従北姿勢については、これからは「ねじれ国会」を維持しつつ、次期大統領選で政権を奪取したとしても、金大中元大統領の行った太陽政策の様な北朝鮮支援を決めない限り、まず北朝鮮の信用は得られないだろう。

 

また、日本に対しても、韓国民がこれほど日本旅行を満喫している中で、反日扇動や日韓問題を歪んだ歴史観で拗れさせることはもはや不可能だろう。そうなると、ただ粛々と国内での利権を貪り、その悪行に国民が気付きそうになれば幾ばくが補助金を与えて口を黙らせる3年間になって行く様に思える。それは悪夢でしかないのだが、現実可能性が高い。

 

これからの野党の3年間は尹大統領、政権への執拗な揚げ足取り的批判が行われていくだろう。そのターゲットの一つに、尹大統領夫人である金建希(キム・ゴンヒ)氏のブランド品授受疑惑がある。

政権への揚げ足取り的批判

今後、こういった野党の揚げ足取りな煽動、批判が続くことは間違いないが、これに対して韓国与党の新人議員から面白い提案があった。野党の言う通り金建希氏の捜査を容認する代わりに、李在明代表夫人の金恵京(キム・ヘギョン)氏と文在寅元大統領夫人の金正淑(キム・ジョンスク)氏を含めた「3金女子特別検察官法を共に民主党に逆提案しよう」と言うのだ。

 

というのも、李在明代表夫人は京畿道知事時代に公金を私用で使い込んでいた疑惑が指摘されているうえ、文在寅元大統領夫人は国費を私用で使っていた疑惑がある。ただ、双方ともに最後まで追い込まれずグレーゾーンにいる。

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尹政権が今後、野党の攻撃をかわすためには「骨をたって肉をきる」しかない。韓国の従北、左派思想者は権力を持つと自分たちがしてきたことはお構いなしに相手を批判してくる。尹大統領は彼ら(野党)に対して「骨をたって肉を切る」覚悟を持って、自ら批判してくる内容こそが「天に向かって唾を吐く」行為だと戒めるべきだ。「3金女子」の記事を読み笑い出しながらも、ここまでハッキリと本質を引き出す議員が1人でもいることに少し喜びを感じてしまった。

 

さらに連載記事『韓国「衝撃的選挙」のウラで、ここへきて韓国から「日本に移住したい人」が出てきた“意外な事情”』では、いま韓国で起きている“もう一つの異変”についてレポートしよう。

 

大好調の意見

 こうした記事を見ると、韓国も日本以上に混乱しているようであり、尹大統領も大変であるが、彼は過去の大統領よりも数段信用できる人物に思われるので、韓国に対しては私は今は珍しく信頼している。後になれば彼はきっと評価されると思う。

 

ところで、気になる表現があるのだ。其れは「骨をたって肉をきる」である。どうも「肉を切らせて骨を断つ」の意味らしいのだが、どうして肉を切らせることを最終目的のような表現をするのだろうか。理解できない。