1杯の「お茶」が口の中の新型コロナウイルスを99.9%減少させることが判明

3 時間 

2024.4.28 

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2023年5月に「5類感染症」に移行してから記事作成時点で1年が経過しようとしており、生活の中でCOVID-19が意識される機会は少なくなりましたが、「ブレインフォグ」や「ロングCOVID」といった後遺症に関する研究結果が続々と報告されるなど、COVID-19予防が重要な事に変わりはありません。

 

日常的に飲まれている「お茶」の効果に注目した新しい研究により、紅茶や緑茶には唾液中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を最大で99.9%不活性化させる働きがあることがわかりました。

 Screening Commercial Tea for Rapid Inactivation of Infectious SARS-CoV-2 in Saliva | Food and Environmental Virology https://link.springer.com/article/10.1007/s12560-023-09581-0 Can a Cup of Tea Keep COVID Away? Study Finds 99.9% Virus Reduction https://scitechdaily.com/can-a-cup-of-tea-keep-covid-away-study-finds-99-9-virus-reduction/

 

 アメリカ・ジョージア大学食品安全センターのウイルス学者のマラック・エセイリ氏らは、お茶がさまざまな文化圏で呼吸器疾患の治療に重宝されてきた歴史に着目し、お茶が口内の粘膜に感染したSARS-CoV-2にも効果を発揮するのかどうかや、最も効果的なお茶の種類を確かめるべく、市販の茶葉を使った実験を行いました。

 

 お茶好きな家族にインスピレーションを受けたというエセイリ氏は、「感染症対策には、入手しやすく準備も簡単で、家族全員で使うのにぴったりなものが理想的です」と話しています。

 

エセイリ氏と研究当時大学院生だったジュリアナ・モリス氏は、まず市販のお茶24種類の抽出液をSARS-CoV-2が含まれる水と混ぜて、ウイルスの感染性が低下するかを調査しました。そして、一定以上の効果を示した「紅茶」「緑茶」「ミント入りのお茶」「ユーカリミントティー」「ラズベリージンジャーティー」の5種類でさらに実験を行いました。

 

  実験では、ティーバッグ1袋をカップに10分間浸して飲用の濃さのお茶を作りました。なお、お茶はミルクや砂糖を一切入れないストレートティーとしました。 そして、SARS-CoV-2が含まれる唾液とお茶を混ぜたところ、5種類のお茶すべてが10秒以内に96%以上のウイルスを不活性化させることがわかりました。最も効果が高かったのは紅茶で、減少率は99.9%に達したとのこと。 また、お茶を飲みたくない時間帯などにうがい薬(洗口剤)として使うことを想定し、4倍の濃度で作った抽出液でも同様の実験をしたところ、5種類すべてがウイルスを99.9%減らすことも確かめられました。 お茶には主にカテキンの形で抗酸化物質のポリフェノールが含まれており、抽出液に含まれているポリフェノールの濃度とウイルスの減少率は有意に相関した一方で、お茶のpHは無関係だったとのことです。

 

今回の実験は、あくまでお茶を飲んだり口に含んだりすることを再現したものに過ぎず、被験者にお茶を摂取させた臨床試験ではありません。そのため、研究チームは効果を確かめるにはさらなる研究が必要なことや、お茶が治療の代わりになることが示されたわけではない点を強調しています。

 

 その上で、エセイリ氏は「口や喉のSARS-CoV-2を不活性化させられれば、ウイルスが下気道系に侵入するのを防げる可能性があるため、この発見は重要です。ウイルスは鼻でも増殖し、陽性反応が出た時点で既に肺に到達している場合もあるので、まだお茶を治療法として提案できるわけではありませんが、お茶は患者やその家族が日常生活に簡単に取り入れられる追加の介入手段になる可能性を秘めています」とコメントしました。

 

大好調の意見

 「お茶が治療の代わりになることが示されたわけではない点を強調しています。」とのことであるが、お茶が何かの治療薬になることは今まで示唆されたことはない。ただ予防には使えるということは言えると思われる。

 

そして、そのことは以前から予想されていたことであるので、今後ともコロナアに限らずウイルス性疾患において予防効果があると考えてよさそうと思う。