マイナス金利の解除、いよいよカウントダウンに 是非や時期よりも重要なもの【播摩卓士の経済コラム】

TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー

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2024.3.2

 

マイナス金利の解除、いよいよカウントダウンに 是非や時期よりも重要なもの【播摩卓士の経済コラム】

マイナス金利の解除、いよいよカウントダウンに 是非や時期よりも重要なもの【播摩卓士の経済コラム】© TBS NEWS DIG_Microsoft

 

日本銀行のマイナス金利解除がカウントダウンに入りました。もっともマイナス金利を脱することが目的ではなく、いわゆる「正常化」のプロセスの1つに過ぎません。その後の課題にどう向き合うかがより重要です。

日銀の高田委員が「満を持して」?の発言

日銀の高田創審議委員は2月29日、大津市での滋賀県金融経済懇談会で講演し、2%の物価安定目標について、「実現が見通せる状況になってきた」と明言しました。

その上で「極めて強い金融緩和からのギアシフト、マイナス金利解除などの出口への対応も含め検討が必要だ」との認識を示しました。政策委員会のメンバーがここまで踏み込んだのは初めてです。

 

高田氏は日本興業銀行出身。みずほ証券やみずほ総研で長らくエコノミストとして活動していたので、メディアで歯切れの良いコメントを見た記憶のある方も多いでしょう。金融機関出身ですから、金融正常化に前向きなことに違和感はありませんが、実は、2022年7月に日銀の審議委員に就任して以来、世間の期待に反して、慎重な発言に終始していました。

 

というのも、高田氏の前任者は、筋金入りのリフレ派として知られる片岡剛士氏だったからです。この審議委員の交代をめぐっては、当時、安倍元総理が片岡氏と同じくリフレ派から出すべく岸田総理に釘を刺していたにもかかわらず、岸田総理がそれを無視する形で、リフレ派ではない高田氏の起用を決めたため、これに安倍元総理が激怒したとされています。

 

そうした経緯ゆえに、自分の発言がとりわけリフレ派と言われる人々に無用な波風を立てないよう、高田氏はこれまで細心の注意を払ってきたのではないかと、私は見ています。その高田氏が、いわば満を持して、ここまで踏み込んだ発言を行ったのは、9人のメンバーがいる政策委員会の中で一定のコンセンサスができつつあることの表れでしょう。

植田総裁も「インフレの状態」と発言

高田発言の後、G20会議が開かれていたブラジルのサンパウロで記者会見した日銀の植田総裁は、「私の考えでは、(物価目標が見通せる状況には)まだ至っていない」と控えめに応じた上で、「好循環が回り出しているか、確認していく作業を続ける」と述べました。

 

もっとも、植田総裁は、2月22日の国会答弁ですでに、日本経済は「インフレの状態にある」と、これまでの「デフレではない状態」という認識から大きく踏み込んでいます。

また、賃金と物価の好循環についても「強まっていく」と、表現をさらに強めており、3月か4月の決定会合で、マイナス金利解除を決める可能性は一段と高まったと言えるでしょう。

経済は弱含みでも、日銀は「基調」で判断

ただ、実体経済は弱含みです。2月29日に発表された鉱工業生産指数は、ダイハツの不正を受けた生産停止もあって、前月比7.5%もの大幅マイナスとなりました。コロナ禍の20年5月以来の落ち込みでした。

 

民間の調査機関からは、24年1-3月期も実質GDPはマイナスになるのではないかという見方が出ており、そうなれば、日本経済は3期連続マイナス成長ということになります。しかも、賃金が物価に追いつかず、実質賃金はすでに21か月連続のマイナスです。

 

かねてから植田総裁は、ひとつひとつの指標より、経済の基調をどう見るかがより重要だと強調していますが、こうした中でも「好循環が始まっている」として、マイナス金利解除に踏み切った場合、賃金や物価の先行き、とりわけ実質所得がプラスに転じる時期や道筋を、どう判断したのか、きちんと説明することが求められるでしょう。

マイナス金利解除後の課題は山積

マイナス金利解除によって、短期金利は今のマイナス0.1%からゼロ%近傍になります。利上げ幅はわずか0.1%なので、影響は限定的なものにとどまるでしょう。その意味では、マイナス金利解除の是非や時期を論じるよりも、その後の課題にどう向き合うかを考えることの方がはるかに重要です。

 

マイナス金利解除の後、金利をさらにどこまで上げるのか、上げないのか。そして、長年、「念仏」のように唱えて来た、「2%の物価目標」を今後も続けるのか、もう少し柔軟性を持たせるのか。常態化した国債の大量買入れをどういうペースで、どの程度まで落としていけるのか。そして何より、財政負担増に直結する長期金利をこの先、どこまで市場に任せ、どこまでコントロールしていくのか。

 

いずれの課題も、簡単ではなく、かつ今後の日本経済のあり様を左右する大きな問題ばかりです。

「2%の物価目標」を金融政策の最優先課題(プライオリティー)に置いて、その実現まで「ひたすら緩和」するという、異次元緩和時代の金融政策の設計思想をどう変えるのかが問われています。

マイナス金利の解除は、そのスタートラインであり、オープンな議論が求められるゆえんです。

播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)

 

大好調の意見

 いよいよ金融引き締めに転換するわけであるが、その結果はひどいものになると思われる。国債の金利払いのために国債発行が多くなるが、それも今までのようにはいかない。尽きるところは増税しかない。さて岸田内閣若しくは自民‣公明党は誰に増税するのだろうか。

 

一番やりやすいのは消費税であろう。本当は企業増税であるが、それはたぶんやらない。出来ない。今まで企業献金のおかげで政権維持が出来てきたのだから、富裕層と企業の増税はあり得ない。残るのは消費税と公共料金負担増である。

 

そうなれば、ますます日本は少子化が進むであろうし、急激な人口減少が進む。海外への移民が進む。どんな日本にするつもりなのか。統一教会に約束した日本破壊が進行し、半世紀もすれば完成する。