吉高由里子「光る君へ」は行き詰まる?家康がコケて「女性による女性のための大河」に賛否(桧山珠美)

日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー • 12 時間

2024.2.25 

 

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

NHK大河ドラマ第63作「光る君へ」がスタートしてもうすぐ2カ月。紫式部を主人公に大河では珍しい平安時代を描くとあって期待したが、今のところ「面白い」「面白くない」と真っ二つに分かれている。

 

そもそもだが、昨年の松本潤主演「どうする家康」が従来の大河ファンからは不評だった。CGを多用した合戦場面や紫禁城のような清洲城には唖然だった。視聴者の大河ドラマ離れに拍車をかけたのではないか。

 

戦国時代は飽き飽きという視聴者もいる。史実に忠実に描けばマンネリと言われ、新解釈を入れればトンデモ大河と揶揄される。正直いって作り手もお手上げなのではないかと察する。そこで趣向を変えて平安時代にワープした。なぜこの時代かというと2020年の「いいね!光源氏くん」の成功に気をよくしたのではないかと察する。もっといえば、NHKはアニメ「おじゃる丸」も放送していて、平安貴族と親和性が高い(!?)のだ。

制作陣に女性が多い

そして、7年ぶりに女性が主人公になった「光る君へ」。特徴としては脚本・大石静をはじめ、劇伴の冬野ユミ、制作統括の内田ゆきら制作陣に女性が多いこと。主演の吉高由里子は言うまでもなく。まさに女性活躍時代にふさわしい大河ドラマなのだ。というと聞こえはいいが、裏を返せば「男性大河」に万策尽き、お手上げ状態。起死回生策で、女性に託したのではないか。重要ポストについていた政治家が何か問題を起こすと後任に女性議員をもってくるあの感じと似ている。

 

オンナコドモ向きシーンが多いのも特徴だ。第7話の「おかしきことこそ」の打毬シーン。ポロのように馬に乗って毬を打ち合うが、このシーンはいりますかねえというくらい長い。あとで打毬はどうでもよくて、その後、雨に濡れ、上半身裸になって体を拭くところを見せたかったのかとわかった。

 

柄本佑の藤原道長、町田啓太の藤原公任、金田哲の藤原斉信、毎熊克哉の直秀が鍛え抜いた細マッチョな肉体をこれみよがしにさらす。男の乳首はOKなのね。

毒殺や呪詛など穏やかでないのも韓流ドラマ好きにはたまらないし、きらびやかな衣装は大きな見どころだろう。

 

もうひとつの特徴は斉信役のはんにゃ.金田や藤原実資役のロバート秋山竜次、まひろの従者・乙丸役の矢部太郎、侍従宰相役のザブングル加藤歩、絵師役の三遊亭小遊三らお笑い芸人を多用していること。彼らが出てくるとネットがざわつき話題性に事欠かない。

 

最新回ではもっぱら黒木華演じる倫子の飼い猫<小麻呂>に話題が集中していた。俳優の熱演をさしおき、猫ちゃんに持っていかれるとは俳優のモチベーションが心配。

果たして、まひろと道長の恋で1年間持つか。最終回まで見届けようとは思うが、毎回睡魔が……。

(桧山珠美/コラムニスト)

 

大好調の意見

 わたしは、「どうする家康」は従来の日本史の解釈の大きな変更が垣間見れて大変面白く、興味深かった。

 

また、今回の「光る君へ」も面白い。つまらん評論は止めてもらいたいものである。