「ウクライナにあげる金などない」、支援に米欧が内向き…トランプ氏が復帰すれば「終わりの鐘響く」

読売新聞 によるストーリー • 2 時間

2024.2.22 

 

■[ウクライナ侵略2年]見えない出口<2>

 「ウクライナにあげる金などない」「我々の国を立て直すことから始めるべきではないか」

 今月12日、米議会上院の本会議場では野党・共和党議員が入れ代わり立ち代わり、ウクライナ支援に否定的な演説を夜通し続けた。採決を故意に遅らせるフィリバスター(議事妨害)を展開したのは、ウクライナ支援予算約600億ドル(約9兆円)を含む緊急予算案に反対するためだ。

 

 上院は与党・民主党が多数派で、予算案は翌朝にもつれ込んだ採決で可決された。バイデン大統領は13日、ホワイトハウスで「この法案への反対は、プーチン(露大統領)の意のままになるのと同じだ。歴史が見ている」と訴えたが、下院は共和党が多数派で、現状のままでの予算成立は絶望視されている。

 

 ロシアによる侵略開始以降、米議会はウクライナに超党派の強い支持を示してきた。米国が提供した軍事支援は440億ドル(約6兆6000億円)超で、国別支援額では突出している。

 

 米議会を変質させたのは、秋の大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領だ。「米国第一」を掲げるトランプ氏は、ウクライナに欧州よりも遠い米国が多額の支援をしていることに不満を抱き、援助停止を促している。

 

 トランプ氏に忠誠を誓う保守強硬派のマイク・リー上院議員は12日、X(旧ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏らとのオンライン討論番組で、汚職が深刻な問題になってきたウクライナの国民を「汚職の世界記録を樹立した人々だ」とののしった。番組は120万回以上、再生されている。

 

 オースティン国防長官は20日、ウクライナのルステム・ウメロフ国防相らと電話で会談し、弾薬供給を「緊急課題の一つ」として協議した。だが、予算が枯渇している米国は、今のままでは弾薬を供給できない。ドイツの調査機関・キール世界経済研究所は最新報告書で、「トランプ氏が政権復帰すれば米国の対ウクライナ援助に終わりの鐘が鳴り響くだろう」と予測した。

 

 支援強化が期待される欧州でも、内向き傾向がじわじわと強まっている。

 旧ソ連の「衛星国」として苦しんだ歴史を持つスロバキアでは昨年秋、ウクライナへの軍事支援反対を掲げる左派ポピュリズム政党が政権を奪還した。昨年11月のオランダの総選挙で第1党になった極右の自由党は移民・難民の受け入れに反対し「オランダ第一主義」を主張する。

 

 ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官は危機感を隠さない。「全ての武器支援が遅れずに届くことが重要だ。さもなくば、残念ながら、我々はこの戦争で負ける」

 

大好調の意見

 小銭を惜しんで世界を滅ぼそうとしているのが馬鹿な米国共和党であり、それを多数派にしている米国民である。我々はこのことを永久に忘れないであろう。そのうえでm後々になって、その責任を追及するであろう。

 

ところで、NHKテキスト100分de名著の2月号「偶然性・アイロニ・連隊」(講師は朱喜哲)によると、米国の哲学者ローティはトランプの出現を1998年に予言していたという。すごい哲学者がいたものである。