玉城知事「民意を軽視」と憤り 辺野古工事、防衛省は着工に安堵

毎日新聞 によるストーリー  • 21 時間

2024.1.11

 

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設先となっている名護市辺野古沿岸部で10日、政府が承認を代執行した設計変更に伴う工事が始まった。石材が投入される度に白く濁る辺野古の海。「沖縄に寄り添う」との言葉と裏腹に工事を強行する政府の姿勢を前に、顧みられることのない民意を示し続けてきた県民は、憤りとむなしさを抱えた。

 

 辺野古の米軍キャンプ・シュワブ東側の沖では10日昼、作業船からパワーショベルを使って石材が海中に投入された。

 「民意を軽視している」

 夕方、県庁で記者会見した玉城デニー知事は、林芳正官房長官や木原稔防衛相が「地元の皆様への丁寧な説明をする」と繰り返してきたことに触れ、憤りをあらわにした。「私はこれまで辺野古新基地建設問題を含む基地問題について、一度たりとも林官房長官とも木原防衛相とも面会する機会をいただいていない」

 

 防衛省は代執行による設計変更承認を得る前から工事契約を結び、準備を整えてきた。対話より工事を優先する政府の姿勢に対し、玉城知事は「たたみかけるように工事を進めることで(県民の)諦め感を醸し出そうという考えであれば大きな間違いだ。多くの県民は反対の民意を明確に示している。そのことを軽んじていては、日米安保体制全体にも大きな影響が及び続ける」と語気を強めた。

 

 シュワブのゲート前では土砂を積んだ工事用トラックが入るのを阻もうと、市民ら約30人が座り込み、「工事をやめろ」と抗議の声を上げた。毎週、抗議に参加しているという沖縄県中城(なかぐすく)村の女性(73)は祈るように両手を握り、シュワブの入り口を見つめていた。「私は戦後生まれだが、戦争中に姉や祖母らが亡くなった。沖縄を再び戦場にしたくないし、基地をどこかに持っていってほしい。体力的にはきついが、これからもその意思を示していきたい」

 

 辺野古移設に反対する政党や団体でつくる「オール沖縄会議」の福元勇司事務局長(67)は「工事が始まったからといって、民意は変わらない。これまで通り『反対』の意思表示をしていく」と強調。「この工事は技術面でも問題があることを、研究者と連携して全国民に伝えていきたい。政府は『沖縄に寄り添う』という言葉を使うが、実際には地域の声に耳を傾けていない。平和主義や基本的人権の尊重など、今一度原点に立ち戻って政治をしてほしい」と訴えた。

 

 辺野古商工会理事の許田正儀(きょだまさよし)さん(74)は「住民の中には賛成の人も反対の人もいるが、国は『国策のためにやると言えばやる』ということだろう。能登半島地震で被災者が大変な状況の中、この工事は海にお金を投入するようなもの。世界情勢も刻々と変わる。(移設完了時に)本当に『国のため』となる施設になるのだろうか」と疑問を投げかけた。

 

 一方、防衛省関係者は「ここまで長かった」と胸をなで下ろした。工事着手の様子を、省内でオンラインで見ていた担当者らからは安堵(あんど)の声が漏れたという。

 当初、工事の開始は12日以降とみられていた。この日の着手について、防衛省幹部は「重機の手配など準備も整い、作業ができるようになった。いち早く普天間飛行場を返還させるためには、できる限り早く着手する必要がある」と語った。

 

 現状、総工費は約9300億円とされているが、さらに増大する可能性も指摘されている。この幹部は「(経費を)すぐに見直す状況にはならないだろうが、進捗(しんちょく)を見ながら不断に検討することになる」と話した。

【宗岡敬介、喜屋武真之介、比嘉洋、源馬のぞみ】

 

大好調の意見

 ただ反対することだけが目的の玉木知事が話し合いたいと言っても、いまさらそんなことを言っている場合ではないことは明白である。中国が尖閣のみならず沖縄をも次の目標にしている現状では、反対だけが目的の玉木知事では話にならない。玉木知事は交代するべきである。