2023年3月のダイヤ改正で、常磐線から数えて34年もの間活躍してきた651系が引退した。
晩年は交流機器が取り外された1000番代を名乗り、オレンジ色の帯をボディに纏った「タキシードボディのすごいヤツ」が、「草津」「スワローあかぎ」の運用で第二の人生を歩んでいた。
スワローサービスは終了し、「スワローあかぎ」の愛称は「あかぎ」に、「草津」の愛称も「草津・四万」に改められる。
そして、かつての常磐線不動のスターだった651系も、第一線から退くこととなった。
常磐線で活躍してきた頃から651系を見てきたので、最後の姿を見届けたいと思った。
21時発の「スワローあかぎ91号」は多くの鉄道ファンが待つ中、長年通い慣れた上野駅地上ホームに滑り込んだ。
あちこちでファンが記念撮影に勤しむ姿が見られたが、普段から仕事帰りで使っているであろう姿の乗客も、スマートフォンで「スワローあかぎ」を記録していたのも驚いた。
それだけ651系が多くの人に愛されていることが素直に嬉しかった。
21時。
定刻通り651系「スワローあかぎ」は上野駅地上ホームを発車。
大混雑の日暮里方からはファンの労いの声が聞こえていたが、自分はちょっと身を引いて、651系が上野駅を出て行く様子を撮影。
「常磐線」と書かれた案内板と一緒に収めたかったのだが、その念願も無事果たす。
あの651系にもう仕事がないという現状に、まだ実感が湧いていない。
それくらい当たり前のように、長く走っていたということだろう。
民営化直後の常磐特急を、いや、JR東日本のブランドイメージを牽引してきた651系、長らくの活躍、本当にお疲れ様でした。
(230317訪問)