有岡くん -3ページ目

有岡くん

有岡くんへの想いです。

ただ、前を向いていた。


大貴がどこに行くのか、見当がつかない。



無言のまま、ラジオを聴いている。



「あ、」 『あ、』



二人で声が揃った。


彼のグループの一人が出演するラジオだ。





≪こんばんは、○○です。


最近ね、メンバーの中で元気のない人がいましてね。


ちょっと心配になっています。≫



私は、大貴の横顔を見た。


表情は変わらない。



彼、



ではないのか。




≪ もう、メンバーも大人ですから、元気のないことも


疲れてることもあるわけで・・・。


でも、やはり、変化は、


小さくてもわかりますよね。


ずっと近くにいるとね。≫




どこまで、行くのだろう。




小さな・・・



私の小さな変化に


彼は気が付いたのだろうか。



曲がかかると、

彼は、歌い始めた。



しかし、



残念ながら



私は聞かないまま、今日になった。



新曲も、雑誌撮影も、


振り付けも、


私は、彼の仕事には

興味がなくなった。



むしろ、


忙しい彼のそばにいることが


申し訳なくて仕方なかった。


私なんかが、


そばにいる資格がないように思えた。




不安とは、


こんな感じで


やってくるのだと



気が付いたのは、




3か月くらい前だった。



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『もうすぐ、着くよ。』



「あ、うん」


私は、気持ちを取り戻す。



大貴は、好きだけど。


そばに、いたいけれど。



自信のない、私。



優しすぎる、彼。


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車をコインパーキングに止めると、


彼は少し先を歩く。



いつもの。


歩き方。



目的の店に入ると、


慣れた感じで注文をして、

座る。


私は、隣に。



『おなかすいたろ。

温まると、気持ちも落ち着くから。』


小さな声で、

話してくれる。




同じラーメンをゆっくり味わうと、


付き合い始めた頃を思い出した。




『さ、行こうか』


あの時と同じ、

何気ない仕草で、


店を後にして、


再び、車に乗り込んだ。




『まだ、ドライブできそう?』


「うん」


『じゃあ、ごめん、缶コーヒーお願い』


「わかりました」



大貴の

セリフまで、


最初のデートとそっくりで。



缶コーヒーを選びながら、


少し、思い出し笑いをする。