この記事は、穂吉のブログの「2012-10-12 16:33:01」にUPした『日本の神話151. ~第四部 大和~  =第十二章 景行(けいこう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話150』



 この回も、大君、大帯日子淤斯呂和気命様の御世のお話しです。

 倭建命様と美夜受比売(みやずひめ)様のご結婚は、尾張の国に到着したその晩ではなく、数日のちになるなど、今を想えば最初から順風とは言えず不吉が重なるものだったのです。

 しかしこの姫とのご結婚によって、皇子様の御心が久しぶりに和み、不安が消され、穏やかで楽しい時間がもたらされたのでした。

 気持ちが穏やかになられた皇子様は、伊勢からずっとその御身に帯びてこられた『草薙剣』さえも外されると、それを新たな后になられた美夜受比売様に渡されてしまわれるほどに、心の和む時間をお過ごしになられていたのでした。

 そんなある日のことです。

 皇子様は、伊吹山(近江と美濃の境の山)を支配する神を退治する為にご出発されることになりました。

 新しい后の美夜受比売様は、皇子様よりお預かした草薙剣を渡されようとしたのですが、

『この山の神は、素手で打ち取って参る。この刀は、このままここに置いて行く。』

そう皇子様が仰ると、周囲の者の心配をよそに、剣も持たずにお立ちになられたのです。

 そんな皇子様が、山道を登られ始めて間もなくのことです。

 麓で、大きな1頭の白い猪と遭遇いたしました。

 まるで牛のように大きなこの猪は、倭建命様の御前に立ちはだかりました。

『この無礼な白い猪は、きっと山の神の使いの者であろう。今、戦ってしまうと、山の神と戦う前に疲れてしまうやもしれぬなぁ。帰り道にでも、退治してやる。』

 そう仰るとこの大猪をやり過ごし、また、どんどん山の上へと登られていきました。

 実は、この牛の如き大きな白い猪こそが、伊吹山の神だったのです。そしてこの遭遇の時こそが、山の神を仕留める為の唯一の機会だったのです。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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