この記事は、穂吉のブログの「2012-06-16 15:13:00」にUPした『日本の神話33. ~第二部 芦原中国の神々~  =第一章 大国主命様=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話32』



 しつこい兄弟の神々は、紀国の大屋毘古神の元までも追いかけてきました。

 兄弟の神々は、大穴牟遅神をかばって立ちはだかる大屋毘古神を取り囲み、

『大穴牟遅を引き渡さぬのなら、お前もろとも殺してしまうまでよ。』

そう脅すのでした。

 大屋毘古神は、後ろにいる大穴牟遅神に、

『大穴牟遅よ。お前はこれより、なんとしても須差之男命様がおられる根之堅州国(ねのかたすくに)へ行くのだ。必ずや大神がどのようにすれば良いかを教えてくれるはずだ。』

そう言い、ここから根之堅州国迄への正しい道筋を、大穴牟遅神へ教えたのでした。

 その教えに従い、大穴牟遅神はこの場を離れました。

 追っ手から逃げるために、時には木の根を潜り抜けます。時には、木々の間を走り抜けます。

 深い森を走り抜け、何とか兄弟の神々から逃げとおすことが出来たのでした。

 そして黄泉比良坂(よもつひらさか)を下り、やっとのことで須差之男命の元へと辿り着くと、その御門をたたきました。

 大穴牟遅神様を出迎えられたのは、須勢理比売命(すせりひめのみこと)でした。

 御顔を合わせられたお二柱は、その瞬間より互いに強く惹かれ合うのでした。

 須勢理比売命はこの時、

『私の夫となる神が、とうとう私の前に現れた。』

そう思われるほど強く大穴牟遅神に惹かれたのでした。

 神殿の奥に戻り、須勢理比売命は、御父神の須差之男命に、

『たいそう立派な神様がお越しになられました。』

と頬を染めながら告げたのです。

 その言葉を聞いた須差之男命は、まるで品定めでもするかのように大穴牟遅神を見ると、須勢理比売命に、

『比売よ。こいつは、芦原色許男(あしはらのしこお)だぞ。』

と、嫌味を言ったのです。

 それでも須差之男命は、大穴牟遅神が神殿に入ることを許しました。しかしこの時、須差之男命は、大穴牟遅神を客として神殿に招いたのではありませんでした。




- 追 記 -

『根之堅州国(ねのかたすのくに)』とは、以前も出てきましたが、『黄泉の国(よみのくに)(死者の国)』の事です。

須差之男命は、御母の神、『伊邪那美』様をしたい、今ではこの黄泉の国の神となっておられたのです。

『芦原色許男(あしはらのしこお)』とは、『地上から来た、色男』というか、『好色』という意味です。
可愛い娘が初めて彼氏を連れてきたら、父親は良い気分がしませんよね。そう云う意味で嫌味を言ったとも、後々の数々の浮気を予感して娘を案じた…とも捉えられ、本記事内では「嫌味を言った」と記してみました。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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