この記事は、穂吉のブログの「2012-05-31 17:02:24」にUPした『日本の神話17. 第一部 創世  第二章 高天原にて』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話16』



 須差之男命の乱暴狼藉は日ごと激しさを増し、とうとう天照大御神様の逆鱗に触れる大事件が起きてしまいました。

 高天原には、神様方の御召し物の布を織る神聖な機織小屋(はたおりごや)があります。

 その小屋の中で天照大御神様が見守りながら、機織女(はたおりめ)たちが神聖な機(はた)を織っていた時の事です。

 ここにやって来た須差之男命は、こともあろうか神聖な機織小屋の屋根に登ってしまったのです。しかもその肩には、今、獲って来たばかりの血だらけの馬の死体を担いでいたのです。

 そして須差之男命は、屋根に大穴をあけると、小屋の中に担いでいた馬の死体を放り込んでしまったのです。

 突然、血だらけの馬の死体を見た女は驚き、持っていた『梭(ひ)』を手から落としてしまいました。この梭の先端は、機を織り易くするためにとても尖っております。その鋭い梭がそのまま機織女の腹に深く刺さり、女はそのまま呆気なく死んでしまったのです。

 須差之男命は、機織小屋の屋根に穴を開けた上に馬の死骸を放りこみ、獣の血で神聖な場を穢したのです。

 その上さっきまで楽しそうに機を織っていた女が、あっけなく死んで行く様を目の当たりにした天照大御神様は、目には見えない弟の性根が、本当は如何様(いかよう)であったかを真に理解したのです。

 天照大御神様の心には悲しみがあふれ、須差之男命に対しては怒りを覚えました。更にはご自身の身の危険をも感じとったのです。

『これ以上、弟をそばに置くことは出来ない。』

 そうお考えになられた天照大御神様は、『天岩屋の戸(あめのいわやのと)』をお開けになられると中に入られ、固く中から戸を閉ざしたのでした。



- 追 記 -

『機(はた)』とは衣料の布地の事です。

『梭(ひ)』とは、機織りの時に使う道具です。形は船底の様な長い楕円形で、糸と糸との間を通し易くするために先は尖っています。 現在の梭の素材は、木や金属、プラスチック等様々あるようです。

『天岩屋の戸(あめのいわやのと)』とは、『天岩戸(あめのいわと)』とも呼ばれています。後者の方が、現在は一般的な呼ばれ方かも知れませんね。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。