勉強が身になる秘訣 | 大学受験対策のプロ

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大学受験生を教える講師のブログです。受験に失敗しないための耳より情報や、授業・家庭教師の動向をここで発信しています。

特に、化学や日本史を克服するにはどうすればいいのかを中心に、受験全般の話題も取り扱っています。

夏休みももう終わりますね。

 

レギュラーで習っている生徒達は

この夏休みの間に

英語も数学も化学も

遅れを取り戻すために

片っ端から必要な事を

身に付けてくれました。

 

そんな中で、夏休み限定で

私に習いに来てくれた生徒達が

何人かいるので、

その中の一部の生徒を

今回はご紹介します。

 

まずは高3の生徒A。

この生徒は医学部志望で

独学で化学をやってきたけど

化学の理論が苦手という事で

問い合わせ頂きました。

 

予想通り、計算式の立て方が

全く出来ていませんでした。

元々頭が良くて

学校でも上位にいるみたいですが

それでも計算式の立て方が悪いだけで

これまではいくら勉強しても

なかなか問題が解けなかったり

解くのに沢山時間がかかったり

していたみたいです。

 

しかし計算式の立て方のコツを

教えただけで

モル計算も濃度計算も

流れるように次々と

解けるようになりました。

 

たった2回で克服してしまったので、

更に、

苦手な単元の「気体」も克服したいと

新たな要望を頂きました。

 

この夏休み期間で可能な限り

教える時間を作って、

その結果、気体系の単元を

3つ克服してくれました。

 

気体は独特の感覚が必要で、

この感覚を教えられる先生が

全国的にも本当に少ないです。

 

特に、気体に関しては

計算式の作り方がバッチリでないと

どれだけ気体の感覚を勉強しても

結局解けるようにはならないので

「式を立てる感覚」+「気体の感覚」

の両方が備わって、初めて克服出来ます。

 

恐らく彼女は、もしも

私から習ってなかったら

このまま克服出来ずに

莫大な時間を気体の勉強に充てて

そのせいで他の科目のための

勉強時間までも削られて

他の科目の足も引っ張る

という事態になっていた

かもしれません。

 

そこまでやったとしても、

結局化学の気体分野は

克復出来なかった可能性が高いです。

 

つまり、いかに本人が優秀だとしても

何かを克復する時に、

その肝になる部分(基本)を

身に付けないままどれだけ勉強しても

力は付かないのです。

 

そうやって一生懸命頑張っても

身にならない時間を垂れ流す事が

受験にとっては一番

やってはならない事です。

 

彼女はこれから物凄いスピードで

苦手な単元を克復していくでしょう。

 

しかしそれでも、本番には

ギリギリ間に合うかどうか

分からないというのが

難関大や医学部の難しさです。

 

私もこれから、可能な限り

サポートしていきます。

 

次に紹介するのは

数学で相談に来た高2の生徒Bです。

 

高2から数学の成績がガタ落ちして

これはマズいと思って

私の所に相談に来てくれました。

 

話を聞いてみると

数ⅠAの時は大丈夫だったけど

数ⅡBになって

付いていけなくなりましたと

答えてくれました。

 

しかし、

数ⅠAの時の成績を聞いたら

どの単元もほどほどに

解けていたそうです。

 

でもこの「ほどほど」が

一番危険なのです。

 

数ⅡBを解けるようになるには

数IAが完璧に出来てないと

数ⅡBの単元が

全く分からなくなってしまいます。

 

つまり、

数ⅠAの時点で完璧じゃない時点で

数ⅡBで躓くのは必然だったのです。

 

私はまず数ⅠAのメインになる二次関数を

完璧にする事から始めました。

 

なぜならば、数ⅡBの多くの単元は、

解いていくと、最後は二次関数の問題に

帰着するモノが多いからです。

 

なので二次関数が出来てないなら

結局数ⅡBの単元も

解けるようにならないのです。

 

生徒Bは、

普通に教えたら、理解力もあり

たった1回の授業で

二次関数は進研模試の問題が

完璧に解けるレベルにすぐなりました。

 

その上で他に何が習いたいか聞いたら

三角比と三角関数が習いたいと

答えてくれました。

 

到達度を確かめてみると

まず最初の基本計算や角度の出し方に

とても時間がかかっている事が

分かりました。

 

「数学あるある」なのですが

サインやコサインの基本計算や、

ログ、シグマなどの基本計算が

秒殺レベルで完璧に出来てないならば

まず標準レベルの問題は解けません。

 

三角比の基本計算などは

瞬時に出来ないと

問題の解法を考える事自体に

辿り着きません。

 

将棋に例えるならば、

コマの動きを覚えてなくて、

考えないと動かし方が分からないまま

対局を行えば、

戦略を立てる所まで

考えが及ばないのと同じです。

 

コマの動きを完璧に覚えて、

初めて戦略を立てる事に

専念出来るのです。

 

数学も全く同じです。

 

ではこの生徒は

そもそも数学の力が弱くて

三角比の計算に

時間がかかっていたのでしょうか。

 

そうではありません。

 

ただ単に、

瞬時に解ける「考え方」が

身に付いてなかっただけでした。

 

それを教えた途端に

三角比の計算をスラスラと

素早く出来るようになりました。

 

そこから先は、三角比や

三角関数の解き方を教えていったら

次々と出来るようになっていきました。

 

夏休みの間に、三角比と三角関数の

基本の所は大方教え終わったので

次からは、応用を教えれば

次々と出来るようになっていくでしょう。

 

早速、私から習った後の模試では

私から習った単元の所は

満点が取れていたみたいです。

適切な取り組み方をすれば、

すぐに結果も出るのです。

 

この生徒Bの場合も、

基本の部分が出来ないまま

勉強していたので

どれだけ勉強しても

力が付かずにいたのが、

私から習って

基本を適切に身に付けただけで

次々と問題が

解けるようになったのです。

 

これらの生徒達の例を見ても

土台となる基本部分を

真っ先に身に付ける事が

いかに重要なのかが良くわかります。

 

それをしないで

どれだけハイレベルの授業や

評判の良い問題集を取り組んでも

それらは全く身に付きません。

 

前回のブログでも言いましたが

基本部分を身に付けてないならば

どれだけ頑張っても

その努力は水の泡なのです。

 

まさに、チェーンの付いてない

自転車のペダルを必死で漕いでるのと

全く同じなのです。

 

受験で成績を上げたいなら、

勉強したら勉強した分だけ

学力が上がる取り組み方に変えないと

絶対に成功する事はありません。

 

そして、受験そのものも大事ですが

何より、その後の人生において

「効果的な学び方」を身に付ける事が

大変重要なのだと思います。

 

次回は、

その事がよく分かる例として、

以前私が教えた生徒が

大学進学後にどうなったのかについて

ご紹介したいと思います。