「法鉄」の世界 ~JR、東京メトロに関する法律 | いくつ知ってる?法律トリビア【第一法規】

いくつ知ってる?法律トリビア【第一法規】

このブログでは、第一法規が、日常生活ですぐに役立つ…とは限らない法律のトリビアを発掘していきます!

 

こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当ですカナヘイピスケ

 

法律という切り口から鉄道の世界を探る「法鉄」シリーズ。
今回は、JRと東京メトロに適用されている法律をそれぞれご紹介しますカナヘイ花

 


  つながるうさぎ 法鉄記事の一覧はこちら ⇒ 「法鉄」の世界 ~ 記事まとめ つながるうさぎ


 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

○JR会社法

まずは、JRについて定めている

「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」。

 …ですが、この法律の第1条は、次のようになっています。

 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

 (昭和61年法律第88号)
  第1条第1項

   北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という。)は、旅客鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。


  第1条第2項

   日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という。)は、貨物鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。


このように、この法律は、JR各会社のうち、

JR北海道、JR四国、JR貨物の3社について定めています。

JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州については、

完全民営化された時にこの法律が改正され、対象から外れました。

○代表取締役を選ぶときは、国土交通大臣の認可を受ける

この法律では、3社について、

次のような場合に国土交通大臣の認可が必要であると規定されています。

①代表取締役などを選任するとき

②毎年度の事業計画を定めたとき

③重要な財産を譲渡しようとするとき
 ※ 大臣の認可を受けなければ譲渡できない「重要な財産」とは何か、

   ということについては、国土交通省の省令で定められています。
  それによると、
 ・鉄道施設や車両で、3億円以上のもの
 ・旧国鉄から受け継いだ土地・建物で、3億円以上か、面積・延べ面積が

  3000平方メートル以上のもの
 が当てはまります。

④会社の定款を変更しようとするとき

 (代表取締役等の選定等の決議)
  第6条

   会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


 (事業計画)
  第7条

   会社は、毎事業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 
 (重要な財産の譲渡等)
  第8条

   会社は、国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。


 (定款の変更等)
  第9条

   会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分、合併、分割及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


○東京メトロ法

続いて、東京を走る地下鉄「東京メトロ」について定めている

「東京地下鉄株式会社法」を見てみましょう。

東京地下鉄株式会社は、東京都の特別区とその付近で、

主として地下鉄の事業を経営する会社であるとされています。

 東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)
  第1条

   東京地下鉄株式会社(以下「会社」という。)は、東京都の特別区の存する区域及びその付近の主として地下において、鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。


元々は「帝都高速度交通営団」という法人だったのですが、

行政改革の一環として、株式会社化されました。

当時は「営団地下鉄」と呼んでいた記憶がありますが、

今では「東京メトロ」という呼び方にだいぶ慣れました。

現在の株主は国と東京都であり、国土交通大臣の監督を受けることとされています。

また、新株を発行するときや、代表取締役を選ぶときなどには、

国土交通大臣の認可を受けなければならないと定められています。

 (監督)
  第9条第1項
   会社は、国土交通大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。

 (株式)
  第4条第1項

   会社は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項に規定するその発行する株式(第十六条第一号において「新株」という。)若しくは同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(第十六条第一号において「募集新株予約権」という。)を引き受ける者の募集をし〔…中略…〕ようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。


 (代表取締役等の選定等の決議)
  第5条

   会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


 (定款の変更等)
  第7条

   会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、分割及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


なお、毎年度の事業計画については、

先ほど見たJRの場合は大臣の認可を受けることとされているのに対し、

東京メトロの場合は、大臣に提出することとされています。

 (事業計画)
  第6条

   会社は、毎事業年度の開始前に、その事業年度の事業計画を定め、国土交通大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


(この記事は、2016年12月18日時点の情報に基づいています)

 


  つながるうさぎ 法鉄記事の一覧はこちら ⇒ 「法鉄」の世界 ~ 記事まとめ つながるうさぎ


 

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

 

いかがでしたでしょうか。

久しぶりの「法鉄シリーズ」、お楽しみいただけたでしょうかつながるうさぎカナヘイきらきら

是非、次回もお楽しみに!

 

by 第一法規 法律トリビア編集担当

 

↓是非、下記コメント欄へ↓
↓本ブログへの感想等をお寄せください!↓