何のために経営をしているのか | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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埼玉中小企業家同友会が主催する今年の経営指針づくりセミナーが、17日の土曜日にフィナーレを迎えました。6月から半年間にわたるセミナーでしたが、30名が自社の経営指針をセミナー受講生とスタッフみんなの前で発表し、それぞれに修了証書が手渡されました。

 

一人15分の持ち時間で朝から丸一日かけて行うのですが、全体会が終わったあと、15人ずつ2会場に分かれて一人ひとり順番に発表していきます。会社概要を簡単に説明した後は、どんな思いで同友会の経営指針作りに参加したのか、半年前を思い返しての報告です。続いてセミナーの序盤で「何のために経営をしているのか」という問いかけに考え込み、時間をかけ、自身の“こだわり”を一つの言葉に磨き上げた経営理念を紹介します。

 

指針セミナーへ参加するきっかけは人それぞれです。社内のバラバラ感や我流の経営に限界を感じての参加であったり、後継者として自分のオリジナリティを持ちたいという思いであったり、以前にはすでに理念や事業計画を持ち「同友会の経営指針なんて・・・」と道場破りのような思いで参加された方もありました。

 

それぞれの受講生は前半部分を発表しながら、指針セミナーを通しての様ざまな気づきを自然と思い返すことになるようです。言葉を発する一方で目まぐるしく思いが頭の中を駆け巡り、一気にあふれ出る感情があり、そして達成感なのでしょう、途中で言葉が途切れ、嗚咽する場面が何度もありました。「がんばれ!」という小さい声、また会場のあちこちから鼻水をすする音が聞こえてきます。

 

発表内容の後半では、最初の単年度経営方針の概略とともに、出来上がった経営指針をどのように社内で共有し、実践に繋げていくかというプランまで求めます。PからDに繋げなければ意味がありません。打ち上げの懇親会では何人かが「これで卒業、終わりではなく、ようやくスタート台に立ったということです」と挨拶されていました。

 

今回は自分一人で経営指針を作ったとしても、まずは社内で発表して反応を確かめるところからスタートです。もしかしたら冷ややかな反応にガッカリということになるかも知れません。それでも諦めないことが絶対に大切です。指針セミナーで味わった感動に間違いや嘘はありません。

 

もう一度、一工夫、二工夫しながら、経営指針に込めた思いの共有をめざして頑張ることが、経営指針セミナーを味わった社長の仕事だろうと思います。指針セミナーを通して、人を大切にする経営であることの意味、利益を出すことの意味、社会貢献するということの意味、そして同友会型の企業づくりについて、それぞれが考える機会になったようです。

 

誰かが言っていました。「指針セミナーに出るまでは、自分はただ売上と利益を上げるための営業マンにすぎなかった。今回、指針セミナーに出て、きちんと自分の会社と向き合い、こうして経営指針をつくることが出来て、ようやく社長になれた気がする」・・・そういう感想が出てくる指針セミナーって、やっぱり凄いところなんだと思います。