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今から10年前、別府に別院を構えたが、本堂内陣の仏具が準備できず思案していた。その頃「そちらのお寺で処分してもらいたい物があります」という依頼があった。


今は昔のようにお焚き上げを住宅街では出来づらくなっており断ることもできず、梱包した大きな物をいくつも物置にしまっていた。


そろそろ片付けなくてはと弟子に「あの処分する荷物を少しずつ出そう」と梱包を開くと、なんと真新しい仏具がいくつもあるではないか。


話を聞くと当時の宗教ブームにのり、借金をして仏像や荘厳な仏具をそろえ寺を始めた。ところが宗教で儲けようと企んでいたが、思うように儲からない。


そこで差し押さえられた仏具一式がある方の倉庫に眠っていたのだが、大きいだけに邪魔となり処分しようとなった。私にしてみれば『当寺のために準備された物』と受けとめ、今は有難く使わせて頂いている。


欲しい物といいタイミングといい、こんな事があるのですね。