通い始めてちょうど一ヶ月目に「あんたも根性やな、明日もおいで」と地主から嬉しい言葉をいただいた。喜び勇んで家に帰り『売ってくれるらしい。一坪百万円と言われても買うぞ』と坊守に言ったが、実はまるで手元にはお金のない時期でもあった。
チャンスが目の前に来た時に限って「お金がない」「忙しい」「それどころではない」などと試されるようだ。
当時はバブル期でもあり、幸いにも25年の住宅ローンを組む事ができて、小さいながらも本堂と庫裡が完成。当時は固定金利が当たり前だったが、私はあえて金利の高い変動を選んだ。この判断は数年後に見事功を奏した。