2軒目は、会の会長がよく利用しているスナックで、ほぼ全員が参加した。
 私は彼女のお父さんの隣に座ることになり、彼女は店の反対側の席に座った。
 その距離がなんとももどかしく、少し複雑な気持ちだった。

 私自身、会の中では若い方なので、カラオケを歌わされたり、次々とお酒を勧められたりして、彼女の近くに行く機会はなかなか訪れなかった。

 会長さんからスナックのママさんを紹介されたとき、カウンターに呼ばれて会長、ママ、私の三人で話をしていた。
 正直、その時の記憶は少し曖昧で、酔いも手伝って細かいことは覚えていない。
 ただ、心の中では彼女のことが気になって仕方なかったが、振り返ることもできず、ただその場の会話に集中しようと努めていた。

 しかし、ふと横を見ると、彼女が静かに私の隣に座っていた。
 その瞬間、胸の奥が少しだけ温かくなった。遠くに感じていた彼女が、また近くにいる。そんな小さな幸せを感じながら、その瞬間を噛みしめていた。

 後で彼女から聞いた話によると、彼女が隣に来たとき、私は「遅いー」と酔っ払って口にしていたらしい。
その言葉を自分では全く覚えていなかったが、彼女がそう教えてくれた。
 その話を聞いた時、少し恥ずかしくもありながらも、彼女との距離がまた少し縮まった気がした。