「大きな家だなぁ、門から玄関までどの位あるんだろう。」
僕の最初の印象だった。あれからすぐにご遺体のお宅に訪問させてもらった。
エンバーミングの処置が出来たと言う口実で、少し話を聞いてみたかったからだ。
門を入ると想像以上に広く、何台の車が止まれるのだろうかと思わず考えてしまったほどだ。
ベルを鳴らす。待ちかねていたかのように執事が出てきた。。。訝しげな表情とともに。
「何の御用でしょうか? 」
先に電話で連絡してあったはずでる。 その口調には。。お前さんなどが来るところではないっと言ってるようであった。
「あ、はい 葬儀屋の青井といいます。ご遺体の件で御当主の方にお話をと思ってまいりました。」
「では、こちらに。。。」 と妙にすんなり中に通された。
中は、シーンと静まり返っていた。 程なくして4人ほど男女が現れた。
一人は、確かに老人だ。 しかし、異様に威圧感があり、多分他の男女は子供達なのだろうか。
「どうですかな、真吾は??」
亡くなったご遺体。。 中谷 真吾 25歳 父親 中谷 権十郎 83歳 である。
「はい、エンバーミングに関しては、処置が完了いたしました。。。」
「他に、何かすることがあるのかね??」
するどい、ほんのちょっとの言い回しから何かを察知したようである。
「実は、遺体に複数の打撲の後と心臓発作に関してお聞きしたと思いまして。」
「それは君、。。。君は、警察の人間なのか??それとも、それをネタによからぬ事でも。。。」
「いいえ、ただ。。。少し気になっただけですから。 私は僧侶でもあるので、死の尊厳と言うか。。あの~。。」
「まあいい、雅夫! 話してあげなさい。」
背筋が凍るようなあの視線、優しい言い方に隠された鋭い言葉。 背中に一筋の汗がつ~~と垂れるのがよくわかった。