最近、時間があると、Xに投稿されている算数の問題を解いています。

よく見ているのが、こちらのアカウントの投稿です。

 

何でも片っ端から解くというより、問題のテーマや着目点が面白そうなものを選んでいます。

いい問題を厳選してアップされているので、大人の頭の体操にもなりますね。

今回、面白いと思ったのが、灘中の過去問だという砂糖水の問題です。

砂糖水の濃度を聞かれているのに、着目するのは「水」。

こういう見方をする問題は、私には新鮮でした。

 

  まずは問題

 

容器Aに砂糖水600gがあり、そのうち150gを空の容器Bに移しました。

その後、砂糖65gを2つに分けてAとBに入れ、よくかき混ぜると、Aは20%、Bは10%の砂糖水になりました。

はじめの砂糖水の濃度は何%でしょうか?

濃度の問題ですから、まず砂糖の量を追いたくなります。

ところが、65gの砂糖をAとBに何gずつ加えたのかが分かりません。そこを正面から考えると、少しややこしくなります。

そこで、見るものを変えます。

砂糖を加えても、水の量は変わらない。

ここが、この問題の大事なポイントです。

 

  変わらない水を手がかりにする

 

150gをBに移した直後、砂糖水の重さは、

A:B=450:150=3:1

です。

もともと同じ砂糖水なので、濃度は同じ。含まれる砂糖も水も、重さの比は3:1になります。

その後、加えるのは砂糖だけですから、水の量の比は、最後まで3:1のままです。

一方、最後の濃度を見ると、

  • Aは砂糖20%なので、水は全体の80%
  • Bは砂糖10%なので、水は全体の90%

となります。

水の重さを、それぞれの水の割合で割れば、砂糖水全体の重さが分かります。

したがって、最後の砂糖水の重さの比は、

A:B=3÷0.8:1÷0.9
=27:8

となります。

水の比は3:1でも、砂糖水全体の比は27:8。

この切り替えが面白いところです。

 

  天秤図で、はじめの濃度を求める

 

AとBを全部合わせたと考えると、濃度は、重さの比27:8を使って、

(20×27+10×8)÷35
=124/7(%)

と求められます。

20%と10%を単純に平均するのではなく、それぞれの重さに応じて計算するわけですね。

ここで、全体を見直します。

最後の砂糖水は、もともとの砂糖水600gに、砂糖65gを加えたものです。砂糖そのものは、濃度100%として扱えます。

天秤図では、左に「はじめの砂糖水600g」、右に「砂糖65g」を置き、混ぜた後の濃度124/7%を支点にします。

支点から左右への距離は、それぞれの濃度と、混ぜた後の濃度との差です。

はじめの濃度を□%とすると、

600×(124/7-□)
=65×(100-124/7)

という式が立ちます。

天秤の左右で「重さ×支点からの距離」が等しくなる、という考え方です。

これを計算すると、

□=8.8%

答えが出ました。

ちなみに、27:8まで分かれば、もっと計算を短くすることもできます。

最後の砂糖水は合計665gなので、Bの重さは、

665×8÷35=152g

最初のBは150gでしたから、加えた砂糖は2gです。

最後のBに含まれる砂糖は、

152×0.1=15.2g

ここから加えた2gを引くと、もともとの砂糖は13.2g。

したがって、

13.2÷150×100=8.8%

こちらでも同じ答えになります。

同じ問題でも、全体を合わせて考える方法と、Bだけを見て考える方法がある。解いた後に別の道を探すのも、算数の楽しさですね。

 

  一問から、どれだけ学べるか

 

素人の私からすると、これはCレベル、つまり難問の部類ではないかと感じます。

ただ、必要な計算そのものが特別に難しいわけではありません。

難しいのは、何に着目すれば、分からない量を追わずに済むのかというところです。

砂糖の量は変わる。濃度も変わる。砂糖水全体の重さも変わる。

でも、水の量は変わらない。

その一点に気づくと、問題の見え方が変わります。

ニュートン算などを見ていても、昔の開成中の問題で見たような考え方が、今では中堅中学の問題にも出てくるのだな、と感じることがあります。

だからこそ、勉強は、ただ数をこなせばいいものではないと思っています。

もちろん、練習量も必要でしょう。ただ、答えが合ったところで終わってしまうのは、少しもったいない。

「この問題は、何に気づいてほしかったのか」

「何が変わって、何が変わらなかったのか」

「別の見方をすると、もっと簡単に解けないか」

そんなことを、一問ずつ振り返ってみる。

今回の問題からも、濃度の計算だけでなく、変わらない量への着目、比の使い方、全体を見るか一部分を見るかという視点まで学べます。

たくさん解くことに加えて、一問を深く味わうこと。

大人の頭の体操としても、こういう勉強はなかなか面白いものです。

 

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