理数系専門塾エルカミノ代表の村上綾一氏の10年以上前の著書「人気講師が教える理系脳のつくり方」を読みました。

 

 

これからは「理系脳」や「理系的思考」が生きていくためには大切ということで展開されています。

「論理的思考」を「理系的思考」に言い換えているのですが、私としては「文系」が論理的思考ができないとか、必要がないとは思わないので「文系」「理系」という分け方自体ナンセンスだと思っています。

著書などは手に取ってもらうためにはキャッチーなタイトルが必要なので。

しかし全体的には共感できる部分が多いので、以下にポイントを記載しておきます。

興味ある方は手に取ってお読みください。

 

  「理系に強い子」を育てるために

中学入試の問題です。

 

①1から50までをかけた1×2×・・・×49×50を計算した時、1の位から0が何個続きますか?

 

②□に1から9までの数字のうち異なる6つを入れて、式が成立するようにしてください。

答えは3つです。□□は2桁の数を表します。

(□□)÷□+□÷(□□)=25

 

理系の頭脳とは、筋道立てて、物事を考える論理的思考力や無駄なことを省く合理性、1つのことを、じっくり考え抜く、根気さ、様々な角度から問題を見る力や難問に直面しても、すぐにあきらめない粘り強さ、複雑に絡み合った問題を正確かつスピーディーに処理する能力など合わせた人間的な総合力のことです。

 

  「理系に強い子」はここが違う

理系に強い子は「分類」が得意です。

理系に強い子と弱い子の根本的な違いは、物事を合理的、効率的に処理できるかどうかにあります。

 

私は生徒たちに、算数の難問与えて、自力で解くまで正解を教えないという指導をしています。とことん自分の頭で考えて欲しいので、わずかなヒントしか与えませんが、生徒たちは驚くほど粘り強く問題に取り組みます。ただし、そのわずかなヒントの与え方が重要です。言い換えれば、絶妙なヒントの与え方にこそ算数の教え方の秘訣があるのです。

 

  わが子の才能を伸ばす親、潰す親

低学年のうちは、日々の学習のベースとなる読解力思考力をしっかり育てておかないといけません。

 

我が子のために早くから何かをさせたいのであれば、「便利な道具」を与えるのではなく、場合の数の書き出しのように面倒なことをさせるべきです。

 

教育で重要な事は「急がば回れ」です。

 

理系の素養を育む8箇条

1.おもちゃを与えすぎない

2.幼児期から美的センス、音感、情緒を養う

3.小さな変化に気づいたら褒めてあげる

4.大きな丸をつけてあげる

5.睡眠時間をたっぷりとる

6.本物に触れさせる

7.数字に親近感を持たせる

8.子供に解き方を説明させる

 

  算数を得意にさせる秘訣

計算練習させる際に大切なのは次の3つのステップです。

1.小4まではミスをしても愚直に暗記をさせる

2.計算の工夫を教えるのは小5になってから

3.入試が間近に迫ってきたら

 

算数、パズルの効能

1.つのことを長時間考える習慣が身に付く

2.自分なりの解き方がどんどん得られる

3.似たものを認識する能力が育つ

4.自分で間違いに気づく力がつく

 

算数でも最も重要なのは熟考を重ねることです

1.間違いやすいところを先回りして教えない

2.解き方を一方的に押し付けない

3.あえて説明不足の説明をする

4.仮説を立てさせて、理論的思考を育てる

 

  中学受験にどう向き合うか

塾で算数を教えている先生の大半は理系ではない。

大手塾で算数を教えている先生の多くは、理系指導のプロではない。理系指導のプロとは、相手が小学生であろうが、高校生であろうが、算数数学をきちんと教えられる指導者です。

 

算数の入試問題は、基本5分野が9割。

5分野とは次の5つです

数の性質、速さ、割合、平面図形、規則性

 

夏休み前の保護者会で私が注意しているのは、主に次の4つ

1.夏休みは苦手科目を克服する時期は大間違い

2.夏休みは得意科目を確実にする

3.夏に暗記物の勉強はやらせない

4.夏に頑張って、勉強しても模試の偏差値は伸びない

 

受験で後悔しないための10箇条

1.受験に無理解な父親を変えたいなら、学校見学をさせるべし

2.塾選びは、志望校選び以上に慎重に

3.安易に合格確実の太鼓判を押す塾には要注意

4.我が子の異変に気づいたら、勇気ある撤退を

5.後、保護者同士の価値観が大きく異なる学校は避ける

6.大学受験の苦労がない。附属校は子供のためにならない。

7.能力の限界を見きる勇気を持つ

8.実力以上の学校にも挑戦してみる

9.算ミスさえしなければ、受かるはずは危険な発想

10.受験当日の間違った声かけに注意

 

受験がもたらす最大の宝は、心の成長

 

  国語力はすべての土台

国語力はないと、算数の文章題も解けない

 

難関校の問題になると、本文に答えが書かれている事はほとんどありません。本文に書かれていない答えを求めるには、文章に書かれている世界観や状況把握し、作中人物の心情を常識的に予想する力が必要になります。

 

国語で問われるのは道徳心

 

「読む」と「書く」をつなげる。トレーニング。

この記述問題を解くときに、子供たちが行うべき事はわずか2つに集約されます。「題材となる文章を読むこと」と「問われた内容について書くこと」です。

 

言葉のアルゴリズムという教材を使って読むと書くをつなげる指導をしています。文章を構成する言葉の一つ一つを意味のあるパーツとして分解することです。「文章の解析」という理系思考のエッセンスを注入するのです。

 

  自立し、意欲的に生きていく子を育てる

つまずいても、立ち上がる経験が生きる力につながる。

 

作家の三浦綾子氏は、

「つまずくのは、恥ずかしいことじゃない。立ち上がらないことが恥ずかしい」

という言葉を残しています。

 

 

 

 

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