おはようございます。

 

1年前の今頃は主な中学校の入試問題を片っ端から見て研究をしていました。

子鉄の受験が終わりめっきり中学受験のことから解放され遠ざかっているこの頃です。

そんな中でも、こんな問題を目にしました。

 

【問題】

千の位と十の位が2であるような4桁の正の整数のうち、7の倍数はいくつありますか。(時間制限15分)

 

小学生でも時間と正確な計算力さえあれば十分解ける問題です。

でもこの問題、解けるだけでは面白くない。

どんなアプローチをして解くか。

どんなアプローチが考えられるかを考えるととても面白い問題です。

 

私はこの問題を見た瞬間4つのアプローチが浮かびました。

(その1)小学生の原始的なアプローチ

(その2)難関中学受験生および中学生のアプローチ

(その3)高校生のアプローチ

(その4)7の倍数の判別方法を使ったアプローチ

 

これを読んでいる方はもし解くとしたらどんなアプローチをしますか?

 

(その1)小学生の原始的なアプローチ

2□2△として□が0~9まで取る時に△が取りうるのはどれかな?とひたすら計算します。

(ⅰ)□=0の時 202△ を考えて 2023が該当 (∴2020÷7=288あまり4)

(ⅱ)□=1の時 212△を考えて 2121と2128が該当

これを0~9まで繰り返して

2023, 2121, 2128, 2226, 2324, 2422, 2429, 2520, 2527, 2625, 2723, 2821, 2828, 2926

の14個。

原始的とはいえ□と△とおいてその次にどうするか、ここが分かれ目です。

その方針さえ立てばあとは計算するのみ。

 

(その2) 

(1)の□と△をa,bと置き換えて、4桁の整数N=2a2b=2020+100a+bと「ケタばらし」をします。0≦a,b≦9

整数問題ではよくある方針。

N=2020+100a+b = 7×(288+14a)+2a+b+4 と式変形をします。

左辺が7の倍数ならば2a+b+4が7の倍数になればいい。

a,bの条件から 4≦2a+b+4≦31

つまり2a+b+4は7,14,21,28をとりうる。(整数問題では定番の範囲の絞り込み)

2a+b+4が7の時(a,b)=(0,3)(1,1)   2通り

2a+b+4が14の時(a,b)=(1,8)(2,6)(3,4)(4,2)(5,0) 5通り

2a+b+4が21の時(a,b)=(4,9)(5,7)(6,5)(7,3)(8,1) 5通り 

2a+b+4が28の時(a,b)=(9,6)(8,8) 2通り

合計14通り

 

(その3) 

最初は(その2)と同じで

N=2020+100a+b = 7×(288+14a)+2a+b+4 と式変形。

(ここで2a+b+4は決してNを7で割ったあまりではないので0≦2a+b+4≦6とは言えないことに注意)

Nを7で割ったあまりは2a+b+4を7で割ったあまりと等しい。

a,bを7で割ったあまりをそれぞれa',b'とおくとNが7の倍数となるのは

(a',b')=(0,3), (1,1), (2,6), (3,4), (4,2), (5,0), (6,5)のとき。

0≦a',b'≦6)

7で割ったあまりが0,1,2である1桁の数は、0,7、1,8、2,9の2個づつある。

7で割ったあまりが3,4,5,6である1桁の数は1個づつ。

したがって2・1+2・2+2・1+1・1+1・2+1・2+1・1=14個

 

(その2)と似ているが範囲の絞り込みをあまりの範囲でしていること。

ここに気づけば5分で解けます。

 

(その4)最後に、7の倍数の判別方法を使ってみます。

7の倍数の判別方法は1桁から3けたずつ区切って偶数番目、奇数番目の数をたしたものの差が0か7の倍数の時に7の倍数となります。

証明は省きますが、それをできる前提で考えるとして

2と「a2b」に分けます。

a2b=100a+20+bとしてその差をとると差=100a+b+18

これが0もしくは7の倍数になればいい。

0にはなりえないので100a+b+18が7の倍数になるようなa,bを考える。

100a+b+18=7×(14a+2)+2a+b+4

あれ?なんか見たことある形が出てきました。

(その2)(その3)で出てきた形です。

あとは同じです。

 

ちなみに7の倍数の判別法は

一の位の数の2倍と十の位以上の数の差が7の倍数であればその数は7の倍数と言える

というものもあります。

覚えることが大事でなく、なぜそう言えるのかを考えることが大切です。

 

どうですか?

たった1問、力任せに計算できれば小学生でも解ける問題が、それぞれの時期で習うことを使ってどのように解いていけるかがわかる問題だと思います。

 

ちなみに種明かしをすると、この問題は今年の第30回日本数学オリンピック予選の第1問の問題でした。

3時間で12問なので1問当たり15分まで。

なので(その3)か(その4)でサクッと解けないと予選通過はできないでしょうね。

 

私も30年ほど前に日本数学オリンピックの予選を受けました。

日本が数学オリンピックに参加し始めた初期の頃です。

見事に予選落ちでした(^^♪

 

後に、数学オリンピックで金メダルや銀メダリストと知り合う機会がありましたが、もう思考が異次元の世界の人でした。

高校生なのに大学の数学や物理の勉強をしているんですから。