「埼玉ポーズ」考案者の創作手話ダンスを世界に披露…来月アメリカで/読売新聞記事・2024年6月30日 

 

両手を胸の前で交差させる「埼玉ポーズ」を考案した八潮市の振付師早藤真紀さん(44)が7月30日、米ロサンゼルスで開かれるダンス世界大会のエキシビションで、聴覚障害者らと「手話ダンス」を披露する。早藤さんは手話ダンスの第一人者。「耳が聞こえなくても才能のあるダンサーがいることを知ってもらいたい」と意気込んでいる。

手話ダンスは、曲に合わせて歌詞を手話で示しながら、喜怒哀楽を踊りで伝える。ダンサーの前に補助者を置き、手でリズムを刻むことで聴覚障害者でもダンスを合わせられるようにしている。

 世界大会での出演は約6分間。差別や挫折をはねのけ、舞台で喝采を受ける人たちを描いた米ミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の主題歌に合わせ、手話ダンスで「ディス・イズ・ミー(これが私だ)」と表現する。

 早藤さんは歌手の安室奈美恵さんのバックダンサーに憧れ、中学と高校ではダンス部として活動。短大卒業後にプロのダンサーとなり、東京都新宿区のスタジオで踊りを教えるようになった。映画「 翔と んで埼玉」でも有名になった「埼玉ポーズ」は、早藤さんが生み出したものだ。

 早藤さんの両親は聴覚障害者で、母親は手話の普及活動に取り組んでいた。自身も手話を使える早藤さんは「ダンスと手話を組み合わせてみたい」と考えていたところ、2008年にスタジオに偶然、聴覚障害者の女性2人が「踊りたい」と訪ねてきた。

 切れのよいダンスを披露する2人の姿を見て、早藤さんは手話ダンスの創作を決意。先輩ダンサーと振り付けを考え、表現方法を磨いていった。

 17年にはNPO法人「舞はんど舞らいふ」を設立。手話ダンス教室を主宰し、都内や埼玉県内の小中学校や高校などでも50回以上、手話ダンスを教えた。現在、早藤さんたちがダンスを教えている会員約350人のうち、約70人は聴覚障害者だ。

 今回の挑戦は、ダンス世界大会「ワールド・オブ・ダンス」の国内関係者が手話ダンスを学びにきた縁で実現した。手話ダンスを披露するチームは、聴覚障害者3人を含むダンサー10人。早藤さんがリーダーを務める。

 耳が聞こえない峯本貴也さん(23)は「手話が伝わるようにしっかりと踊りたい」と意欲を見せ、早藤さんは「感情表現豊かな手話ダンスをアピールしたい」と話している。

読売新聞記事・2024年6月30日 

https://www.yomiuri.co.jp/local/saitama/news/20240630-OYTNT50003/?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR3NR8DgGPkDC14orJfLADMIUriRL13BM-zEyqtx3Qb5sZJ_xmw81T95yz0_aem_ZrQC0RhwyBh1-9sFNtqdQg