ろう者との交流 いつでも 平塚の「手話カフェ」 間借りから常設店へ イベントや夜のバー営業も/東京新聞記事・2024年4月17日 

 


神奈川県平塚市で営業時間外の飲食店を間借りしていた「手話カフェ」が5月に移転し、常設店になる。ろう者の若者らが働ける場所をつくろうと、1年前にオープン。聴覚に障害のない聴者が手話を覚えたり、筆談したりして店員とコミュニケーションが取れると評判になった。新しい店ではイベント開催や夜のバー営業にも乗り出し、交流の機会を広げていく。
 今の店舗は、JR平塚駅からバスで10分かかる同市菫平の商店街内にあるが、移転先は駅から徒歩2分と、アクセスは格段に良くなる。同市紅谷町のビル2階で、広さも倍の約50平方メートルになる。
 カフェを開く計画は、県立平塚ろう学校の高校生がアルバイトの面接に12回落ちたことから始まった。市内で手話を使った「UDダンス」を教える聴者の北村仁さん(41)が相談を受け、「働く経験ができる環境を」と動き出した。
 間借りしている飲食店の都合で、カフェの営業は主に土、日曜の日中。教室などに通って手話を本格的に学ぶのは疲れてしまうけれど、周りにいるろう者と話はしてみたい-。そんな動機で来る聴者も多いという。

 北村さんのダンス仲間で、聴者の澤下耀(よう)店長(32)は、気負わず交流する中で手話を身につけた。店のスタッフで、ろう者の謳歌(おうか)さん(24)は「手話ができなくても、少しでもコミュニケーションをしてくれたらうれしい」と、五十音に対応している手書きの指文字表を店に置いている。「話したい」気持ちがあれば、会話の手段はいくらでもある。
 カフェ開業のきっかけになった生徒は店で働き、高校を卒業した今春、公務員になった。移転後はアルバイトが1人増の3人になる予定で、新たな希望者も募っている。
 移転に伴う費用の一部400万円の寄付を募るクラウドファンディングも30日まで実施している。詳細は「キャンプファイヤー」のサイトで「ろう難聴の若者にアルバイト環境を手話とダンスでつながるカフェ&バーを作りたい」と題したプロジェクトページを参照。


東京新聞記事・2024年4月17日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/321713?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTAAAR3GhXcm5j2DEXva9AkDZtWIX5KBDROFmo0QOVDfriGEgzmv9sBWoH_m14g_aem_AckPPeQ7rAsU9OL1syE_ugI4KP4uyqWsEeIHkBfGyqrz8B1KTLCZwOMy2FALRNxyV123xhOEJgziKLUQxUprVQHN