レタスはちぎり方によって、長持ちできるかどうかが変わります。なにも考えずにちぎるのであれば、レタスの葉を何枚か重ねて折りたたんで、まとまった状態から、一口サイズにちぎっていけば早く終わります。

 しかし、それでは葉へのダメージが大きく、切り口がつぶれたり、葉じたいが傷ついてしまいます。レタスの葉は傷ついたところから劣化していくので、傷はないほうがいいといえます。

 

 レタスをちぎるときは、葉を一枚ずつばらしてからちぎっていきます。葉の先のほうから指でつまんで、引っ張るイメージで、一口サイズの大きさにちぎります。

 力を込めて引きちぎるのではなく、かるくつまんで、しぜんにちぎれるところでちぎるという感じです。一口サイズより大きくなったときは、その都度ちぎって大きさを調節します。引っ張るというのは、わかりにくいかもしれませんが、食用菊の花びらだけをちぎっていくときのような動きのイメージです。

 

 つまんで引っ張ることで、葉の繊維の断面にかかる負荷が小さくなると思います。負荷が小さいということは、繊維の断面がきれいに整った状態のままです。断面がきれいであれば、そこから水分を吸収してくれると思うのです。

 紙をビリビリと破くようにレタスをちぎれば、ちぎったときの断面への負荷が大きくなります。断面の繊維が傷ついて、不規則になれば、水分をとることがむずかしくなるわけですから、レタスのいい状態も長く続かないと思います。

 

 ネギを小口切りにすると、切り口がきれいなときとつぶれているときとでは、仕上がりがちがいます、切り口がきれいだと、水にさらしたあとでネギがパリッとなります。

 切り口がつぶれていると、水分を吸わず、ネギのなかの水分だけがでてしまい、ベチャベチャします。ネギもレタスも葉ですから、同じようなイメージができると思います。

 

 レタスの葉がパリッとしていれば、ちぎったときにパツンと音がします。この状態のレタスは、ちぎったあとで水にさらしても水分を吸ってくれて、パリパリになります。

 葉がしおれた状態では、つまむようにちぎっても、あまりパリッとなりません。ちぎったあとから葉をパリッとさせるのは、むずかしい気がします。

 

 レタスはちぎる前に、水分をあたえて、パリパリにしていたほうが作業がしやすくなります、葉じたいの水を吸い上げる力は弱いと思うのです。茎があれば、そこから水を吸い上げて、葉全体に行き渡らせてくれます。ですから、茎がついた状態で水につけておいたほうが、効率よく水分を吸収して、葉の鮮度が保たれると思います。