アスパラガスの皮はうすいですが、繊維質でかたい印象があります。かたいので、ピーラーで皮をむくときには、つい力が入ってしまいます。力が入ると、ピーラーの刃が深く入ってしまい、やわらかい内側の部分も削ってしまいます。
太いアスパラガスであれば、皮を厚くむいても許されますが、細いアスパラガスのときは大問題になります。食べられる部分が少なくなるのはもちろんですが、見た目が悪くなるのです。
アスパラガスの価値は、あざやかな緑色と、特徴的な形状です。ただでさえ細いアスパラガスを、厚く皮をむいてしまったら、緑色の部分がなくなり、形もひょろひょろになります。出来損ないのそうめんみたいなアスパラガスでは、料理がまったく映えないのです。
なかには、細いアスパラガスは皮をむかなくてもいい、という方もいるかもしれません。たしかに太いアスパラガスにくらべると、細いアスパラガスの皮はやわらかいとはいいませんが、嚙み切れないことはないくらいのかたさです。
しかし、繊維質のかたさはあるので、食べたときに皮の存在は感じてしまいます。家庭の料理であればガマンできますが、商品としての料理なら、アスパラガスの皮はないほうがいいと思います。アスパラガスの皮は、かならずむくものだと認識しているのです。
アスパラガスは皮がある表面が、きれいな緑色をしています。皮をむいたあとの内側は白色です。料理は色鮮やかなほうがいいですから、アスパラガスも緑色の部分を生かしたいと考えます。
アスパラガスは表面の皮と、内側の白い部分と、その間の緑色だけれどやわらかい部分、の3つに分かれます。アスパラガスの皮を厚くむいてしまうと、アスパラガスは白い野菜になってしまいますが、うすくむくと緑色の部分が残るので、緑の野菜になります。
皮をむくときは、できるだけ、緑色だけれどやわらかい部分を多く残したほうが見た目のよいアスパラガスに仕上がるのです。
しかしながら、このアスパラガスの中間層を残すのはむずかしく、いつも厳しい戦いになります。ピーラーに加える力を少なくすると皮はうすくむけますが、完全に皮がむけず、残ってしまいます。アスパラガスの皮は存在感が強いので、少しでも残っていると食感に悪影響がでます。ですから、しっかりとむきたいのです。
しっかり皮をむこうと思ってピーラーを動かすと、今度は刃が深く入ってしまい、緑色の部分が残らず、白い部分が見えてしまいます。緑色の部分と白い部分は、アスパラガスの個体差にもよるので、確実な境目はわかりません。
また、ピーラーの刃にも個体差があります。刃の厚さや切れ味がちがうと、力の入れぐあいも変わるので、いつも同じだとはいえないのです。
納得のいくアスパラガスの皮むきができることは少ないような気がします。アスパラガスの皮むきをしたあとは、いつもモヤモヤしています。