昔から、私は牛乳が好きでした。小学校の給食のとき、牛乳が余っていると、毎回すすんで、おかわりしていました。牛乳が苦手だという人の分まで飲んでいましたから、いま考えると飲みすぎだろ、と思ってしまいます。

 そんなに毎日、牛乳を飲んでいたわりには、身長は伸びませんでした。あのとき吸収したカルシウムは、どこにいってしまったのだろうという感じです。

 給食といえば、ひと回り以上、年齢が下の後輩とも、給食の牛乳については話が合いました。給食で飲んでいた牛乳が、ビンか紙パックかという話題だったのですが、意外とジェネレーションギャップがあらわれないものです。給食の偉大さを、思わぬかたちで知ることができたのでした。

 

 こどものころ、毎日飲んでいた牛乳ですが、大人になったら飲めなくなってしまいました。原因はわかりませんが、あるときから牛乳を飲むと、おなかをこわすようになったのです。牛乳を飲んだあとしばらくすると、おなかがぎゅるぎゅるいって、トイレから出てこれなくなってしまいます。

 はじめは、たまたま体の調子が悪かったのかと思っていて、変わらず牛乳を飲んでいました。しかし、牛乳を飲むたびに、おなかの調子がおかしくなるのです。牛乳を飲んだあとに、かならずおかしくなるのですから、犯人は牛乳しか考えられません。

 

 牛乳はかわらず好きだったので飲みたかったのですが、おなかをこわしてまで飲むのも問題があります。というわけで、何年も牛乳を飲まない時期が続いていました。たぶん10年以上、積極的には牛乳を飲んでいませんでした。

 もしかしたら原因は、お酒を飲むようになったからかもしれません。毎日アルコールが体の中に入ってくるので、私の腸がアルコールに対応強化したのです。アルコールに特化した分、牛乳に弱くなったということです。腸とアルコールが関連しているのかどうかもわからないので妄想でしかありませんが、お酒で体質が変わったというのはありそうです。

 

 しかし最近になって、牛乳の味がなつかしくなり、すこし飲むようになりました。飲んでみようと思った理由は、牛乳ではなく乳飲料という表示のものがあることに気がついたからです。乳飲料ということは、牛乳そのものではないわけですから、刺激も少ないのでは、と思ったのです。

 飲んでみると、なにごともなかったので、これはいい、と、いまでは定期的に飲むようになりました。牛乳はカロリーも脂肪分も多いものですが、乳飲料である低脂肪牛乳だと、どちらも低い数値になります。おなかはこわさないし、カロリーも脂肪も低い、低脂肪牛乳は私にとって、一石二鳥の牛乳でした。

 

 ふつうの牛乳にくらべると、あっさりしているというか、うすい味かもしれませんが、慣れれば低脂肪牛乳のほうが飲みやすくなります。逆に、ふつうの牛乳のほうが重すぎて、くどく感じてしまいます。低脂肪牛乳のおかげで、牛乳をふたたび飲むことができるようになったのは、うれしいことです。