今日は、和食厨房に仕込みのヘルプにいきました。私が長ネギをみじん切りにしていると、「細かくしすぎると、ねばりがでるから」と、注意されました。たしかに長ネギの中心部はやわらかく、ときには粘り気のある水分をもっていることがあります。

 私は、ふだんのタマネギのみじん切りのように、細かく、細かく、しようとしていました。長ネギのみじん切りは、タマネギのみじん切りのときにやる、まな板をたたくように切ることをしなくていいのです。細かくしすぎて、水分がでてしまい、ベチャベチャになったネギは、見た目が悪いですし、風味も消えてしまいます。

 長ネギのみじん切りは、形がある程度残るほどの大きさのほうが、ネギの持ち味を損なわないようです。

 

 私がひとりで、長ネギのみじん切りをするときは、べつな切り方でしています。中国料理のシェフから教わった切り方で、きれいに、細かく切ることができます。

 以前、このやり方で長ネギのみじん切りをしたら、「そんなこと、しなくていい」といわれたので、今日ははじめからやらなかったのです。

 

 私が教わった切り方というのは、長ネギに入れる切り込みがすこしちがいます。ふつう、長ネギのみじん切りはタテに長く、スジのように切り込みを入れると思います。私が教わった切り方は、包丁の切っ先を使って、短い切り込みをたくさん入れるのです。

 長ネギの全体に、1センチから2センチくらいの長さの切り込みを、中心部まで、しっかりといれます。中心部まで切り込みを入れないと、手早くみじん切りすることができません。

 長ネギの中心部まで切っ先をを入れるには、包丁を鉛筆の持ち方で使います。この持ち方だと、切っ先に力が入りますし、包丁をリズムよく動かすことができます。この切り方を教えてくれた中国料理のシェフは、中華包丁の切っ先を使って細かく切り込みを入れていました。

 

 長ネギは筒型に丸くなっていますから、コロコロと転がしながら、切っ先をまな板に突き刺すような勢いで、切り込みを入れていきます。切り込みの間隔が狭ければ狭いほど、細かいみじん切りになります。

 長ネギの全体に、まんべんなく、細かい切り込みが入ったら、切り込みに垂直に刃が当たるように切っていきます。この切り方ですと、ほぼ、一発で細かい、きれいなみじん切りができます。

 みじん切りの粒の大きさの基準は人それぞれで、料理ジャンルによってもちがいがあるようです。和食のみじん切りは、あまり細かくなく、それでいいの?と、私は思うときもあります。

 料理には、これが正解、というのはなく、メニューによっても、食材の品質によっても、調理方法が変わります。そこが料理のおもしろいところでもあり、むずかしさでもあります。