(4)いのちをつなぐ台所 | " いのちをつなぐ daidokoro 365 "

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アナフィラキシーショック(重度の卵・乳・大豆の食物アレルギー)を
おこす息子を通じてみつけた 質の良い食材や、日々の出来事、
育児を通して感じた事を綴っています。

病棟での長い生活は
私に新たな交流の場をもたらしてくれました


病棟での、母親の生活は・・・


病棟を出た所にある、家族用控室で惣菜や弁当を食べて
同じく家族用控室にある、シャワー室で毎夜シャワーを浴び
子どものベット横に置かれた
自分の肩幅ぐらいの簡易ベッドで毎日眠り


自分の食事と入浴以外の時間は
病棟で子供と一緒に過ごします


同じ事を繰り返す毎日
病院の外の世界とは、完全に隔離されています


だけど母親達は
毎日どこにも出かけなくても
パジャマから洋服に着替え、化粧をしていました
そして、ママ友と色々な事を話し
互いに、共感し、励ましあって


私はもう一度、学生時代に戻ったそんな
感覚になり


いつの間にか、病棟でのママ友との交流が
私の中で唯一の癒しとなっていきました


治療の副作用が、体に出ているS君を見て
わかっていてくれていると思っていた親類の口からも
「かわいそう。じゃなくて、あわれや。」
と、心無い言葉が、私の胸に深く突き刺さった
そんな日もありました


そんな言葉を聞いても
反論する気力は、私の中でもう無くなっていて
客観的に見たらそうなんだろうと
淡々と、分析して


そして、何事にも感情的に反応しなくなっている
自分の心の変化に気づきました



大病を患った子どもを持つ母親の気持ちは
そうなった者でないとわからない
言葉では言い表せない
他の人には、とうてい計り知れない
深い深い悲しみがそこにはあります


私たちは、生きる為に投与する
薬の副作用とも付き合っていかねばならない


「生きる辛さ」も
母親の心の中にはあります



私達家族は、今まで住んでいた世界とは違う
また別の世界に来てしまったんだと
理解しました