(3)いのちをつなぐ台所 | " いのちをつなぐ daidokoro 365 "

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アナフィラキシーショック(重度の卵・乳・大豆の食物アレルギー)を
おこす息子を通じてみつけた 質の良い食材や、日々の出来事、
育児を通して感じた事を綴っています。

病棟入りする前日に
検査と中心静脈カテーテルを入れる
手術が同時に行われました

個室に帰ってきた小さな息子の体には
ぐるぐると包帯が巻かれていて
胸からは、細く白いホースのような管が出ている
これからは、お薬をこれで投与する


そんな息子の体を見て
絶句してしまい、言葉は出なかったけれど
涙があふれてきた


傷口が痛むからか小さな声で泣いている
看護師さんが、そんな息子の頭を
何度も何度も優しくなでてくれました

長い時間が過ぎ
息子は、いつの間にか眠りにつき
私も息子の横で、いつの間にか眠ってしまった



先生から、病状の説明を聞くと
大変悪いことは容易に理解できました


ただ、救われたのは
息子は私の気持ちや、態度に左右されることもなく
まっすぐな目で私を見て、笑い、泣き
一生懸命、本能のままに生きようとしていたことでした


長い入院生活がとうとう始まってしまった・・・
出口のない長い長いトンネルに、入ったそんな感じでした


この時は、まだ食物アレルギーもなく
粉ミルクを飲み、時が経ち
病院で始まった離乳食の
炒り卵などもパクパク食べていました


息子の1歳の誕生日を目前にして
大きな最後の治療をすることになった


その副作用で、命を落とすことになるかもしれない
助かっても、薬の副作用があるかもしれない
先生からは、色々聞かされた
でも、私達には選択肢などない事も、わかっていました


息子は、そんな中
何も知らず、本能のまま、
ベビーベッドの柵につかまり
つたい歩きをして、たくましく成長していっていて
人間の生命力ってすごいって思っていました


振り返って思うと
こういった日々の中で
私は自然と
一日一日をかみしめて生きるように
変わっていったんじゃあないかな?
と思います