Yahooニュースで見つけた記事だが、「都営浅草線西馬込駅のホームドア運用開始により、東京都が管理する地下鉄全駅でのホームドア設置が完了した。」というのがあった。

このホームドアの設置では、単にドアが電車が来たら開閉するという動作だけを行っているものだと思っていた。そして、深く考えず、駅員がその動作を手動で行っていると思っていた。

この記事によると、従来から設置されているホームドアシステムでは、ホームドアと車両の両方に装置が設置されている。車両とホームドアとの間で無線で情報をやりとりすることで、ドアを開閉するシステムだからだ。

ホームドアシステムは、この情報を元に、ホームドア側から、電車がどのぐらいの長さなのかということを判別し、その長さに応じた部分を開閉する。

ただし、電車側にその機能を入れるには、電車側の設置場所を見つけるのが問題で、解決するには大きな費用と時間がかかる。それに対して、都営地下鉄が採用したシステムでは、電車側は単に車両のドアにQRコードを貼り付けることで対応する。ホームドア側がそのQRコードを読み取ることにより、ドアの開閉をするようにした点が注目に値する

電車のドアに単にQRコードを貼り付けるだけなので、費用は270万円で済んだ。これを採用しなければ、20億円ほどかかっていたそうだ。

このアイディアは特許になっているが、他の交通機関でも無料で使えるように特許を解放している。

この記事では、単にホームドアシステムの費用の削減を紹介している。しかしそれ以外に、こうした事故で色々と発生していた費用が、軽減されたのではないだろうか。

すぐに考えつくのは、転落事故による費用の削減だ。転落事故によって、車両が停まってしまい、その駅だけではなく、交通網全体に影響を与える。乗客を他の交通機関に移動してもらうとか、事故の対応が完了しても、もとのダイヤに戻すのにも費用たかかる。これらの費用軽減は大変大きな額になるはずだ。

QRコードをドアに貼り付けるという、単純に見えるアイデアで、費用を削減した点も面白いと思った。