最近スマホのHDRカメラにハマっている。HDRというのは英語でHigh Dynamic Range Imagingの略で通常の写真と比較してより広い明るさの領域内で画像を表現する手法のことである。

写真を取る場合に、その画面が明るい部分と暗い部分の明るさに極端な差がある場合、写真では人間の眼のようには画像を捉えることができない。明るいところに露出を合わせると暗いところが写らない。暗いところに露出を合わせると明るいところがうまく写らない。というような現象が起こる。

人間の眼は明るいところも暗いところも両方とも見えるように自分で調節している。

それと同じことをする目的でデジカメはいわゆるHDRカメラという手法をとる。そこでは露出を3段階(何段階でいいのだが)に分けて3枚の写真を撮り、その写真から良いとこどりをして写真を合成するのだ。そうすることによってあたかも人間の眼でみたような画面を作成することが出来る。

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こういういい写真が合成できるのだが、なぜかデジカメにはなかなかHDR機能が搭載されない。搭載されていてもそれが宣伝文句にはならないのだ。

これは昔からのアナログカメラの愛好家の心理をそのまま受け継いでいるからではないか。なにしろ、カメラで撮った写真をなるべくそのままの形で残すのがいいという雰囲気が伝わってくる。なにか手を加えるのは邪道ということなのだろう。アナログでは写真に手を加えるというのは難しかった。写真の現像などの段階で手を加えたりするのは可能だったが。

しかしその考え方は間違っていると思う。これからのカメラは誰が撮ってもいい写真が間違いなく取れるというカメラの時代に突入する。デジタルカメラではアナログカメラとは全く違った世界が広がるのだ。

それはすでに始まっている。例えば手ぶれ補正ひとつとってもその補正はデジタル処理をすることで対応している。アナログカメラ時代のメカニカルな手ぶれ補正ではない。シャッター速度、露光なども自動設定に大半のカメラはなっているはずである。

そして次はこのHDRである。普通のCMOSセンサーでは対応できないダイナミックレンジの映像を創りだしてくれる。

もちろん、写真の専門家が創りだす画像は良い画像であると思う。しかし、そのうちにそれに勝る画像をデジカメは自動的に創りだすようになる。

瞬時に複数枚の写真を撮るのが得意のデジカメである。露出の設定を複数回換えて撮影するというのもできるだろうし、ホワイトバランスを変更して複数枚撮るというのも可能である。

あるいは、複数眼のデジカメが出来てもよい。そのカメラで撮った画像を処理すれば更に良い画像を作り出せるはずだ。すでにスマホでは裏と表に1つずつカメラが付いているが、表にもう一つカメラを付けるのは面白いアイデアと思う。

将来のデジカメは拡張機能のようなものを他の人達が造って、そのカメラにソフトをインストールして機能強化が可能になるというものも出現するのではないか。そのためには標準のカメラ専用OSなどというのが考えられても良い。

自動車がマニュアル車からオート車に大半が変わってしまったように、デジカメもマニュアルで写真をいろいろ人が捏ね回すのではなく、カメラが自動的に人よりも数段優れた画像を創りだすということになるはずだ。