マイクロソフトは今月11日に大規模な組織再編を打ち出した。

これはパソコンの市場の拡大が今までのように見込めないために、今後の生き残りをかけた取り組みといえる。

いろいろのメディアではモバイルのような高い成長が見込める分野へのシフトを図るものだという意見が多い。

確かに生き残りをかけるというよりは、成長する新しい分野を探し出し、成長を続けるというストーリーがマイクロソフトだけでなく、一般の企業では望ましいのは当然の話である。

ただし、私はそんなにうまくいく話は過去から今まで考えてもないと思っている。特にマイクロソフトのように一時代をその製品で画したような会社ではその傾向は著しいというものだ。

セロックス、コダックなどを見ているとよく分かるはずである。

そういう会社の中で、結局マイクロソフトが目指していくのはIBMのような生き残り方になるのではないかと考えている。

IBMは一時はコンピュータに関わるすべてのものに関わっていた時期があった。まさに天下にIBMありという時代の時である。

その時期が過ぎてから、IBMの苦しみが始まる。しかし、その苦難の道筋の中から自分たちの生き残りの道を探し出し、今も十分世間に胸を張れる利益を継続的に出していける会社として残っているのだ。

その間に、パソコンはもとより、ハードディスク、半導体など手持ちの技術的財産をどんどん切り捨てていった。そして、自分たちの得意とする分野で他と十分に競合出来る分野を特定して生き残りを図ったといえる。

新しい成長分野を探しだして育てていくというのもいいが、マイクロソフトも結局はIBMのような生き残りの道を探して行くのではないかというのが私の予測だ。何を捨て、何を残していくのか、それは壮絶な身を切る戦いであるが、それを乗り越えて生き残りを図っていくしかマイクロソフトには方法はないように思うのだが。