米国のサイト「TechCranch」に「Steve Would Be Proud:「How Apple Won The War Against Flash」という表題の記事が出ている。

日本語訳は以下のところに。日本語の表題は「ジョブズの誇り:AppleがFlashとの戦いに勝つまで」となっている。

この記事を読んで「えっ」と思ったのは私だけではないのではないかと思う。

この記事はAdobeがAndroid 4.1以降のバージョンには、Flashをサポートしないという発表を受けてのものだ。では、そのAdobeの発表はこの記事のようにAdobeがSteave Jobsに負けたと言っているのかというと全く違っている。当然、AdobeはFlashに代わるものを提供してくるはずである。それはWindows 7に代えて、Windows 8を出してくるのと似ている。

私はもともとAppleがiPadなどにFlashを採用しなかったのは、ユーザ無視の暴挙だと思っている。私はiPadを使っていて、何度か見たい動画を見ることができなかった経験がある。それはひとえにAppleがFlashを採用しなかったからだ。こういう被害を被った人は私だけではないと思う。

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JobsがFlashを嫌いだというのはそれはそれで個人の考えだから良いのだが、その考えをユーザにまで押し付けて迷惑をかける必要はないと思う。

Jobsが嫌った理由についてもいろいろ言われているが、それは公開の市場で対抗するものを自前で作成するか探しだして戦えば済む話である。Jobsもそのつもりだったはずだ。

それにAdobeは以前からFlashに続けるものを開発しており、それはAdobe Airという名前で発表されている。そして、Flashの後継として位置づけられているのだ。だから、単にFlashをサポートしないというのではなく、それに代わるものを提供していくことになるはずだ。

また、HTML5の動きもAdobeがAdobe Airに展開していく上で重要な役割を果たしたと思う。HTML5は動画対応の機能を備えており、Flashが必要なくなるというような話も出ていた。これに対抗してAdobeはさらにAirを改良していくと思われる。

Steave JobsがFlashを採用しないといった時期は今考えるとそうとう早い時期の決断で、Flashに対する不満があり、将来にわたって使えるものではないという考えがあったのだろう。そういう点では先見の明があったと言わざるをえない。

しかし、その時点でその商品に必要なかったかどうかは、別の問題である。やはり、サポートしておくべきだったのではないだろうか。