千夏さん(仮称)が「君」から「彼女」になった3ヵ月のストーリーです。

 

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(前日のストーリーのおさらい):2週間の海外出張のチャンスを得た千夏さん。

出発前日に翔太さんと会い、思いを伝えられた千夏さんは旅立ちました。

 

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出張先のベトナムで充実した毎日を過ごす千夏さん。

見る物全てが刺激的で多くのことを吸収しています。

 

ただ、どんな景色を見ても、食事をしても、少しバカンスをしても、

脳裏をよぎるのは

(今頃翔太さんは何をしているのかな…)

でした。

 

時差は少しといえどもどのタイミングで連絡をしたらいいのだろう…

と考えているうちに数日が経ちました。

 

そうこう悩んでいても仕方ない、意を決して千夏さんは翔太さんに

電話をしました。

 

「もしもし…」

 

「おぉ、元気でやってる?そっちは楽しい?」

 

いつも屈託のない元気な声でした。

 

千夏さんは思わず涙声…

 

バイクの異常なまでに多いホーチミンの街中の様子や、

サイゴン川のクルーズのこと、世界遺産のハロンや

ホイアン屋台の話など話せば尽きないといった感じで

話す千夏さんを、翔太さんはただただ聞いてくれていました。

 

「千夏、こんなにしゃべるんだったっけ?」

と途中つっこみも入るほどでしたが、千夏さんはベトナムでの

毎日の報告より何より、翔太さんの声が聞けたことが

何より嬉しかったのです。

 

「飛行機でたったの6時間離れているだけでこんなに

生活や文化が違うんですね。世界ってほんと広いです。」

 

そういって感慨深くなると、翔太さんが、

 

「1日1日を大切にね。まだ見ぬ世界が千夏を待っているんだから。」

 

そういって元気づけてくれました。

 

千夏さんは、翔太さんからのそこ言葉を胸に残りの日を

全力で頑張りました。

 

そして帰国。

長かったようなあっという間だったような2週間。

 

千夏さんは少し日焼けしたせいもあるかもしれませんんが、

行く前より大人びた様子をかもしだしていたようで、

翌日出社して会社の同僚からは、

 

「千夏さん、雰囲気変わったね。」

と言われました。

 

もちろん翔太さんにも帰国の連絡はしてあって、

会いたい気持ちを抑えられずにいました。

 

その日は現地での報告レポートがあり遅くまで会社に

残っていると、うしろから大柄な男性の気配を感じ、

フッと振り返ると…

 

「おかえり」

 

翔太さんがわざわざ千夏さんのフロアまで来てくれたのでした。

 

「帰国早々残業なんて大変だな」

 

「なんで、なんでここにいるんですか?」

 

千夏さんは驚きと嬉しさとで慌ててイスから立ち上がり、

それと同時に足をつまづかせ翔太さんにもたれかかりました。

 

「相変わらず、そそっかしいな」

 

「だって、だって…」

 

千夏さんの顔がくしゃくしゃになりました。

 

 

つづく…