千夏さん(仮称)が「君」から「彼女」になった3ヵ月のストーリーです。

 

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(前日のストーリーのおさらい):友人から最近の翔太さんの様子がおかしいと

言われ連絡を入れた千夏さん。会うとお土産で渡したネクタイをしてくれている

翔太さんの姿に…

 

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「ありがとうございます。ネクタイつけてくれて…それより、悠斗さんが最近の

翔太さんはちょっとおかしいって私に言ってきました。何があったんですか?

また、私には何にも言ってくれないのですか?」

 

正直、ネクタイ姿をみた瞬間、嬉しくて飛びつきたくなる気持ちを抑えて、

できるかぎり平静を装うように質問しました。

 

「それに…私の家のそばまできて…」

 

と追い打ちをかけるように矢継ぎ早に再度質問をしました。

 

「そんなに質問ばっかりするなよ。ネクタイをつけているところを

見せたかっただけだよ。」

 

と翔太さんは素直に言ってくれました。

千夏さんはこの言葉にも嬉しい気持ちになりましたが、

それでもまだ、千夏さん自身は何か引っかかる様子で、

 

「どうして翔太さんは、何にも話してくれないの?

こんなに信頼しているのに…翔太さんはまだ私のこと信頼していないの?

私、そんなに頼りない?」

 

千夏さんは、自分の思いの全てをぶつけました。

 

すると翔太さんは、

「そんなことないよ。」

 

と穏やかに答えましたが、

 

「そんなことあるよ。」

と強い口調で言い返しました。

なんだか悔しくて涙がポロポロとこぼれてきました。

 

「おい、なんだよ、泣くなよ…」

 

「だって、なんか悔しい…」

 

2人の間には沈黙が流れました。

ただ、今までとは違った空気感が漂っていたことは、

2人とも感じていました。

 

そして翔太さんは沈黙を破るように、また言葉を選びながら、

千夏さんの目をまっすぐ見て、

 

「やっと敬語じゃなくなったな」

 

と嬉しそうに言いました。

 

千夏さんは、自分が何を言ったのかわからないくらい、

感情を込めて言った結果のタメ口だったので、

翔太さんにそんなことを言われて、急に恥ずかしくなりました。

そして千夏さんは、

 

「もう敬語なんて二度と使ってあげないんだから。」

 

と、泣き笑いの表情で翔太さんを見上げました。

 

「おまえ、おもしろいなぁ」

そう言って、翔太さんは千夏さんの頭をポンポンと優しくたたきました。

 

千夏さんは今までで一番、翔太さんを近くに感じました。

 

「私、わたし…」

 

 

つづく…