千夏さん(仮称)が「君」から「彼女」になった3ヵ月のストーリーです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(前日のストーリーのおさらい):翔太さんの過去の恋愛事情を
真奈美先輩に教わった千夏さん。千夏さんは寄り添いたいという
思いを持っているが…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
真奈美先輩との電話が終わったあと、千夏さんはひとり、翔太さんの
今までの言動、行動を思い出していました。
(どうしたら私は…)
その後も翔太さんとは特に進展もないまま、数日が経ちました。
千夏さんはこうしてみよう、このほうがいいのかなと考えては立ち止まり…
の日々を過ごしていましたが、思い切って翔太さんを食事に誘いました。
「あのね、私、真奈美先輩に聞いたんです。翔太さんの過去の恋愛のこと…」
「そっかぁ。それで千夏はどう思ったの?」
「私は…まだこれがいいって答えは出ていないけど、翔太さんへの思いは
変わらないから…」
「かえってごめんな。これはオレの問題だから…」
「私は翔太さんの気持ちに寄り添いたい。私、頭は悪いから、
気の利いた言葉もかけてあげられないけど、話くらいは聞くことが
できるから…」
そういって少し柔らかくなった空気の中、時間がゆっくり過ぎました。
帰り道、翔太さんから
「まだ少し時間ある?東京タワーに行かない?」
と、ちょっとびっくりする申し出がありました。
千夏さんはもちろん嬉しいお誘いではあったのですが、
正直高いところが苦手で…
ただ、翔太さんが、東京タワーに行くことで何かを感じられるならばと
ついていくことにしました。
「やっぱり高い…怖い…」
エレベーターがあがっていく時、千夏さんは思わず本音が出てしまいました。
「大丈夫?初めて?」
「はい…」
「つかまっていていいから」
そういって展望台に到着した時、千夏さんの目の前に広がった景色は、
今までで一番美しい夜景が広がっていました。
「わぁ~!」
「どう、キレイでしょ?オレ、いつも何かあるとここに来ているんだ」
と、言って、景色の中に吸い込まれていきました。
「待って!」
そういって千夏さんは翔太さんを追いかけたとき、
(翔太さんは自分の弱いところを見せてくれているんだ)
と感じ、千夏さんは自分の心持ちが決まった気がしました。
翔太さんのことをずっと支えていきたい、と…
千夏さんは辺りの景色が潤んでいくのを感じました。
つづく…
