十代の後半にひょんのことから、コーリン・ウイルソン著「アウトサイダー」に出会った。一読して目から鱗がおちた。当時世間的に評価されず、不遇な生活、変人・奇人と見放されていた、ドストエスキー、ニーチェ、アルチュール・ランボー、ゴッホ等を取り上げ「アウトサイダー」こそ世の光となり、人の道しるべとなるとした。時代から排斥されたのは余りにも彼らは世界をみえ過ぎたからだという。
「正統と異端」、彼らはその狭間に生きた。否、苦悩した。
著者のコーリン・ウイルソンは小学校も碌にでていず、拾い仕事をしながらあの大英図書館に閉じこもりこの本をものにした。独学だが恐ろしいほどの博学である。
当時小生もおこがましくもそんな生活にあこがれ、日比谷公園にあった日比谷図書館によくいった。ただ老いた司法試験受験生の惰眠を眺めているだけだったが・・・そして小生もまた惰眠。
英国といえばまた、大英博物館が知られている。別名知る人ぞ知る「大泥棒博物館」、大英帝国の植民地政策を世界中に推し進め、収奪と搾取を繰り広げ、金銀財宝、世界遺産を持ち帰った。
貧乏国であるが世界で一番幸せな国を国是としているとブータン王は自ら王政を廃止した。
今日は子供の日、子供は自分の生まれた環境を知らずしてこの世にあらわれる。
メデイアは英国のロイヤルベビー誕生と大騒ぎしている。王室に憧れを持つことは何ら否定はしない。ただあの奇怪な家族環境に思うに何が幸せなのかと思うだけである。