白いビニールシートに密閉された車いすに乗り込み、CTとレントゲン室に直行します。週末で外来患者さんがいなかったため、周囲は鎮まりかえっており、目線にある透明シート部分から見える世界がとても遠くに感じました…。

 

検査室に到着すると、ビニールシートに囲まれた車いすのなかで着替えをするよう指示がありました。狭い空間かつ、指にはパルスオキシメーターとその先にモニター用の小さな機器が付いているので、これがなかなか大変でした汗CTに続いて、レントゲンを撮り終えると、再び車いすに乗り込み、いよいよ病室に向かいます。

 

入院は2019年6月に皮膚筋炎を発症して以来です。まさかこんな形で再び戻ってくることになるとは思ってもみませんでした悲しい運が良いことに病室は4人部屋に1人でした。4人部屋の一角を消毒等の感染対策用の作業スペースに充てられており、最大3名入院ができる仕様になっていました。担当は呼吸器内科の若い先生です。こちらの緊張を取り払うためか、マスク越しですか柔和な表情が伺えます。

 

濃厚接触者の有無や感染経路、これまでの症状について一通り質問がありました。私の肺には間質性肺炎の跡が若干残っていますが、CT及びレントゲンの画像上では新しい肺炎の所見はない、とのことでした。一番心配していたことなので、とりあえずはほっとしました。肺炎がない場合には他の症状の強度にかかわらず、軽症に分類されます。一方、免疫抑制剤の服用によって免疫抑制状態、肺に疾患があるので軽症かつハイリスク患者として治療計画がたてられました。

 

主治医の先生の説明では、まずは抗体カクテルの「ゼベュディ」、それでも改善がなければ「レムデシビル」、肺炎に発展した場合は「デキサメタゾン」の投与等が検討される、という話でした。肺炎症状がないので、改善のあるなしは熱が下がるかどうかで判定するようです。抗体カクテル、と言う強いワードがいきなり登場して少々戸惑いもありましたが、私が罹患している抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は、間質性肺炎が急性増悪しやすいことでも知られており、悪化のリスクは絶対に取りたくなかったので、比較的すんなり受け入れることができました。有害事象はあまり報告されていないとのことでしたが、投与開始が夕方以降の予定だったので、それまでに自分でも調べておこうと思いました。

 

私は採血時に迷走神経反射がでることがあります。そのため採血の際には事前に何本取りますか?と確認して、多い場合には横にならせてもらうようにしています。今回「何本取りますか?」と聞いたら「結構たくさん採るんですよー」とオブラートに包んだ答えが逆に怖い不安ぱっと見8本くらいは採血のビンがおいてあったと思います。先生直々に採血してくれるらしく、しかもルートを確保したらそのまま点滴に使うようで、肘と手首の間くらいの位置で血管を探っていました。先生よりも隣の看護師さんが方が慣れているんじゃ…。(心の声)

 

ブスっと針を刺したあとにグリグリされて思わず「痛いっ!」と声をあげてしまいました。何度も発する「痛いっ!」の声にも全く動じることなく(メンタル強い!)、先生は引き続きグリグリ…。ようやく血が流れていきましたあせる水分不足のせいか、最後はなかなか血がでてこなく、先生は「一回で採りたいな~~」とつぶやきながら腕を再び縛ったり、ゆるめたり、なんとか必要量が採れたみたいです滝汗ちなみに後日点滴をはずしたときに、アザなどは一切できていませんでした。痛かったけど、先生上手!?

 

続いて心電図もとり、血液検査とあわせて問題がなければ予定通り夕方からゼベュディの点滴です。入院できてほっとしたのか、熱がまた徐々に上がってきている感覚がありました。点滴開始まで時間があったので、ベッドで横になり身体を休めました。