今日はデイケアがお休みなので、

10時半頃に朝食兼昼食を姉の所に持って行った。


雨戸は開いていた。


「おはようございます」

「おはようございます、早いのね」

の言葉から始まる。


「年寄りの特権で休んでいましたよ」



おにぎりを二個、昨日の残りの青椒肉絲、金時豆を。

「わぁ~、美味しそうじゃない」


そう言って姉は食べ始める。

「ほんとうに美味しいよ」

「○○さん、作ったの」


喜んで美味しそうに食べてくれる。

あわてて時には胸につかえたりすることもあるほど食欲はある。


おにぎりを食べながら、

自分の姉や妹の事を心配する。

「もう起きているかしら」

「ご飯は食べたかしら」


この会話は何度か繰り返される。

その度に形を変えながら答える。

姉妹二人の事を聞くと安心して「元気が一番だよね」と。






先日、義姉の妹も一緒にいた時に、

「○○さん、一番悪いクジを引いたよね」

と言われた。


気持ちの良い言葉ではなかった。



夫の姉達3人、このところ3人が具合が悪かったり入院したりした。

病院へ送ったり、デイケアの準備をしたり……

自分の生活の中で結構その時間は多かった。


結婚した時から、一番上の姉の面倒は見る、という暗黙の気持ちは持っていた。夫の親代わりの人だから。



時は過ぎ……

元気に動けるのは私達夫婦だけになっていた。

姉達が皆近くに住んでいるので動くには便利である。



今世話をしている2番目の姉との縁はそれほどは強くないと思っていた。

物静かで品が良くてお花もお茶も師範を持っているこの姉は遠くから憧れの気持ちを持ってみていた。



6月から2人の姉妹達が体調を崩し、私達夫婦があれこれと動くようになっていったわけだが……


朝と夜、お弁当を届けてしばらくお喋りをする。

姉は認知症を患っているが、私に対しては丁寧な言葉でしゃべる。私も義姉ということを大切に丁寧に対応する。



「一番悪いクジを……」


私の感じ方は違う。

遠くにみていた義姉と今は素直な近しい気持ちで接している。


…こんな出会い方があるんだ。

これまでとは違う姉との繋がりを思いながら、

…私、幸せだなぁ、と思う。





私の好きな「クルクマ」、

見かけたので仏壇用に買ってきた。


ピンクのこの花、まるで極楽の花のよう……

義姉も、「ほんとうに綺麗ね」と喜んでくれた。