小さな星屑 #15 | 大仏マンのお遊戯

大仏マンのお遊戯

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純はゲームセンターを出たあと、隼人に言われたことを考えながら、家への帰り道を歩いていた。


「好きだけじゃあどうしようも……ん?あそこでなにやってるんだろう?」


見ると、歩いている道の先に人だかりができている。どうやら、路上で何かやっているみたいだ。


「あれって、蒼太くん?」


よく見てみると、人だかりの真ん中に蒼太と真矢が立っていた。


「さぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。今から、パフォーマンスショーの始まりやで!!よっ、そこの兄ちゃん姉ちゃん見ていかへんか?」

「弓瀬、バナナのたたき売りじゃねぇんだから。ほら、始めるぞ」

「そうやった。ほな、ミュージックスタート!!」


そう言うと真矢は、音楽プレイヤーのスイッチを入れた。スピーカーからは、軽快な音楽が流れ、それに合わせて二人はダンスをしていく。誰かが手拍子をやり始めると、だんだんと伝染していき次第に大きくなっていった。
そんな大勢の人の中で、純は蒼太たちの姿を黙って見ていた。







「みなさん、ありがとうございました。」

「おおきに。また来てや」


二人は立ち止まってくれた人たちに、お礼を言いながら一礼した。


「蒼太くん」


純は二人に近づいて行った。


「おい純、今まで何やってたんだよ。待ちくたびれたぞ」

「え?」

「いや、弓瀬がさ、俺たちのダンス見れば純も良さを分かってくれるだろうって」

「もしかして、ずっと道でダンスしてたの?」


純は驚いた。確かにこの道は帰り道だが、帰る時間は不規則で、学校で遅くまで残っていることもある。今日だって、隼人に誘われていたので、学校から真っ直ぐ帰ってきたわけではない。
そんないつ来るか分からない純の為に、蒼太たちはずっと路上でパフォーマンスをしていたのだ。


「俺もさぁ、最初はいやいやだったけど、やってみたら超楽しくてさぁ」

「蒼太くん、確かに楽しそうだった」

「純は?楽しくなかったのか?」

「僕は……楽しそうとは思ったよ」

「じゃあ・・・・・・」

「でも、無理だよ。僕、運動出来ないし、性格も暗いから……」


純がまた、俯きながら答えた。


「だから、何やっていうんや」


横でやり取りを聞いていた真矢が、純に向かって言った。


「そら、運動出来たり、性格は明るいに越したことはない。でもだからって、ダンスをせえへん理由にはならへんはずや。大事なんは、好きかどうかってことちゃうか?」

真矢に続いて、蒼太も口を開いた。


「純。俺さ、今まで色んなことやってきたけど全然続かなかったんだ。それって本当にやりたい事じゃなかったからだと思う。俺のやりたかった事ってやっぱりダンスだったって、この前気付いたんだ。だから、お前も自分の気持ちに素直になったほうがいいと思うぞ。」

「自分の気持ち……」

「明日の朝、屋上で待ってるから、絶対来いよ」


そう純に告げると、蒼太は帰って行った。










次の日、蒼太と真矢は屋上に居た。


「おい、蒼太。昨日あのまま帰って良かったんか?」

「言いたい事は言ったし、俺は純を信じてる。」


すると、屋上の扉が開き、純が出てきた。


「純!!」


純は蒼太たちに近づいて行くと、ゆっくりと話しだした。


「……運動出来ないし、ネガティブなことも言うかもしれない。勉強もあるから、放課後も毎日は練習出来ない。それでも良いって言ってくれるなら、僕も蒼太くんたちと一緒にダンスさせてほしい!!」


今まで弱々しい言葉しか言わなかった純から、初めて力強い言葉が出た瞬間だった。


「って言ってくれてるけど、どうするんや、蒼太?」

「勿論、大歓迎だって!!」

「ありがとう!!」


三人の顔は自然と笑顔になった。


「よっしゃ、これで三人やな。せや、まだちゃんと挨拶してなかったなぁ。B組に転入して来た弓瀬 真矢や。」

「A組の早乙女 純です。よろしく、弓瀬君。」

「さぁ挨拶も済んだし、練習すっぞ」


そう言うと、三人は朝の練習を始めた。