年明けの1冊には、去年の1冊目として選んで成功だったミネット・ウォルターズをとも思ったのですが
新作で出た「破壊者」は原書で読んでお気に入りとはならなかったから
まだ購入さえしてなくて、それなら何を読もうかと迷いに迷って
やはりロマンス色少なめで、ミステリーやサスペンスの比重が多いものと決めて
リサ・ガードナーのシリーズものではないらしい「いまは誰も愛せない」を手にとってみたところ
嬉しいことに一気読み、これははまるぞ!と、続けて読んだ「あなただけに真実を」では
毛色の違うヒロインキャラとヒーローの展開に恐れ入りました~
これはお気に入り作家さんが増えるわ~と喜んでいたのに
この作家さんのHQ以外でのデビュー作品となる本書を読んでみて・・・微妙となりました

初リサ・ガードナー作品として「いまは誰も愛せない」から読んだのが良かったのか悪かったのか?
初めに「素顔は見せないで」を読んでいたら、リサ・ガードナーは集めなかったかも


本書を読む前に、HQから出てた別名義(アリシア・スコット)のシリーズものを読むことにして
それがまた、2冊読んだ文庫本のテイストを勝手にイメージしていたせいか
(HQから出ているんだからロマンスロマンスしてても当たり前なのでしょうが)
意外にロマンス色が強かったものだから驚きつつ、それはそれで楽しめて
なおかつシリーズを通して謎が解けるという好みの展開で、何故早く読まなかったのかと後悔

それ故ずっと入手できなくて読めないままだったこの初文庫作品を図書館で見つけ
貸し出しの順番を待つ間も、早く読みたい思いは募るばかりで
本が無いならとりあえず映像でも探そうと
「いまは誰も愛せない」は 原題のまま The Survivors Club のタイトルで見つけ
「素顔は見せないで」は Instinct to Kill というタイトルの作品を探し出し観ることができました

「いまは誰も~」のTV版は内容もさほど大きく変更されてなかったし
出演者も結構豪華で(失礼)、これはまた別枠で感想と一緒に残す予定なので
ちょっぴり不満はあるものの概ね満足できたということで
問題は「素顔は見せないで」のTVムーヴィー版
なんとまあ2流3流ムーヴィーも決して嫌いじゃありませんが、あまりのお粗末さにがっかり
テス役の Melissa Lahlitah Crider さんは出演されてるドラマで見覚えもあったし
テス役としては、線が細くて確かに折れそうな外見でぴったりと違和感はなかったのですが
J・T役の Mark Dacascos さんのキャラのせいでしょうか(「クロウ」とか米版「仮面ライダー」とか御出演)
いやはや単なるアクションものと化してしまったようで
{所詮ロマンス系の作家さんの作品のドラマ化なんてこんなものね的}な仕上げになっておりまして
期待していただけにガッカリ
この時点でまだ原作は読めてなかったから、どこがどう違うのかわからなかったけど
なんと読んで驚いたのは、映像で先に観てしまった内容とさほど変わりなかったことに二度びっくり
(TV版は登場人物のキャラ描写やバックグラウンドはほぼ無視してますから、正確には同じとは言えない)
でもまあポイントは抑えているかな

登場人物は
テレサ・ベケット/テス・ウィリアムズ/アンジェラ 24歳
18で結婚、夫の秘密が明らかになり逮捕されてからの2年間も娘のサマンサと共に逃げ続けている

J・T・ディロン 36歳 (ジョーダン・テランス・ディロン)
    元海兵隊員(武装偵察部隊ってドキュメンタリーで観たけど確かにすごかった)を経て
    傭兵として仕事を請け負うが5年前に辞めて、その後結婚しアリゾナに引きこもる
    結婚し妻の子供も養子にして落ち着いたかに見えたが
    大切な妻子が若者による無謀運転の犠牲者となって死亡したことを今も引きずる

ジム・ベケット 36歳 テスの元夫で警官

マリオン・ディロン 34歳 J・Tの妹、FBI捜査官 

ピアース・クインシー FBI捜査支援課の特別捜査館 離婚したばかり

お話の流れとしては
*白馬の騎士だと思って結婚した相手が世にも恐ろしい連続殺人犯だと知ってしまったテレサは
警察に密かに通報するが、なにせ夫は警官だったため逮捕に至るまで慎重を期すことになり
その間確実な証拠を掴むため、恐怖を堪えてそれまでどおりの生活を続けるが
夫に気づかれ殺される一歩手前で運よく難を逃れる
ところが恐ろしい恐ろしい夫が捕まっても安堵することはなく2年余り逃げ続けていたテスの元に
3週間前厳重に警備されていたはずの刑務所から看守を2人殺して脱獄したと連絡が入り
自分の命がまず狙われることがわかり、4歳の娘サマンサを安全な場所に隠し
警察はもう頼りにならないと、元海兵隊員のJ・T・ディロンに自分を強くして欲しいと訓練を頼むが・・*


って、ここまでが冒頭の数ページで、意外や意外TVムーヴィー版もほぼ原作に忠実な流れ
それを鼻で笑って観てたものだから(こんな安っぽい展開あるんかい?ってね)
そしたらなんのことはない原作も同じでびっくり
まずテスがJ・Tにしつこくサバイバル訓練を頼む場面では
断り続けるJ・Tに引きうけてくれるなら自分の身体を・・って、オイオイ!!
ここでテスに第一のガッカリ
そして支配的な父親のあと、さらに支配的な夫と不運続きのテスが
なんとまあそんなにあっさりJ・Tに欲情しちゃうことに、第二のガッカリ
そして一番のガッカリは、強い女になりたいのっていいつつ最後までヘタレだったことと
しかもサマンサを人質に取られたのに(犠牲者まで出して)その最中にJ・Tに欲情しちゃってるところ
なんなのこのB級ムーヴィー的展開は?と読んでてだんだん腹立ってきた

テスの夫ジム・ベケットは極悪非道なサイコ野郎で、元警官だからか常に捜査の10歩先を行ってる
これもイライラさせられる展開で、いくら変装の名人でも・・ってTVムーヴィー版を馬鹿にしていたら
原作ではその何倍も変装シーンが出てきて、警察もまんまと騙されてるし
確かに元警官だったからと言っても
誰にも気づかれずに警察署内のあんなことろに仕掛けられるのか?って
警察内に協力者がいたならまだしもって納得いかないことも多かった
(警察やFBIがあまりにマヌケに見えてイライラ)

FBIまで介入してるんだから
ベケットが収監されてる時の通話記録とか何故もっと早く気づかない?とか突っ込みどころ満載で
現実にこんなことしでかす奴がいるとしても、そこはフィクションの世界(もうちょっとスカッとしたい)
とにかくやられっぱなしなのが読んでて辛くなってくるし
それに輪をかけて、テスの生い立ちも悲惨だけど、J・Tも、彼の妹でFBI捜査官のマリオンも
衝撃の過去を持っていて、辛い辛いのオンパレード
唯一スッキリしたのが
ジム・ベケットに協力していた囚人グルーピーのシェリーがジム本人に殺されたこと
彼女に関してはもっと残虐な殺され方でも良かったのにと思いつつ、溜飲が下がる展開だった

苦手の一番はテスのキャラクターに共感できなかったこと
J・Tも父親大嫌いと言うなら恩恵に与ってること(大きなお屋敷で召使い付き)自体男らしくないし
(傭兵として稼いだお金で建てたんなら納得なんだけど)
ぐうたらしていることが父親への嫌がらせという意味ならそうなのか、でも納得できなかった
マリオンの顛末も絶対納得いかない
あそこまで悲惨なんだから最後くらいは・・・という慈悲はガードナーさんにはないの?
ってか、性的虐待を受けたことを認めたから自殺願望でああいう展開になったのか
それにしてもマリオンさん、強靭な精神をお持ちのはずなのに・・・・と残念だった
最強の元海兵隊員がそれほどでもなかったのもなんだかなぁ
警察官ごときに負けるんかい!?ってね
(もうちょっとジムをやっつけて欲しかった、TV版なんかジムがターミネーターみたいで笑っちゃったくらい)
と、こんなに文句を言うつもりじゃなかったけど、「いまは誰も愛せない」と「あなただけに真実を」を
気に入っただけに、期待を裏切られたと感じてしまったのかな

確かにその2作はロマンス度低めで、あってもほんわか程度だったけど
それはそれでバランスが取れてたから、本書の過剰なホットシーンにはドキドキするどころか
そこで?そんな時に?と文句言いっぱなしだった

そもそもリサ・ガードナー作品を読むきっかけが不純だったからかと思い当たるところもあるのです
暮れからお正月にかけて、どうにもロマンス本に乗れなくなってしまって
何を読んでもいまいち浸れず、そんな時には米アマゾンレヴューを片っ端から読むことにしていて
たまたまカレン・ローズ作品のネガティヴレビュー読んでたら
こんなのよりもリサ・ガードナーの The Perfect Husband のほうがずっとマシという厳しいお言葉を見つけ
そう言えば自分もカレン・ローズ女史のデビュー作は苦手だったなぁと
それならずっとマシだという意見もあるリサ・ガードナー作品を読んでみようじゃぁあ~りませんかと
アプローチが歪んでいたせいかも
まあ、第1作目は残念ながら苦手系でしたが、シリーズもの以外の2作品は気に入ったわけで
あと図書館にもない「あどけない殺人」を入手できたら、続けてクインシー シリーズも読めるかと





気になった疑問
フレディはどこに行った?
テスがJ・Tを雇うために提示した10万ドルはどこから?
J・Tが助けたグアテマラの孤児のエピはあったのか?
怪物ジム・ベケットを作り上げたものはなんだったのか?(単に悪い種子?)
アリソン・デュボア的存在のイーディスは今後も出てくるのか?




幸い(?)ロマンス本倦怠期は、久々に未入手のままだったサンドラ・ブラウンの初期作品を購入したことで
今のところ3冊とも、ヒーローが200パーセントメロメロ度全開っぽく、なんとか乗り越えた状況で
(1冊なんか読んでる間、赤面するほどメロメロだった、ホットシーンじゃなくて言葉が熱い!)
リサ・ガードナーのヘビーなお話の後はアン・グレイシーの新作原書でほのぼのしたいと思っているところ

ただ少し前にBSプレミアムで録画したままの「赤毛のアン」シリーズのTV版も観たい観たいと思いつつ
そのまま放置、たまたまLaLaTvでやってたのを観ると、これがはまるのですわ~
(基本「赤毛のアン」のキャストはギルバートにもう少し背が欲しかったと思ったものの良しとしましょう
 ですが青春篇とか結婚篇とかは、ギルバートのライバルにやや不満が
 それでも小さなエピソードの数々が好きだから観始めるとはまってしまうのです)
ロマンス本歴より長い海外ドラマ歴で、念願かなって「ロウ&オーダー」を観ることができて嬉しいのですが
毎日毎日観た後不快感が残るのもちょっとしんどいと思い始めたところで(何故か検察を応援できない)
気がつけばTV画面に文句言ってる自分が怖い
(CSIは機能しないのか!?
 そんな推測で簡単に逮捕かい!?
 誤認逮捕でも謝らんのかい!?ってね
 やっぱ「クローザー」のブレンダはできる女だったのねと思いつつ
 遡って初期のシーズン1~を観るまで希望は捨てられませんが
 ライナス・ローチもジェレミー・シストも好きなんだけどね)

それで気づいたのは、商業主義だと半分は馬鹿にしていたエンターテイメント系の犯罪ドラマのほうが
ストレスが無くていいということ
(シリアス系なら裁判シーンは「グッド・ワイフ」が今のところダントツで面白い)
これがロマ本にも当てはまるようで(今は特に)影響しているのかと


もうひとつ最近のお気に入り番組は 「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」
BSの無料放送でアメリカ版Xファクターも観たけど、もう歌はいいかなってね(番組自体うさんくさい)
その点ダンスは「アメリカン・ダンス・アイドル」も毎回飽きなかったし
今回ニュース番組でも話題になっていたシーズン13の挑戦者の一人がやけどを負ったイラク帰還兵とか
(彼は俳優で人気が出て、この挑戦となったようですが、まだ若いし体力はあるし元々リズム感も良さそうだし
 ニュース番組で観た時は同情からかともひねくれた観方をしてしまったけど、あれは実力ですね)
「クイア・アイ」のファブ5でお馴染のカーソンなんか毎回笑わせてくれるし(泣ける時もある)
おしどり夫婦だと思っていたデヴィッド・アークエットは、アル中とか荒れてるとか噂を聞いてたら結構まともで
応援席に元(まだ)妻コートニー・コックスがいたり(娘だけに愛を強調しているのが、今の夫婦事情か?)
ロザンナやパトリシア(アリソンさんちょっと痩せたみたい?)のアークエット家一丸となって
応援していたりするのを見つけるのも楽しみ

元検事でよくラリー・キングライブなどでも舌鋒鋭いディベートを展開していたナンシーさんを見ると
こちらで毒舌キャラで売ってる西川先生を思い出してしまうのですが(毒舌キャラは結構好きです)
以前はスリムだったのに出産したせいか、はじめは見覚えがあるけどまさか・・?って感じで変化に驚いた
チャイナ・フィリップスさんはウィリアム・ボールドウィンの奥様だったのねと
客席でボールドウィン家特有のお顔を見つけて知りました
そしてソニー&シェールの娘(もとい息子)チャズ・ボノさん、観るたびに体型が変化しているのには驚いたけど
あの体型でダンスができるのはある意味すごい
今回初めて観ることができて、審査員もダンス系のほうが断然面白すぎると知りました



今は無性に英国ドラマが観たくて、来月のポワロと3月のミス・マープルがひたすら待ち遠しい
ってここで期待すると、またまた文句タラタラの感想となりそうですが
いま求めるのはそっち系かな~と思う今日この頃









 第3話 1844年 11月

ウィリアムはブラウン大尉の下で測量の仕事をして自立を目指し
愛するペギーとは、秘密の手紙のやり取りで気持ちを確かめあう日々を送る

なんと、グレンマイア卿夫人がブラウン大尉と極秘結婚したことを知ったご婦人たち
義理の妹にあたるジェイミソン夫人の裏切られた感は半端ではなく
2人の結婚など認めない、2人を許す人とは絶交よ!って腹立ちは収まらない
ミス・マティ、ミス・トムキンソン、ミセス・フォレスターは2人の結婚に好意的だが
情報通のミス・ポールだけは結婚を秘密にしていたことが許せないという理由から
独自の思考で2人の結婚を受け入れるわけにはいかない


*原作ではグレンマイア卿夫人のお相手はホギンズ医師で
 やはりジェイミソン夫人を怒らせたため

 しばらく当人たちの間で冷戦状態が続くってことになってました*

ミス・ガリンドーは、ハットン牧師からハリー少年が学校から脱走したことを知らされる

ブラウン大尉夫妻から結婚のお披露目も兼ねて招待されたミス・マティたち
もちろんジェイミソン夫人とミス・ポールは招待を拒否
出かけようとしたミス・マティたちはパブで騒ぐ作業員たちの存在におびえるが
ウィリアムがブラウン大尉に頼まれたと、ご婦人たちをエスコート
そこへミス・ペギーも密かにやってきて、若いカップルは公の場ながら2人だけの時を楽しむ
ミセス・フォレスターがこの場面で歌を披露したけど、{一人ぼっちは寂しい~}云々な内容で
自分たちが拒否したとはいえ、それぞれの自宅で孤独をかみしめる
ジェイミソン夫人とミス・ポールの姿が哀しや


*ブラウン大尉の家で歌を披露したミセス・フォレスター役のジュリア・マッケンジーさん
 さすがローレンス・オリヴィエ賞をとっているだけあって、改めて見直して感心した
 お歳を召しているとはいえ
、ミュージカルのように朗々と歌い上げるのではないさりげない歌声でも
 しっかり聴かせてくれるものでさすがでした*

鉄道建設事務所では、エドワード・ベルの横領が明らかになるが
ブラウン大尉とウィリアムから事情を聞かれたバクストン氏は
自分の代理を任せたエドワードのごまかしが公になると将来のある若者を潰すことになると
密かに解決しようとする(この時すでに、策略が思い浮かんでいたのかしら?)

学校から逃げてきたハリー少年は、母親の元に戻ってくるがすでに一家は町を出ていて
帰る場所もないことを知り、ミス・ガリンドーのところへ
ハットン牧師とミス・ガリンドーからも、期待を裏切ったと責められるハリー君は
ミスター・カーターの遺言を恨むと反発、ハリー君の態度を不審に思ったミス・ガリンドーは
学校でいじめを受けていたことをその時初めて知ることに

自分の不正が発覚して追い詰めらたエドワードはいつもは馬鹿にしている妹ペギーに泣きつく
悪いことをしても息子かわいやの母は、どんな事態か追及しようとするペギーに怒り
この期に及んでも息子は悪くないと庇う
ベル家にやってきたバクストン氏とブラウン大尉、エドワードを隠して事情を聞いた母親は
賭博に走ったエドワードは流刑もやむを得ないと教えられると、取り乱し自室に閉じこもってしまう
冷静なペギーが2人の話を聞くことになるが、バクストン氏はブラウン大尉抜きで話がしたいと
エドワードにチャンスを与える代わりに、息子ウィリアムと別れるよう取引を持ちかける

ウィリアムをとるか兄を救うか選択を迫られたペギー
もちろん自分のことしか考えないひきょう者で小心者のエドワードは、妹を言いくるめようとする
愛するウィリアムをあきらめるつもりはないと一旦はバクストン氏に立ち向かったペギーだったが
エドワードの不正を見逃せない治安判事モルヴァー卿によって
すでにエドワードの逮捕状が出ていると知り

海外に逃げるしかないとバクストン氏に言われ、弱い兄には自分がついて行くしかないと
エドワードと一緒に国外に出ることに

*原作にはないエピだからしかたないんだろうけど(少なくとも「女だけの町」にはなかった)
 まあ家族の絆も強いあの時代だからと百歩譲っても
 ペギーさんの行動は立ち向かえないDV被害者そのもので、ちょっと引く自分は冷酷なのか*

ハリー君がいじめを受けていたことを知ったミス・ガリンドー、同情するかと思いきや
学校長に率直に苦情を伝えたから、学校へ戻ることは当然と
(ミスター・カーターの遺志は守らねばと)

不満を隠して同意するかに思えたハリー君、どうすべきかこの時すでに心は決まっていて
ミス・ガリンドーのいないすきに逃げ出す

一方ペギーからウィリアム宛の手紙を預かったミス・マティ
若いカップルに責任を感じる彼女は、自ら鉄道建設現場に出向き、ウィリアムに手紙を渡す

汽車に乗り込むペギーとエドワード、バクストン氏はペギーの潔い行動に彼女を誤解していたと謝る
汽車が発車し、母親の元(多分)へ行こうとするハリー君も汽車に飛び乗る

クランフォードのご婦人たちを二分させていた冷戦状態は
ミセス・フォレスターの牛ベッシーちゃん行方不明事件がきっかけで、再び団結することになる

そしてベッシーちゃんが線路上に迷い込んでしまったために、なんとまあ大惨事に

ミス・マティの機転ですぐに汽車を追いかけてきたウィリアムは、事故で脱線した汽車を目撃することに
ひっくり返った車両の中からペギーを無事救出したあと、他の乗客を助けようとして・・・
そんな中でも往生際の悪いエドワードは逃げ出そうとして爆発に巻き込まれる(神はいたのですね)

列車事故を知ったクランフォードの住民は一丸となり
町の納屋に運び込まれた負傷者の看病に当たるが

ウィリアムは負傷し意識不明のまま、ペギーも手に負傷
そのペギーが包帯代わりに巻いていたシャツがハリー君のものだと知ったミス・ガリンドーは
事故現場にハットン牧師と一緒にハリー君を探しに行くが、倒れているハリー君を発見
こんな悲劇があっていいのかと嘆くしかない2人・・・
バクストン氏はマティに自分の行動を悔やんでいると打ち明ける

ミス・マティは自分が導いてしまった鉄道が引き起こした事故に責任を感じ
パンドラの箱のお話を引き合いに出しピーターに自分の苦しい胸の内を打ち明けるが
翌朝、お話の結末を思い出し希望を見つけたと、悲劇が襲ったクランフォードのために
お茶のお店で儲けたお金を役立てたいと考えていることを告げる

自宅で療養中のウィリアムにハリエニシダの一枝を届けるミス・ペギー
(花言葉は変わらぬ愛情だから、手紙よりも雄弁ってことね)

ハリー君は列車事故から生還(良かった良かった)

ミス・マティのクランフォードへの恩返し作戦は、アセンブリー・ルームズの復活
ジェイミソン未亡人の代わりに(まだ怒ってるため)ブラウン大尉夫人となったグレンマイア卿夫人と
いつものメンバー、ピーターも加わり早速壁を塗り直したり、修理をしたりと忙しい中
ピーターはブラウン大尉と義姉の結婚を許せないジェイミソン夫人を説得しようと試すも
まだグレンマイア卿夫人の仕打ちを許せないジェイミソン夫人は

気になることは認めても自分からは出向くまいと

ハリエニシダの枝を届け続けたミス・ペギー
ある日応対に出たバクストン氏は、ペギーに謝罪し、もうウィリアムとの仲を邪魔しないと伝える
ペギーが届けたハリエニシダはまだ花が咲くには早い時期なのに、部屋の暖かさでつぼみが一つ
ペギーはハリエニシダの花が咲けば口づけの季節だとミス・マティに聞いたと教え
若いカップルは晴れて・・・となるわけです

改修が終わったアセンブリー・ルームズでは、奇術師ブルノーニの魔術グッズに興味津々のミス・ポール
彼女は魔術には懐疑的だったのに、すっかりブルノーニ氏に魅せられたよう

ミス・マティのもとには、ロンドンのメアリーからクリスマスの贈り物が届き
ミス・マティが欲しがっていた青いターバン(原作では、メアリーはふさわしくないと反対し送ってない)
そしてメアリーの書いた文章が世に出たと知る(今で言うと新聞より雑誌みたいなものかしら)
窓の外を見ながら、ジェムとティリーは今頃どうしているかと恋しがるミス・マティ

ミス・ガリンドーの家では
ハットン牧師とミス・ガリンドーからクリスマスプレゼントがあると告げられるハリー君

いじめを受けていた学校には戻らずに、マンチェスターの学校に自宅から通えばいいと言われ
もう家はないと言うハリー君は、レディ・ラドロウから遺産を受け取ったミス・ガリンドーが
彼の保護者になると教えられ

それならミスター・カーターの遺志も守られると、満面の笑みを浮かべる

アセンブリー・ルームズで、いよいよ披露目兼、奇術師ブルノーニの魔術ショウが開かれる当日
集会所へ向かうお馴染のメンバー
(雪がしんしんと降りしきる町の通りを4人が近づいてくるシーンが素敵)

ミス・マティ、ミス・ポール、ミセス・フォレスター、ミス・トムキンソン
(まだ怒ってるジェイミソン夫人はいない)

の前に、またまた牛のベッシーちゃんで迷惑をかけてしまったハリー君が新しい子牛をプレゼント

アセンブリー・ルームズでクランフォードの住人がほぼ集まっているところへ
ピーターにエスコートされたミセス・ジェイミソンがやってきて
驚く皆の前で、ブラウン大尉夫人となった義姉と仲直り
お馴染のメンバーが揃ったところでブルノーニ氏の魔術ショウがはじまり
お手伝いに指名されたのは、ミス・ポール
そしてクライマックスの見せ場では
舞台に引っ張り出されたミス・マティにサプライズが用意されていて

ブルノーニ氏に渡されたキーで{宇宙への箱}のドアを開けてみると
そこには子供が大好きなミス・マティの希望である、かわいいかわいいティリーちゃんが
驚くミス・マティに客席からジェムが姿を見せて、戻ってきましたと嬉しい報告
最後は{宇宙への箱}の中に消えていたミス・ポールが再び姿を現し
ブルノーニ氏とともに客席に向かってお辞儀、客席から拍手喝采を受ける
(もうね、ミス・ポールのお辞儀が可愛らしいったらありゃしない、これでミス・ポールの大ファンに)

魔術ショウから一転、ホールはダンス会場にかわり、恋人や夫婦のカップルに混じって
ミス・マティはバクストン氏と、ジェイミソン夫人はピーターと、ミセス・フォレスターはジェムと
ミス・ポールはブルノーニ氏とダンス
(男性の片方の肩に女性が両手を置いて踊るダンスは初めて観た)

最後は大きな輪になって、登場人物勢ぞろいでのダンス
ダンスが終わると、ついに自分もワルツを踊ったと誇らしげなミス・マティ
(リージェンシーものでよく出てくる、ワルツははしたないと思われていたとか
 オールマックスでの許しが無いと踊ることができないとかありましたが
 2,30年経ったこの時代になっても田舎ということもあるのか
 まだ進歩的なダンスだったということか)

最後の最後はミス・マティの嬉しそうなお顔を見れたのでハッピーエンドってことで納得

*原作のラストも、グレンマイア卿夫人の電撃結婚で、孤立することになったミセス・ジェイミソンが
 ピーターの奔走で仲直りして、もとの平和なクランフォードに戻るというものでした
 そこには夫ゴードン少佐についてインドに行っていたブラウン大尉の娘ジェッシーも
 夫と大きくなった子供たちを連れて
一家で戻ってきたとあり
 (ドラマでは数年間のことですが、原作ではもっと長い期間の回想録)

 いろいろあったクランフォードの社交界に
 しばらく平和が続きそうという終わりかたで、ほのぼのした気分に浸れました*




 第2話 1844年 10月

マーサを失って茫然自失のジェム、訪ねてきたブラウン大尉から慰めの言葉をかけられるが
娘が結婚してインドに行ってしまった大尉も一人身で、そんな大尉はディケンズがあるから寂しくないと言う
大尉がジェムに頼んだのは、鉄道建設の行き詰まりを打破するための
町の人々への説明会を開く際、予想完成模型を作って欲しいというもの

説明会が開かれるジョンソン商店の不穏な動きを察知したミス・ポール
なにも情報は聞き出せなかったが、注文していた鳥籠がパリから届いたと渡され早速家に戻って組み立てる
(ミス・エルミニアの勧めに従ってcageをパリから取り寄せたけど、意味が違っていることに気づかず
 メイドに間違いを指摘されても聞く耳もたずで・・・・)

ブラウン大尉によるクランフォードの住人への説明会にお馴染の顔触れが集まる中
その場にいたハリー君は、新しいラドロウ卿が鉄道会社にハンブリーの土地建物を売却したことを知る
町に鉄道が通ることを誇らしげに語るブラウン大尉に対して、動揺を隠せないお馴染のメンバーたち
保守的なバクストン氏は線路予定地に自分の所有地が含まれていると、建設反対の立場を明らかにして
ブラウン大尉に協力したジェムに裏切られた思いのミス・マティも、当惑顔
バクストン氏に賛同する住人も多く、再びブラウン大尉の計画はとん挫することに

セプティマスが自分との約束を破ったことを知ったハリー君

ミス・ガリンドーは事情を聴き出し騙されたと知る
すぐに抗議に行ったミス・ガリンドーのセプティマスに対する態度は男前過ぎ!
(彼女の怒りは、セプティマスが母親を顧みなかったことも含まれていたせいなのでしょうが
 幼馴染ということもあってか、断固とした頼もしさにスッキリした)

ハリー君を学校に送り返すつもりのミス・ガリンドー
(ハリー君が戻りたがらないのは何故?・・とここではまだ分からず)

深刻な顔でミス・マティにお話があるというジェム、鉄道建設がとん挫したことでここにいても希望はないと
ティリーを連れて出ていくと言われたミス・マティには青天の霹靂?
(でもそれを止めることなどできないわな~)


生きがいを失ったミス・マティ、彼女を慰めるメアリーにそれでも進歩には反対と言いきるが
亡くなったミス・デボラを引き合いに出してそれとなく町には進歩も必要とほのめかすメアリー
素直なミス・マティはすぐに方向転換、皆の協力を得るため一人一人に手紙で想いを伝える
手紙に添えられた招待状は、鉄道というものを実際体験してみましょうというもので
予定日当日誰が来るかわからないまま停車場で待っていると、手紙を受け取った相手が次々やってきて
ミス・マティの考えに賛同を示し、各自一言あるいつものメンバーがおそるおそる汽車に乗りこみ始めると
最後にミス・マティの気持ちに動かされた反対派のバクストン氏も姿を現し一緒に体験することに
(バクストン氏を落とせたなら、クランフォードに鉄道が通るのは確実
 ご婦人達の一言コメントもおかしいけど、初乗車体験中の表情も笑える~
 まあなんでも初めてのものはこんな感じかと)
ウィリアムとペギーの若いカップルは2人だけの個室でいい感じか?(ここでウィリアムから愛の告白)

マティの勇気を称えて土地を売ることに同意したバクストン氏は
ブラウン大尉に紹介されたモルヴァー卿が元国会議員だったと知り
息子ウィリアムの政界進出の足掛かりになるかと期待大
ところがペギーに結婚を申し込んだウィリアムの思惑は、政界とは遠いものであくまで一技師になりたいと
父親に訴えているところに、ペギーの婚約を玉の輿と考えるエドワードと母親が乗りこんでくる
まだウィリアムの口からさえ聞かされていなかったバクストン氏は息子に対して
貧しい家の洗練されてもいないペギーとの結婚など大反対の立場で、エルミニアとの結婚まで勧める
エルミニアは従兄との結婚などもちろん拒む

ミス・ポールとミセス・フォレスターが帽子を品定めするミス・ガリンドーの家では
あわただしく入ってきたミセス・ジェイミソンが
義理の妹でスコットランドのグレンマイア卿夫人が自分の家にやってくると誇らしげに伝える

メアリーは自分が間違っていたと思ったら直ちに修正する潔いマティの勇気に触発されて
自分が書きためておいた文章を出版社に送ることに


鉄道の一件が解決した今ご婦人達の一番の関心は、ミセス・ジェイミソンのところへ来られる高貴なレディに

父親に好きな相手との結婚を反対されたウィリアムに、エルミニアは自立しなさいと的確なアドバイス
(楽ばかりしていると傲慢になるって言葉もなるほどね)

ペギーとウィリアムの結婚の約束に怒り心頭のバクストン氏は、ミス・マティの仲介のせいと非難
若い2人のために愛があればと弁護するが、バクストン氏は結婚してないマティに何がわかるときつい一言

従妹のアドバイスを聞いて、ブラウン大尉の下で働くことにしたウィリアム
そのため若いカップルは会う時間もままならず、秘密の連絡方法でお互いの気持ちを確かめあうことに

ミセス・ジェイミソンの高貴な客人グレンマイア卿未亡人のもてなしについて話し合ういつものメンバー
そこへミセス・ジェイミソンがやってきて、みんなと会わせるつもりはないと言われ一同茫然
高貴な者は高貴な者同士と言わんばかりのお高くとまったミセス・ジェイミソンに言葉もない
ミセス・ジェイミソンが去った後不満が爆発、傷ついたメンバーはグランマイア卿夫人を皆で無視する作戦に
教会では姿も見ないとか、帰るときには目も合わせないとか子供みたいなことしてますがこれが可愛らしい

*グレンマイア卿未亡人のエピは原作と同じ*

密かに婚約を破棄していたメアリーを説得にやってきた義母は、継子に非難ごうごう
結婚より書く情熱を選び自立の道を進むことにしたメアリーは
婚約破棄など寝耳に水で驚くミス・マティには、あなたに刺激されたからと説明する

鉄道建設のための立ち退きの件でバクストン氏の代理人となったエドワード・ベル
そのせいで、ハリー君の一家やバクストン氏の借家の住人達は追い出されることに

自分の進む道が決まって晴れ晴れとしたメアリーは、ミス・マティに別れを告げてロンドンへ旅立っていく

ミセス・ジェイミソンの愛犬ジュゼッピを散歩させるグランマイア卿夫人を偶然助けたブラウン大尉
義妹の家に遊びに来たのに誰からも招待されず訪問もなく退屈していると聞き

クランフォードの女性達らしくないと教え、夫人は自分からハローウィンの食事会に招待することに

招待状を受けとったミス・マティは2週間たっても傷ついた心は直ってないと、断るつもりだったが
もう2週間も経ったのだから怒り続ける必要はないというミス・ポール(意外と寛大なのね)に押し切られ
食事会はぎこちない雰囲気になるかと思いきや、実際グランマイア卿夫人と話してみると
ミセス・ジェイミソンより気さくとわかり
、すぐに打ち解けたメンバーはそれぞれの恐怖話で盛り上がることに

借家から追いだされたハリー君の母親は夫のいる別の町に行くしかないと
ハリー君とせめて連絡がとれるまで待ってと引き止めるミス・ガリンドーに別れを告げて去っていく

いつものメンバーにピーターも加わり、グランマイア卿夫人とカードゲームを楽しむ中
グランマイア卿夫人の、この町に娯楽施設はあるのかという質問に、ミス・ポールが答えて
閉鎖されていたアセンブリー・ルームズ(集会室、今の公民館のようなものか?)へ

皆で行ってみることになり

ミス・マティは若い頃ダンスや若い殿方との出会いなど楽しんだ記憶を思い出すことに・・・









*クランフォードでは、衣装にお金をかけるというのは特に一つの装身具をさすもので
 帽子さえ新調すれば、他のドレスなどに関しては古いものでもいいという考え
 ブローチをいくつもすることで着飾っているとされ、常につつしみぶかく上品な身なりを心がけている*

*オンブル/カドリール  大陸から渡ってきたゲーム*


第一話 1844年 8月

オープニングは、マーサとジェムの娘ティリーのお守をするミス・マティ
(ベッドの下にマリを転がすシーンは、原作にあるマティさんの怖いと思うことと絡めているのかな)
町を去るモーガン医師夫妻に挨拶するため、ティリーちゃんをベビーカーに乗せて外に出ると
ベッシーを連れてお散歩中のミセス・フォレスターや、馬車で通りがかったハットン牧師に出会い
お馴染のセダン(一人乗りかご)に乗ったジェイミソン夫人からは、一言二言不満をぶつけられ
お茶の葉の値段が高くなったというジェイミソン夫人の不満を裏付けるように
ジョンソン商店の前を通るとショウウィンドウにはお茶のディスプレイが
(お茶の店をやめたマティさんに代わって、ジョンソン商店がお茶の独占販売か)
そんなミス・マティを、おしゃべり雀のミス・ポールが血相を変えて呼び止め
鉄道作業員たちが町のパブに来てひと悶着あったと、さも一大事のように御注進
それを真剣な表情で受け止めるミス・マティも、不安顔
そこへ妹の継子(双子)を連れて散歩をしていたミス・トムキンソンが加わり
妊娠中の妹キャロラインのお腹が急激に大きくなっていることについて教え
ハリソン医師に手紙で尋ねたら、休ませて包帯で巻くよう言われたと声をひそめて伝える
(そういう話をすること自体お下品なのか?それとも下腹部という言葉がNGワードなのか?)


 

ブラウン大尉が指揮を執る鉄道建設事務所では、仕事をもらうジェムが不安になる情報を聞く
ラドロウ卿夫人の土地が買収できないため、線路がクランフォードの手前で止まっていること
迂回する案についても、沼地に線路を通すことは不可能と、まさに行き詰まり状態に

ジェンキンズ家では、インドから届いた荷物をリバプールまで取りに出かけるピーターに
リバプールがさも恐ろしいところのように心配するミス・マティ
(ピーターが戻ってきたから、お茶のお店をやめたマティさんはしっかり収益も上げたようで
 全部貯金したなんてさすがロウソクの節約がモットーのマティさんらしい)

日曜日の教会、亡くなった主の墓を取り囲むベル一家
生垣の向こうから飛び出てる4つの頭(ジェイミソンの奥様を除くいつものメンバーです)は
14ヶ月前に亡くなった夫のために何故まだ喪服を着ているのかと不思議そうなミス・ポール
(騙されやすい女は皆結婚する、だから自分のような独身の女は絶対に騙されないという持論)
ミス・トムキンソンと、自分も未亡人で心優しいミセス・フォレスターは同情的
ミス・マティだけは、一家の主の死後世間から孤立しているベル家の、特に年頃のペギーを心配する
礼拝の最中教会に入りこんでそそうをした犬に、それぞれの性格を表す反応を見せるご婦人達
犬の飼い主はウィリアム・バクストンで、追いかけてきた彼がご婦人たちに挨拶すると
久々の再会となるのかミス・マティは戻ってきて嬉しいと素直に喜びを示す
教会の敷地を駆け回るウィリアムの犬がベル家の墓に添えられた花の花瓶を倒したことで
若いカップル、ウィリアムとペギーが言葉を交わし、2人の初めての出会いとなった場面

妻を亡くして海辺の療養先からクランフォードに戻ってきたバクストン氏を訪問したミス・マティ
何故もっと早く会いに来てくれなかったのか?と聞かれ、クランフォードルールを思い出させる
旅を終えた相手(たとえ馬車で15マイルくらいの距離でも)への訪問は3日経ってからというもの
息子のウィリアムや後見人をしている姪のエルミニアに厳しい態度を見せるバクストン氏から
妻を亡くしてこの先息子も姪も自立していったら寂しくなるという話を聞いたマティさん
すぐに解決法としてベル一家と引きあわせることを思いつく

早速ミス・ポールと共にベル家を訪問したミス・マティがバクストン家について説明すると
バクストン氏が岩塩で若くして財をなしたと聞いたエドワードは午餐会の招待を受け
そんなエドワードの反応にやや不安顔のミス・マティ

モルヴァー卿のエスコートで果樹園の収穫の視察をするラドロウ卿夫人
(あの凛としたラドロウ卿夫人が骨の病気のせいかすっかりお歳を召したようで痛々しい)
帰る前には、貧窮院への寄付も忘れず、これぞ高貴なお方の使命ってところでしょうか

いつものメンバーが、ジョンソン商店のショウウィンドウに集まり見いっているのは
アラビアの偉大な奇術師ブルノーニの興業宣伝
ミス・マティはワクワクするわと期待大で、魔術や迷信に懐疑的なミス・ポールは否定的
ターバンに興味津々のミス・マティが自分たちも同じ格好をすべきでは?と問いかけると
仮装パーティでもあるまいしと切り捨てるミス・ポールに
服装は大切よと、ダライ・ラマの前で奇術を披露したブルノーニ氏に感心するミス・トムキンソン
それを聞いて、ダライ・ラマの前で?と同様に感心するミセス・フォレスターが
ダライ・ラマってどんな動物なのかしら?と真顔で聞く(誰も答えないってことは・・・)

ジョンソン商店の店内では、学校に行くための衣装を揃えるハリー少年
(ハリー君役の俳優さん、シリーズ1の時からすっかり成長しちゃって、この時期の変化は早いのね)
付き添う母親の無知をいいことに、不必要なものを売りつけようとするしたたかなジョンソン氏に
居合わせたミス・ガリンドーがすかさず割って入り、必要なものだけを揃えるよう言って解決
(大金を手にしたハリー君ですが、実感もないし使うことに罪悪感もありで気持ちは複雑か)

早速新調した服でラドロウ卿夫人にご挨拶に来たハリー君
学校へ行く前の準備として、牧師から習った古典の一節を披露して夫人を満足させるが
夫人の衰弱ぶりはハリー少年の目にも明らかで、ミス・ガリンドーと2人心配するが・・

結婚はできなかったけど、子供が大好きなミス・マティの生きがいはベイビー・ティリー
ジェンキンズ家に間借りするジェムは、内心男のプライドとしては自立したいが
仕事もなく家賃もまともに支払えない、そんな夫に楽観的なマーサ
ミス・マティも仕事がないのは町の衰退と心配するジェムの意見を真剣にとらず、これがのちに・・

いよいよハリー君の出発の日、駆け付けた母親は貧しいなりにお手製のペン拭きを渡し
ミス・ガリンドーと母親に別れを告げて旅立っていく

バクストン家の午餐会、食事中の会話では、父親の後を継いで牧師職につくのを嫌がり
金をもうける方がいいと言うベル家のエドワード
一方のウィリアムは金儲けより好きなことをしたいと言い、岩塩で利益を得る父親のバクストン氏も
自分がいくら儲けているかに関心はない様子で、すかさずバクストン氏に自分を売り込むエドワード
ミス・エルミニアに学歴を聞かれると母親はごまかすが、そういう場に慣れていないペギーは
話題を変えるために声をかけられた際、オレンジが好きと答えてしまいミス・マティを恐怖の底に
(ペギーがブドウに変えたのはマティさんへの気遣いか?その当時の食べ方に問題があるのか?)

ハンブリー・コートに吉報を運んできた、ミス・ガリンドー
ソファーに横たわり痛々しい姿だったラドロウ卿夫人は、セプティマスが戻ってくると聞き
嬉しい知らせに衰弱した身体を奮い立たせるが・・

再びバクストン家に戻って、年配の者は庭でお茶のテーブルを囲み
若い者たちはゲームに興じる中、エドワードがたかがゲームなのに意地を張ったため
ペギーが倒れてドレスが裂けてしまうと、ウィリアムは一番に駆け寄るが
すかさずミス・マティがケープで隠して、破れを繕うため自分の家に連れ帰ることに
(裂けたドレス姿を人目にさらすなど、常に上品を重んじるクランフォードでは一大事ってことか)

ハンブリー・コートでは、セプティマスの帰りを今か今かと待つラドロウ卿夫人
寒々とした巨大な玄関ホールの真ん中で一人立ち続ける夫人を気遣うミス・ガリンドーに
戻ってくるまでこのままでいると、気丈な言葉とは裏腹にいつ倒れてもおかしくないほどの衰弱ぶり

ジェンキンズ家ではペギーのドレスを繕うミス・マティのところへ、一大事の報告に来たミス・ポール
ラドロウ卿夫人がいよいよだと教え(すごい情報網)
夫人主催の魔術の会も中止になると深刻な表情で伝える
その時マーサが産気づき、2人目の子供を出産することになるが・・・
(ミス・ポールはゴシップ係だけでなく、結構仕切り屋なのねと感心したけど
 産気づいているマーサを顎で使うところはやはり彼女らしい?)

ハンブリー・コートでは、大きく身体を傾けたまま立ち続けていたラドロウ卿夫人が
そばに寄りそうミス・ガリンドーの手を借りた瞬間崩れ落ち、そのまま帰らぬ人に
ジェムが夫人のための柩をハンブリー・コートに届けている最中、マーサのお産は大変なことに
(しかし、あんな苦しい時にもミス・マティを気遣えるマーサってすごいわ)
医者を呼びに行った時にはすでに手遅れで母子ともに死んでしまう
戻ったジェムは、愛するマーサと2人目の子供両方を一度に失うことになる
(原作ではマーサもジェムもラストまで幸せそうなのに、お話の流れ的に仕方なかったのか)

まさかのマーサの死で呆然自失のミス・マティに、残されたティリーには普段通りの生活をと
励ますミス・トムキンソンの言葉を聞いて悲しむのはあとにしてやるべきことをする

ハンブリー・コートに帰って来たセプティマスは、柩の中の母親と対面することに
柩に寄りそう幼馴染のミス・ガリンドーと子供の頃を思い出し感傷に浸るが・・


クランフォードの各戸口には哀悼を示す黒いリボンが飾られ
ハンブリー・コートではラドロウ卿夫人の柩を乗せた馬車を見送るため
屋敷の前から続く道の両端には、ずらりと並ぶ使用人たち
(財政が苦しい時にも解雇しなかった使用人たちでしょうが、しっかし伯爵でこのレベルって・・
 公爵ならもっとすごいってことでしょうから、これからリージェンシーもの読む時も見方が変わってくるかな)

ベル家を訪れ、ペギーをお茶に誘いに来たウィリアム
ペギーのための馬も用意してきて、バクストン家に馬で向かう2人
(ベル家ではまたがって乗るのが普通だったようで、女性用の鞍を用意してきたと言われ一同ポカン
 サイドサドルは基本上流階級の乗り方なのか?大人しそうなペギーさんが意外と活発で驚いた)

ハンブリー・コートでは、遺産が予想していたのものと違うことを知ったセプティマス
(もともと彼の散財のせいで夫人はカーター氏の申し出を受けることになったのに
 馬鹿息子に関してはいつの世も同じなのね)

バクストン家でウィリアムやエルミニア、バクストン氏も一緒に楽しい時を過ごすペギー
(母親や兄がいない時のペギーのなんとノビノビしていることか)

リバプールから戻ったピーターは、異国情緒たっぷりのお土産でミス・マティを驚かせるが
さすがのマティさんも鳥の室内放し飼いは勘弁してと
ピーターはお土産(お荷物)をお世話になったご近所への贈りものとすることに
恩恵(被害)を被ったのは、オウム(かな?)を貰ったミス・ポールと
トラの頭つき敷き皮を貰ったミセス・フォレスター
(動物なら何でも好き?って、それって矛盾してないのミセス・フォレスター?)

エルミニアからカージュ(鳥籠)のことを聞いたミス・ポールは、早速パリからお取り寄せ
(会話がかみ合ってないことに気づかないまま、ミス・ポールはあとで赤っ恥をかくことに)
 このエピソードは「クランフォードのケイジ」という独立した短編がベースになっているのかな)

実家に帰っていたメアリーがマーサの訃報を聞いてミス・マティのもとに駆け付ける
石鹸工場を経営するターンブル氏と婚約したと報告し、マティさんを喜ばせるが・・

自分のドレスをほとんど持たないペギーは、メアリーのお下がりのドレス(十分最新のもの)を譲られ
ボンネットを譲るマティさんは、若かりし頃を思い出し
ミセス・フォレスターはキズイセンのような黄金色の髪をしていたとか
あのミス・ポールも、綺麗な体型だったと
自分のことを聞かれた時には、肌がきれいと言われたと(はにかむ笑みが可愛らしい)
額に入れたホルブルック氏の肖像画(厳密には何ていうんだろう?切り絵?)のことを聞かれて
アセンブリー・ルームズで初めて出会ったことを教える
{結婚を伴わない愛は神聖、死が訪れても愛に終わりがない}というマティさんの言葉には
ホルブルック氏への想いがこもっているのね

相続財産が思い通りでないことに腹を立てるセプティマスは、ハリー君を呼び出し
カーター氏の遺言でハリーに譲られ銀行に預けてある2万ポンドの代わりに
今5千ポンドの小切手を受け取るよう、この土地や使用人たちを守るためとかなんとか
上手く言いくるめられた純粋なハリー君は紳士同士の約束だと信じてしまう

そのハリー君、クランフォードに戻って来たのだからと家族のもとに戻ってみるが
母親は休暇でもないのに何故?と不審顔
ハリー君はしばらく学校へは戻らないと告げる・・・(どうしちゃったのハリー君?)









*「俗なこと」という言葉は、クランフォードでは恐るべき言葉とされていた

*つつましくすることはいつでも「上品」で、金を使うことは「俗で見栄っ張り」と言われる
シリーズ2となる Return to Cranford
原作を入手でき(図書館で「女だけの町」のみですが、それもなんと40年以上前のものらしい)
BBC One で放送されたのがクリスマス時期だったということを思い出し
原作と照らし合わせながら、久々に観直してみました
ドラマ作品からの紹介と一言感想に、原作と違う部分は*印で補足してみました

登場人物は、シリーズ1のお馴染のメンバーと、新顔の2家族 とゲスト

ミス・マティ・ジェンキンズ(原作でもジェンキンズでした)Miss Matty Jenkyns (Dame Judi Dench)

メアリー・スミス                       Mary Smith (Lisa Dillon)

マーサ(ジェンキンズ家のお手伝い)          Martha (Claudie Blakley)

マーサの夫ジェム(ジェンキンズ家に同居)      Jem Hearne (Andrew Buchan)

ミス・ポール(独身でお手伝いさんと住む)       Miss Pole (Imelda Staunton)

ミセス・フォレスター(軍人の未亡人)          Mrs. Forrester (Julia McKenzie)
 (やっと来年3月ミス・マープルの新シリーズが放映されるようで
 ミセス・フォレスターのキャラも良かったけど、また違うジュリアさんを見られるのが今から楽しみ)

ミセス・ジェイミソン(裕福な未亡人)           Mrs. Jamieson (Barbara Flynn)

ミス・トムキンソン(妹を嫁がせ一人住まい)      Miss Tomkinson (Deborah Findlay)

レディ・ラドロウ(伯爵未亡人)               Lady Ludlow (Francesca Annis)

チャールズ・モルヴァー卿(セプティマスの幼馴染)  Sir Charles Maulver (Greg Wise)

ハリー・グレッグソン(貧乏一家の長男)         Harry Gregson (Alex Etel)

ミス・ガリンドー(帽子職人、レディ・ラドロウの話し相手)Miss Galindo (Emma Fielding)

ハットン牧師                            Reverend Hutton (Alex Jennings)

ブラウン大尉(ジェンキンス家のお向かいさん)      Captain Brown (Jim Carter)

ミスター・ジョンソン(村のよろず屋主人)          Mr. Johnson (Adrian Scarborough)

ミセス・ジョンソン(  〃   夫人)              Mrs. Johnson (Debra Gillett)

ミスター・バクストン                        Mr. Buxton (Jonathan Pryce)
 妻の病気療養のため2年の不在を経て、やもめとなって息子ウィリアム、姪のエルミニアと共に
 クランフォードに戻ってきたバクストン氏は、短気で考えるより先に言葉や行動に出てしまうタイプでも
 基本は誠実で、気取りがなく寛大なところもあり、息子に対しては政治家になって欲しいと野心も持っている
 元々は農家で、岩塩で財を成すことになるが、そのまま継がせたい気持ちはなく息子には政界進出を望み
 現代的な技術革新に興味を持つ息子とは意見の対立中

 演じるジョナサンさんは、映画作品を多少観ていた記憶はあるのですが、TVドラマで観るのは初めてかも
 TV版ムーヴィーでシャーロック・ホームズをやっていらっしゃるようで、是非見てみたい気も
 こういうのを昔のNHKならやってくれたんじゃないかと今更ながら恨み節

ウィリアム・バクストン(バクストン氏の一人息子)          William Buxton (Tom Hiddleston)
 ケンブリッジで哲学を学んでいたが、母親の病状が悪化したことがきっかけで中退し
 母親の死後、鉄道関係の技師になりたいと父親と対立している

 演じるトムさん、登場した瞬間にどこかで観た覚えが・・と思ったのですが
 出演作を見てもどれも観てないものばかりで、なんだろこの思いこみは、それとも誰かに似ているのかしら

エルミニア(バクストン家の親戚) Erminia Whyte (Michelle Dockery)
 両親を亡くした後、母親の姉妹(どっちか?)だったバクストン夫人に引き取られ夫妻が後見人に
 ウィリアムは従兄にあたり、ブリュッセルの学校で教養を学んでいる最中

 演じるミシェルさんは、これより後に観た「ダウントン・アビー」にレギュラー出演されてるようで
 これからの俳優さんなのかな
 
ペギー・ベル                             Peggy Bell (Jodie Whittaker)
 息子第一の母親には無視され、兄エドワードからは日常的に苛められているベル家の長女
 登場した初めのうちは、無表情なせいかまさか彼女が恋愛エピの中心になるとは思わなかったけど
 表情が無かったのは、ベル家の中での彼女の悲惨な状況故だったのね
 
 2008年TVミニシリーズ版の「テス」にも出演されてるよう
 
ミセス・ベル(未亡人)                       Mrs. Bell (Lesley Sharp)
 14ヶ月前に亡くなった夫の死をいつまでも嘆き続けている妻で、息子のいいなりで娘は女中扱い
 
 演じるレズリーさんは、TV版「大いなる遺産」やポワロの未放映作品「複数の時計」映画「フル・モンティ」等

エドワード・ベル(ペギーの兄)                  Edward Bell (Matthew McNulty)
 副司祭だった父親の死後、母親や妹ペギーを支配し自分中心で、野心はあるが楽して儲けたいタイプ

 演じるマシューさんは
 おっと驚いた「ラークライズ」のローラの初恋相手の時計職人さんじゃありませんか!

 「ラークライズ」の時はもっと線が細い印象だったので、似てるとも思いつかなかったほど別人のよう

 *「女だけの町」の原作には、この2家族は登場せず、ドラマ用のキャラクターか?*

ミセス・ジェイミソンの義理の姉、グレンマイア男爵未亡人は Lady Glenmire  (Celia Imrie)
 原作では{奥方様ご光来}というエピソードがあるくらい、ご婦人達には一大事ということで
 上流の奥方様だからさぞ気取っているかと思いきや・・・田舎レディのジェイミソンの奥様のほうが
 よほど階級意識が強かったってエピでしたが

 *原作の中でクランフォードにやってきたスコットランドの男爵未亡人が速攻結婚するのはホギンズ医師
  ドラマでは生き残っているブラウン大尉と結婚でしたが、何にしろめでたしめでたしでした*

ゲストの出演者は
マティの弟 ピーター(シリーズ1とは別人)     Peter Jenkyns (Nicholas Le Prevost) 
 役者さんが変わったのは大人の事情でしょうか
 演じるニコラスさんはポワロの「満潮に乗って」くらいしか知りませんが、他にも出演作多々あり

クランフォードに興業に来た偉大な魔術師ブルノーニ役は 怪優 Tim Curry
 演じるテイム・カリーさんのニッっと笑った笑顔がなんとも迫力あって魔術師にピッタリ

 *原作では、奇術師ブルノーニさんのエピソードは、もうちょっとあって意外な秘密も持っていたりと
   スペシャル版でなく、エピを増やしてやって欲しかったなぁと残念*

レディ・ラドロウの息子セプティマス  Lord Septimus (Rory Kinnear)
 あれだけラドロウ卿夫人を苦しめた一人息子セプティマスは登場しないものと思っていたら
 なるほど親が死んだらちゃっかり戻ってくるって、いつの世の中でもありがちな設定でしたね
 演じるロリーさんに恨みはありませんが、やはり誇り高いラドロウ卿夫人に同情してしまう自分としては
 登場しなければ良かったのにと思ったくらい、どうでもいい人物でした

 なんとなく見覚えがあったのは、「マンスフィールド・パーク」や「メサイア」
 「マーガレット・サッチャー~政界を夢見て~」等で観ていたからなのね

セプティマスが連れてきたジャコモ(お友達?それともそっち系?と疑問は残りますが)
 演じるのは Nicholas Bishop さん



 
シリーズ1,2を通しての感想としては
年代は違うけどラークライズも、クランフォードも、やっぱ英国の昔の風景は素敵です
オープニングのテーマソングも素敵な曲で
各シーンのバックに流れるテーマソングの変形版については、このどこかで聴いた感はなんだろ?って
思っていたらやっぱりTV版「高慢と偏見」と同じ作曲家 Carl Davis さんという方で、なるほどと納得
まっ、どちらも大好きだから文句ではないです
 
LaLatvの「クランフォード」の紹介では、「女だけの町」と
「ラドロウ卿の奥様」と「ハリソン氏の告白」という短編がベースになっているということで
今回は「女だけの町」しか入手できず、ラドロウ卿夫人のお話に関心があったので残念でしたが
メアリーの目を通して語られるクランフォードのご婦人たちの、笑えて泣けるエピソードは原作も同じでも
ドラマのメアリーより原作の語り口のほうがやや辛辣な感じですが、それはそれで楽しめました
そしてなによりこの作品を気にいったのは、ミス・デボラも好きだったけど
姉とはまた一味違うミス・マティの魅力で、ラストでメアリーがミス・マティについて述べているように
「みんなミス・マティが好きで、どういうわけかわからないけど彼女がそばにいるだけで
私たち一人残らずが感化されて、良い人間になったような気がするのです」という言葉そのものだと納得

今回スペシャル版を観直してみて、若い恋人たちのエピにはあまり心を動かされなかったけど
ミス・マティや、特にミス・ポールの滑稽なんだけど何故かチャーミングなキャラクターを見直した
狭い世界で情報も限られた時代での一生独身という女性も少なくなかったでしょうが
あんな仲間がいたら、下手に結婚なんかしなくても老後は平気かと
(それでもマティさんのように、若い頃に恋の一つは経験して欲しいかな)

老後、お金があればあったで殺されるか詐欺に引っかかる人も多いし
持ってなければみじめな老後となるとか夢も希望もあ~りませんな今のご時世
それに比べれば、現代から見るとこの時代のへんてこなご婦人達の団結力と
お馴染のメンバーに関しては基本みんな善人で誠実なキャラクターばかりで、ニンマリさせられて
さすがBBCと、今回は大満足!



「夕暮れに抱擁を」2005年 Sunset Embrace 1985

リディア       20歳

ロス・コールマン  32歳

1871年(かな)
*わけあって荒野を逃げている最中、産み落とした子供と共に死に瀕していたリディア
 このまま死んでもいいと思っていた彼女を救ったのは、近くを通りがかった幌馬車隊の
 ラングストン一家で、子だくさんの一家の母親で世話焼きのマーは
 死んだ子供を埋葬して、リディアを自分たちの幌馬車で看病し、保護下に置く
 ちょうど同じ頃、幌馬車隊に加わっていたロス・コールマンの妻が出産時に死亡して
 生まれたばかりの息子が生きるか死ぬかの危機に迫られていることを知ったマーは
 子供は死んでも、母乳は作られるため乳房が張って苦しむリディアを
 ロスの息子リーにあてがい、両者の窮地を救うことになるが
 たとえ望んでいた子供ではなくても失って茫然としていたリディアはリーにすぐに母性を感じても
 ラングストン一家に救われた時身なりも乱れていたリディアを、はじめから蔑み嫌うロスは
 息子のためと我慢はしても決して好意的にはならず
 何かというと淑女だった亡き妻とリディアを比べて、辛く当たることも度々あった

 リディアにはわからないことだったが、実はロスは愛する妻を亡くしたばかりなのに
 夫のない身で妊娠するなど身持ちの悪い売春婦に違いないと決めつけていたリディアに
 魅力を感じていて、そばにいればいるほど欲望を覚えてしまっていたためより辛く当たってしまい
 リディアの方もそんなロスに対して嫌われていると思いつつ不思議に惹かれるものを感じていた
 リーの世話をすることで役に立っていると感じるリディアは、ロスのことも気にかけるようになり
 リディアへの欲望を日々募らせていたロスの我慢も限界になった頃
 偶然誤解を呼ぶ状況を幌馬車隊でも一番のうるさ方に見られてしまい
 またしてもマーの勧めで2人は便宜結婚をすることになり幌馬車隊からの追放を免れるが
 名ばかりの夫婦になったことでロスの苦しみはさらに増し、いつ爆発してもおかしくない状況で
 そんな時、幌馬車隊の一員で、リディアに対してレディのように接する病弱なウィンストンが
 妻に優しくするのを見たロスは、嫉妬のあまり抑えていたものを爆発させてしまい
 すぐに自分の行為を後悔することになる

 それまで男女の交わりといえば忌まわしいものと思っていたリディアは、ロスとの間では
 全く違うものだとわかり、ロスに求められることを待ち望むようになるが
 彼が亡き妻を今も愛していることはわかっていたため、自分から気持ちを伝えることはなかった

 そんなある日、ラングストン家の息子の一人が殺されて発見される悲惨な事件が起き
 幌馬車隊が悲しみと不安に包まれる中、2人は本物の夫婦のような関係になっていたが
 リディアの前に悪夢の再来と思える人物が現れ、恐怖をふきこまれた彼女は
 その頃には愛するようになっていたロスを守るためには脅迫者に従うしかないと判断し
 自分だけの秘密にしたため、さらなる犠牲者が出てしまう
 ロスとの将来に明るい希望を持ち始めていたリディアは
 自分を犠牲にしてでも守りたいと思うロスにも不信の目を向けられることになり
 それまで我慢してきた不当な非難に対して初めて強く反発し、自分の過去を明かしたことで
 ロスからも彼が隠してきた別の人生について教えられ、2人の絆は深まり
 過去を忘れて明るい将来もあり得るかもしれないと希望を持ち始めるが・・*

初めて読んだのが原書だったので、時間がかかる分内容は結構しっかり覚えていましたが
ロスがこんなにもリディアに対してメロメロ心を堪えていたんだ~と、思い出させてもらえまして
リディアがロスの酷い扱いに毅然としているのも良かったし
リディアに酷い言葉を投げつけるロスの自業自得ぶりも、楽しませてもらえました
が、しかし、やっぱ★4つ止まりとなったのは、リディアの秘密主義
せめてお互いの過去を打ち明けた時にでも脅迫されてることを打ち明けてくれていたら・・
だってルークやウィンストンが死んでるのに、それじゃぁあまりにも自己中じゃありませんかってね
多分初読の時も、その点が引っかかってマイナス一★だったんだろうと

このスピンオフとなる Another Dawn も原書でしか読んでなくて
覚え書きはないけど★2つと、マイ評価が低かったから
訳本になった「喜びの涙をあなたと」はもういいかと思っていたのですが
主役があのロスとリディアの娘と、本書ではまだ少年だったあのバッバで
お話の流れは覚えているはずが、ロスの息子リーがどうなったかが全く思い出せず
引き続き読んでみようかという気になりました



「奇跡のキス」2009年 Hidden Fires 1982


ローレン・ホルブルック 20歳

ジャレド・ロケット     テキサスの牧場主ベンの息子

ベン・ロケット       テキサスの牧場主
オリヴィア・ロケット   ベンの妻で企業家
カーソン・ウェルズ   ロケット家の弁護士

1902年(だと思う)

*母親を幼い頃亡くし、牧師の父親も8年前に亡くなり天涯孤独となったローレンは
 父親の主教プレイサー牧師と彼の妻の被後見人となっていたが
 訪問者が絶えない牧師館にある日、プレイサー牧師と共に南北戦争を生き抜いた
 若かりし頃の友人で今はテキサスでも有力な牧場主となっているベン・ロケットが訪れ
 プレイサー夫妻に好意は持っていても時には退屈とも思える日々を過ごしていた彼女は
 堂々とした体躯に魅力的な青い瞳を持つ紳士のベンに興味をそそられ
 ローレンを気に入ったベンから、テキサスに来ないかと誘われることになる
 まだ見ぬ未知の世界への憧れはあったが、牧師夫妻への恩義も感じていたローレンは
 一旦は断るが、ベンがテキサスに去った後牧師館にいられなくなるような出来事が起き
 ベンの好意に甘えて、彼の妻オリヴィアの秘書をするつもりでテキサスへ向かう

 だが期待を胸にテキサスに到着したローレンには、予想外の出来事が待っていて
 ベンがその日の朝亡くなったことを知らされ、彼の妻オリヴィアには冷たい態度で迎えられ
 ベンの息子ジャレドには不当に蔑まれ酷い態度をとられることになり
 どうすべきか悩んでいた時、何より優先されるのが仕事というオリヴィアの野望のため
 ジャレドとの便宜結婚を勧められ、ローレンは帰る場所もないため引き受けざるを得なくなり
 ジャレドは父親の手つきだと思っている女を軽蔑しながらも、母に従い2人は夫婦となるが・・*



これも原書で読んだ時の記憶がまだまだ残っていて

読み始めるのに時間がかかってしまったけどいざ読みだしたら

またまたの一気読み(最近SB作品で2回も徹夜してしまってる)
ただし、やはりこれも初読の時の感想と同じで、なんつーヒーローだジャレド!って腹立ったし
なんつープライドのかけらもないヒロインだローレン!とイライラさせられた
(ジャレド以外の絡みでは、誰からも愛され、誰でも愛せる天使のようなヒロインではあったけど)

原書で読んだ時よりもジャレドの行動は納得できたけど(初読の時は、もっと腹が立った記憶が)
それでも踏みつけられても踏みつけられても、ジャレドが好きってローレンにはやはり引いたし
ジャレドもジャレドで、いくら父親が呼び寄せた花嫁候補に対する反発からって言いわけでも
ベンにはマリアという最愛の女性がいたはずなのに、何故単純に父親の愛人だと思い込むのか?
父親と愛人マリアの子供で義兄弟のルーディとあれほど仲が良いなら
ローレンを父親の愛人と思いこむことは、ルーディに対しても侮辱ではないのか?とか
ローレンと本物の夫婦になったあと、父親の愛人ではなかったとしっかりわかったのに
それでもまたまたわけのわからない行動とるし酷い言葉を投げつける
確かに母親の目をそらすためとはいえ、あの侮辱の仕方は目に余るし許せない!
これがエリザベス・ローウェルのヒロインなら
自分のような男には愛する資格がないからとヒロインにわざと冷たくするヒーロー→
やはり自分など愛されるわけないわと自ら身を引いて姿を消すヒロイン→
驚いたヒーローがそんなつもりじゃなかったとあわてて後を追う→
ヒロインを見つけて自分の言動は忘れて一応責めるけどそこには愛があるから→
涙、涙の再会シーンとなるわけで
と、ついローウェルの西部ものを思い出して、よけいに納得できなかった

 

やはり今回もジャレドの言動は許せないと思ったし、天使のようなローレンにもなんだかなぁと
(ラストのアクションシーンでのローレンの茫然ぶりは、宗教がらみの性格だからと理解はしても
 なにしとるんじゃ~!!とイライラさせられた)
お話の流れはオリヴィアの計画を阻止するくだりと
ジャレドの花嫁放置で何度も姿を消す展開にはいい加減にしろ!と思ったけど
脇キャラはそれぞれのエピが良かったし、一気に読める面白さだった
クレイジー何とかって人々から身を隠す人物も、西部ものには必ずそういうキャラがいるのねと
そしてベンの妻のオリヴィアと彼女を愛するカーソンの結末には溜飲が下がったので
おまけで、やはり☆☆ってところです。





前回のサンドラ・ブラウン作品に入れようと思ったけど

文字オーバーのため、新規でUPとなりました


今更ですが、念のため
最近の作品ですし、犯人もすぐわかるサスペンスものでも、未読の方はネタバレ知ると
ドキドキ感も半減すると思うので、ネタバレOKという方以外はスルーでお願いします


「殺意の試写状」 2010年 Smash Cut 2009

ジュリー・ラトレッジ  34歳 画廊オーナー 

デリク・ミッチェル     弁護士

ドッジ            デリクのために情報を収集する調査員(元警官)

ポール・ホイーラー  52歳 アトランタの名士で、会社社長

クライトン・ホイーラー 28歳 ポールの弟ダグとシャロン夫妻の一人息子

*白昼、ホテルのエレベーターで起きた武装強盗事件で愛する者を亡くしたジュリー
 殺された被害者で、アトランタでも名の知れた企業の社長であるポール・ホイーラーと
 2年程前から親密になり毎週そのホテルの一室で会うことを恒例にしていたジュリーは
 彼の愛人と噂されていて、その日も一緒だった2人はホテルから出ようとしていたところで事件に遭遇し
 目の前でポールを殺されたジュリーは、すぐにそれが単なる強盗殺人ではないと考え
 彼女なりのやりかたで警察や世間に訴えようと行動を開始することになる

 ジュリーが疑っていたのは、子供のいないポールの遺産を受け継ぐことになる甥のクライトンで
 裕福な家に生まれ甘やかされて育ったクライトンは、仕事を嫌い自由気ままな生活を送り
 以前からそんな甥にポールが仕事に精を出すよう厳しい言葉をかけていたことを知るジュリーは
 クライトンが彼にとっては目障りなポールを殺したのではないかと疑ってのことだったが
 警察の調査では犯人の手掛かりも見つからず、クライトンのアリバイも完璧だった

 一方家族の集まりでパリにいた弁護士のデリクは、アトランタに戻る便の中で謎の美女に誘われ
 至福のひと時を過ごすことになるが、最後には謎の言葉を残して去って行った女性のことで
 いつもの自分らしくない行動をとってしまったことに、悔しい思いをしていた
 だが留守の間に起きた事件で、ポールの弟ダグがホイーラー家の代理人を依頼してきて
 一旦は承諾したものの、事件の詳細を知り、謎の美女が事件とかかわりのあるジュリーだったと
 知ったデリクは、彼女の行動の目的を理解し、実質上クライトンの弁護人はできないと依頼を断る
 ジュリーはクライトンの父親ダグの動きを察知して優秀な弁護人をつけることを阻止したつもりが
 それを知ったクライトンから、ジュリーとデリクに対して執拗な嫌がらせが続き
 デリクはジュリーの説明と自分の印象からクライトン犯人説を信じて、手がかりを探すことになり
 初めて会った時から強烈に惹かれたジュリーにさらに惹かれていくが
 出てくる証拠はジュリーに不利な材料ばかりで、やがてクライトンの陰湿な誘導で
 すべての証拠がジュリーを犯人だと示し、警察に追われる状況になった時
 ただ一人ジュリーを信じたいデリクにとっても決定的に不利な事実が明らかになり・・・*

またも時間を空けずの一気読みだから面白かったと言っていいのでしょうが
やはり文句言いの私のこと、一言二言言わずにはいられない

まずデリクの登場シーンのいきなりな展開では、ちょっと引いてしまって
弁護士なんだし、理性とかないのか~?!はめられるとか考えないんだろうか~!と
最近はまってるTVドラマ「堕ちた弁護士~ニック・フォーリン~」でも同じような展開あったから
一般人ならともかく、どうしてそこまで無防備になれる~?ってね
もちろん衝撃的なヒロインとの出会いってことで、帳消しになるわけですが、やっぱここは引いた

そしてヒロインのジュリーですが、そこまで大胆なことするのも驚きだったけど
クライトンに対して挑発的態度とるなら、もっと守りを固めておかなくてはと
お話だからそこはまあ・・とはわかっても、やっぱり異常人格のクライトンの攻撃にやられっぱなしで
特に家に侵入されたあとの行動は怪しげで、もうお馬鹿としか思えないので
防犯カメラつけるとかもなしかい?って、詰めの甘さにややいらついた
 正義を追及する覚悟なら、もっと頭を使え~と言いたくなった

それじゃあハラハラドキドキの展開にならないってことでしょうが
散々TVドラマで、犯罪もの観ているこちらとしては、基本中の基本くらいは守って欲しいし
そんなことさえ知らないヒロインなら、無茶をするにも程があるぞと言いたくなってしまう
それとポールとジュリーの関係は予想通りでしたが、
ジュリーのデリクに対する言い訳はちょっと説得力なさすぎで、こちらもイライラさせられた

それらを除けば、お話の流れは予想ができたけど、一気に読ませる面白さで満足でした

本書に登場したデリクの調査員で元刑事のドッジは、くたびれた探偵ってイメージで
131ページには四十数年にわたって悪党を追いかけてきたとあったから
60歳近いのかって思ったけど、あとがきを読んでみれば
なんとその彼が主人公となる作品もあるようで、ってことは40代くらいってことなのかしら
少なくとも元妻が2人はいたようだけど、どんなヒーローになるのか期待と不安半々

今回もヒロインには2年前まで3年間結婚していたフランス人の元夫がいて
これがダメダメ亭主だったってことで
いつもの(年齢的なこともあるのでしょうが、Vヒロインは皆無で、必ず元夫がいる)SBヒロインらしい

出てくる映画のタイトルは馴染のものが多く、中身もほとんど思い出せたけど
誰もが知っている映画作品はともかく、背筋も凍る系の作品に関しては
それがクライトンというきもい人格障害者が喜ぶ内容かと思うと、こっちは怖がる内容でも
そっちの趣味の人には、そういう楽しみ方もあったのかと納得


 

クライトンのような犯罪者は、昔なら捜査にも限界があって見つからなかった可能性も大でしょうが
今の世の中CSIみたいに、どんな細かい証拠も見逃さず、電話やクレジットカード、監視カメラと
すべて元をたどれる仕組みが当たり前の中では
一旦犯人と絞られれば逮捕されることは間違いなく
ミステリーやサスペンス書く作家さんも、情報氾濫のなか満足させるのは難しいんじゃないかと
ついついそういう目で見てしまうのが、純粋に楽しめない原因かなぁ 

まあそれでも、初めて知った頃と同じようなハラハラドキドキ感を持続させてくれるSB作品は
やはりすごいと思うしかなくて、スピンオフになるのかドッジのお話も興味津々で
彼が登場する Tough Customer のレヴューを読んでみたら
ドッジのお話はフラッシュバックとして、彼の若かりし頃のロマンス部分として描かれるようで
やっぱドッジさん50は過ぎていたのねと確認
勘違いでなければ、彼の娘ベリーと元軍人で副保安官のSkiのお話と
ベリーの両親にあたるドッジとキャロラインの70年代の出会いと恋のお話が詰まっているよう
これも賛否が分かれているようですが、せっかくドッジさんを知ったんだから
彼が過去にどんな人生を過ごしてきたかというところに関心を持って
次回作が出るのを楽しみに待ちたいと思います。





リンダ・ハワードも「ゴージャス・ナイト」が読めないまま、その後新刊が出てもスルーしていたけど
久々に読んでみたら、あれれ、悪くないじゃないですか?と嬉しい驚きで他の未読3冊も読了

これまた読むのが先になり、感想あとまわしなため、覚えているのから


「天使は涙を流さない」2009年  Death Angel 2008


アンドレア(ドレア)・ルソー(アンディ・バッツ) 愛人 30歳

暗殺者(となってたけど殺し屋のほうが近いような)の男 35歳
ドイツのアメリカ軍基地で生まれ、両親は死亡、17歳で初めての殺しを経験、フリーの暗殺者 


*マフィアのボスの愛人になって2年、NYのセントラルパークを見下ろす豪奢なペントハウスで
日々、ショッピングや自分磨きにしか興味がないお馬鹿な女を演じ続けていたドレア・ルソー
贅沢な暮らしと引き換えに、常に都合のいい愛人としてラファエルを喜ばせる必要があったが
幼い頃から家族の愛情にも恵まれず、十代の頃無茶をしたせいで辛い過去があったり
早いうちから家族は散り散り、頼る相手も帰る場所もない彼女にとって、わが身ひとつが頼りで
相手が望む馬鹿な女を装ってはいても、内面はしたたかで抜け目なく
いつかは飽きられることも予測し、お払い箱になった時のためにと密かに準備を怠らず
本当の自分を見せないように苦労もあったが、そこそこ快適な毎日を送っていた
そんなある日、ラファエルが、邪魔者を始末する時に使っている暗殺者からの要求をのみ
ドレアを一回限りとはいえ娼婦同然に貸し与えたことから、それまでの生活が一転する
たとえ誇れることではなくても、少なくとも愛人であり娼婦ではないと自負していたドレアにとって
ラファエルの行為にショックと怒りで茫然としている間に、当の暗殺者(殺し屋)と二人きりにされ
顔を合わせたことがあっても不快な印象しかなかった男に恐怖を覚えるのは自然だったが
意外なことに名前さえ知らない相手に、それまで経験したことのない思いをさせられることになる*

ここまでが始まりの50ページあまり、このあと全く予想外の展開になるので
あらすじとはいえ知らないほうが 楽しめるんじゃないかと(自分がそうだったから)、ここまでに
ただし、以下の感想ではネタバレちょくちょくポロってます

いや~、始まっていきなりの展開で、うひゃぁ~、久々のリンダワールドだ~!ってワクワクしてたら
殺し屋の一言が・・・・・おいおい、そう来るか~って(ドレア同様こっちもガックリ)
ってことはこの先2人はどうなるの~?って先が全く読めず、ハラハラしてたら
無謀なドレアの行動(怒りはわかるけど、欲をかいたら殺される~~って、何故気づかない?)
そして予想通り、ドレアを始末しろと命令が出て
この時点でも殺し屋は感情のかけらもみせないから(むしろ殺す気満々?)ドキドキ
まんまとラファエルを出し抜いたとドレアが思ったのも束の間、殺し屋が間近に迫り
あの顛末(とは言え、まだ中盤。ええ~!!、何かの間違い??ってくらい、おっどろいた~)
その後一新した生活の中で、殺し屋との再会(ここからいよいよロマンスですわ~)
ここから先の展開も文句なしに良かった

ドレアの無謀な行動も、あとで本人が馬鹿だったと認めてるから
はじめは欲をかくな~と、ハラハラしてしまったけど
お金のためというより性格が汚れてなかった分、怒りが勝っちゃったのね~と納得できたし
ターミネーターのように無感情だった殺し屋の気持ちの変化とか、まさに大はまり

ホットなシーンは、これを待ってたのよ!と文句なし
2人のキャラも大満足
FBI捜査官もその他のキャラクターもいい味出てた、悪役ラファエルでさえ
(実はドレアと殺し屋のキャラ設定は、前半は不安だったけど、最後まで読んでみれば大納得)
お話の展開も、けちのつけどころが一つもなかった
○○の世界と、その後の特別な能力に関してのくだりは、これって別小説か?って思ったり
いつもの自分なら、ヒロインがマフィアの愛人設定なの?とか、文句タラタラ言いそうですが
基本善人とはいえちょっと欲をかいたドレアも
あんだけのことあったらそりゃぁそっちに行くよねと納得
FBI捜査官の事件解決部分も、所詮お話なんだからそうこなくっちゃって結末で
もう読後感もさわやかで(夜中に読み終えたけど、そのあと別の本を探すことなく熟睡できた)
遅ればせながら読んで良かった~と大満足の1冊でした

 


この2人が子供を持てない(持たない)結末にも納得

(HQの場合、できないと言いつつハッピーエンディングのために、子供がちゃっかり出来たりするから)


「凍える心の奥に」2010年   Ice  2009


ローレライ・ヘルトン   31歳 保険会社勤務 元市長の娘(両親は引退しフロリダ住い)
 
ガブリエル・マックイーン 33歳 憲兵隊の軍曹  保安官の息子
                3年前妻が病死し、現在7歳の息子サムは両親に預ける


メイン州 ウィルソン・クリーク
*クリスマス休暇で2ヶ月ぶりに預けている息子に会えるのを楽しみに戻ってきたガブリエルは
フロリダに引退した両親が家を手放すことになり、慣れ親しんだ実家の整理と、決別のため
久しぶりに故郷に戻ってきたローレライ・ヘルトンと意外な形で再会することになる
2歳違いの2人は、十代の頃市長の娘と保安官の息子という立場から親同士が親しい仲でも
同じ学校に通っていた間はお互い相手を怒らせる宿敵同士のような関係だった
実は市長の娘といっても容姿も平凡で成績も普通なロリーは元来人付き合いが苦手なタイプで
そんな彼女がガブリエルの目にはお高くとまっているように見えて、ついからかいの対象にしていた
そしてガブリエルのからかいに対してロリーのほうは、内心彼にのぼせていたため
そんな気持ちを知られたくなくて、相手を怒らせるような言葉を返していた


戻ったばかりのガブリエルは息子サムとの久々の対面もそこそこに、保安官である父親に命じられ
アイスストームが迫りくる中、戻ったばかりのロリーに危険を知らせるため
山の中にある彼女の実家に向かうことになる
その頃、アイスストームのことを町のよろず屋で知らされ必要なものを取りに戻っていたロリーは
家まであとをつけて来たヤク中のカップルに捕まり監禁されていた
なんとか脱出を試みていた時、やってきたガブリエルの協力を得て、2人で森へ逃げ込むが
ヤクでハイになっているカップルは銃を撃ちながら追ってきて、2人は対峙せざるを得なくなり・・*


 

15年ぶりの再会で、十代の頃密かにスポーツ万能で人気者だったガブリエルに憧れていたロリーと
単に引っ込み思案で本の虫だったロリーを、市長の娘だからお高くとまっているに違いないと誤解し
なにかというとからかいの対象にしていたが、心のどこかで気になる存在だったというガブリエル

同じ時期に帰省していた2人は、窮地の真っただ中で再会することになるわけですが
文字も大きいし、ページ数も少ないせいか、ヤク中カップルとの攻防戦はハラハラさせられたけど
ロマンス部分は、ややあっさりめって感じでした(天使は涙を~を読んだ後だったこともあり)

 

それでもHQ作品を読んでいるような手軽さでサクサク読めて、まあ面白かった

アイスストームって映画もあったけど(内容忘れてるのにおもしろくなかった記憶だけは・・・)
そっちとは全く関係なく(当たり前です)まさにハリケーンや竜巻と同じくらい恐ろしい天候について
いろいろアメリカのニュース観てきたはずだけど、へえそんな風になるの?って初めて知った
なんの脈絡もないけど、アイスストームで死ぬのと、砂漠で死ぬのとどっちがいいか考えたら
自分はやっぱアイスストームだなって思えた(って、なんちゅう一人アンケートか)

 

とにかく久々に読んだリンダ作品、はずれではなかったのが嬉しい
残りの未読2作品(「氷に閉ざされて」と「永遠の絆に守られて」)が
大きく外れませんようにと楽しみ半分、不安半分



読み終えたけど、サンドラ・ブラウンに浮気してしまったので、感想は追々ということで



「氷に閉ざされて」 2008年 Up Close And Dangerous 2007


ベイリー・ウィンゲート 富豪の未亡人


キャメロン・ジャスティス チャーター機のサービス会社(J&L)のパイロット


*年の離れた夫と結婚して1年足らずで未亡人になったベイリーは
 遺言で遺産管理を任されていたため、継子でも3つ年上のセスとその妹タムジンに恨まれ
 日頃から悪意ある中傷と、彼らが受け継ぐべき遺産を自由にできない怒りをぶつけられていた
 ある日そんな煩わしさから逃れて、弟夫婦と一緒に2週間のラフティング旅行を楽しむため
 彼らと落ち合う予定地まで、会社が契約しているチャーター便を利用することになり
 馴染のパイロットの代わりに苦手なタイプのジャスティス機長とデンバーを目指して飛び立つ

 元空軍パイロットのキャメロンは、士官学校時代からの付き合いで1年先輩でもあるブレットと
 共同経営する小さなチャーター便サービス会社の経営を軌道に乗せ、仕事も楽しんでいた
 病気のブレットの代わりに、ミセス・ウィンゲートを乗せて飛ぶことになった彼は
 ベイリーを金目当てのお高く留まった女性だと考えていたが、仕事だと割り切り
 お互い相手を苦手だと思い込んでいる2人は、堅苦しく気づまりな空気のまま飛び立つが
 離陸して1時間半経った頃、突如機体が制御不能になり墜落してしまう

 パイロットとして優秀なキャムの努力もあって、破損した機体の中で意識を取り戻したベイリーは
 すぐに状況を把握し、頭に怪我を追い意識を失っているキャムをまず運び出し
 雪と氷に覆われた不安定な山の斜面で寒さと高山病に悩まされながらも
 生き延びるために何をすべきか考え、それを実行する
 重傷のキャムの手当てと、夜になれば零下20度まで下がる雪山で
 動けないキャムの言葉による協力でなんとかシェルターもどきも作り上げ、2人で一晩乗り切るが
 翌朝寒さで目覚めたベイリーは、救助隊が来るまでそのまま待つしかないと覚悟する

 だがキャムが身体を動かせるようになった時、墜落が故障ではなく細工によるものだと知り
 救難信号も届いていたか確かではなく、自力で脱出するしかないとわかる
 墜落して助かったその時から、それまでの相手に対する考えを改めることになった2人
 冷たい女だと思っていたのに、必死で命を救ってくれたベイリーに心身ともに惹かれたキャムは
 2日3日と狭いシェルターに閉じ込められたこともあって欲望を募らせ
 子供時代に離婚を繰り返す両親に辛い思いをさせられたせいで、容易く他人を信じられず
 傷つきたくないと人を寄せ付けないできたベイリーも、彼のことを愛しく思うようになる
 救助を待っても無駄だと判断し、シェルターで過ごしたように協力しあって下山を始めた2人
 その最中、ついにお互いを求めあう気持ちに素直になりキャムに身をゆだねたベイリー
 出会ってすぐでも文字通り一時も離れることなく過ごした2人はお互いのことを知ることになり
 ベイリーに助けられた時から気持ちが決まっていたキャムは
 愛していると認めても不安が残るベイリーについに結婚することを認めさせる
 やがてヘリコプターに救助された2人は心配して待っていた人々と喜びの再会を果たすが
 まだ飛行機を墜落させようとした人物との対峙が待っていた*
 

「凍える心の奥に」よりはページ数あっても、これも薄めの文庫でやや不安でしたが
「凍える~」よりもこちらのカップルのキャラクターが好みで
おまけ程度のちょっぴりのサスペンスも、驚かせてもらえて満足度が高かった
まず、ベイリーのキャラがとても好感度高い
(妄想で自分に置きかえた場合、泣き事言うだけで役に立たないタイプと自覚しております)
もともとベイリーが野外レジャーを好んでやっていたということもプラスなのかもしれないけど
メソメソするだけの女じゃなくガッツがあるところが一番素敵で、キャムのほうは勝手に誤解していても
ベイリーのほうは、相手に好感持たれてないってことで警戒していただけだから
墜落した後の、他人行儀な会話の中のユーモラスなやり取りも楽しませてもらえた
サバイバル描写が多くて、実際そんなもので生き延びられるのか?って疑問もあったけど
まあとにかく極限状態だから、キャムとベイリーに愛が芽生えないほうがおかしいと納得できるし
怪我を負ったせいで{おまえは俺が守る}じゃなくて
{あなたは私が守る}って感じの、いつもの逆バージョンの展開も面白かった
(もちろん体力が回復したあかつきには、いつものリンダヒーローでしたが)
ベイリーがビジネス未亡人だったことも、ちょうど読んでるサンドラ・ブラウン作品と比べて
痛くないし、好み
とりあえずここまでの3冊に関しては、まずまずの満足度で、早く読めば良かった~と後悔
  
                                                    11月28日


「永遠の絆に守られて」 2011年 Blood Born 2010


ルカ・アンブラス   2千年以上生きてきたヴァンパイア 190㎝の大柄

クロエ・ファロン    29歳 レストランのアシスタントマネージャー

*人間の血を吸って生きる闇の世界の住人ヴァンパイアには、人間から転身した者と
 ヴァンパイアの両親のもとに生まれた生粋の者(ブラッド・ボーン)がいて
 ルカはその純血種の一人という稀有な存在ゆえに、他のヴァンパイアに比べ並はずれて強く
 人間や同族の者でさえ彼を記憶にとどめることができないという特別なパワーを持つことで
 自由に動き回れる一方で、2千年の間ずっと孤独という呪われた運命を課されれてきた
 人間に知られないよう闇の世界で生きることでヴァンパイアの世界の平和を維持する
 女5人、男4人からなる{評議会}というヴァンパイア世界を統治する組織のために
 ルールに従わず人間を無差別に襲って血を吸う者が出た場合、処理をするのが仕事で
 ある日比較的親しかった評議会の長であるヘクターから、連絡を受けたルカは
 評議会の中に裏切り者がいて、以前から闇の世界で生きることを不満に思い
 自分たちより劣る人間を征服してヴァンパイアが支配することを望む反乱派が組織されたと
 教えられたあとすぐにワシントンDCに会いに行くが、すでにヘクターは殺されていた

 同じ頃ワシントンDCでは、人間のクロエ・ファロンが少し前から奇妙な夢を見るようになったり
 一人でいる時誰かに自分の名前を呼ばれる気がしたりと、不安を呼ぶ出来事に悩まされていた
 30を目の前に大動脈瘤持ちでいつ死ぬかわからないという健康問題はあっても
 レストランのアシスタントマネージャーの仕事に満足し、人付き合いは積極的でないにしても
 人並みに結婚し子供を持つという将来の計画も抱いていた彼女は知る由もなかったが
 ヴァンパイアが人間の命を脅かすような事態が起きた場合、別世界に存在するウォリアーが
 人間を守るため呼び出されることになっていて、そのウォリアーを呼びだす能力を持つのが
 コンデュイットというウォリアーの子孫に当たり、クロエはそのコンデュイットの一人だった
 表舞台に出ようと反乱を起こす前に、その計画を阻止するウォリアーが邪魔な反乱派の女王は
 ウォリアーを呼びだすコンデュイットを一掃しようと、密かにコンデュイット狩りを命じていて
 ある日の仕事帰り、造反ヴァンパイアの一人に襲われそうになったクロエは
 ヘクターの死の手がかりを探してヴァンパイアのあとをつけてきたルカに偶然救われることになる

 ルカにしてみれば、単に人間を襲うヴァンパイアからクロエを救っただけだったが
 会話を交わした翌日もクロエが自分のことを記憶にとどめていると知り、衝撃を受ける
 ヘクター殺しと反乱派の動きが最優先されることはわかっても、クロエの存在が気になる彼は
 今度はルカに近いパワーを持つ造反ヴァンパイアのソーリンに殺される寸前の
 クロエを助けることになり、その際一戦を交えたソーリンからコンデュイット一掃の計画を聞き
 ほおっておけなくなったため彼女を不安にしていた出来事の説明をして自分の正体を明かす

 クロエを守るには絆を結ぶしかないとわかっても、過去に人間の女に恋して辛い思いをしたため
 本当は避けたい思いで、クロエの方も拒否するに違いないと考えていた
 想像の世界でしか知らなかったヴァンパイアが現実にいると知り驚くクロエは衝撃を受けつつ
 ルカの説明を聞くと、生き延びるためには絆を結ぶしかないとわかり心を決めると実行し
 お互いを特別な存在と知ることになる2人だったが
 反乱派の黒幕の正体がわからないままでは誰を信じていいかわからないルカは
 まずクロエを守るために彼女と共に身を隠しながら、反乱派の計画を探り出し
 ヘクターを殺した者への仕返しと、人間を守るために戦うことを決意していた*



もうヴァンパイアものはいいかなってのが、素直な感想で
できればヴァンパイアもの書く作家さんは基準を統一して欲しいと願ってしまった
(ほぼ同じといえるのかもしれないけど、それぞれの説明読むのがちょっとめんどいし)

はじめの100ページ、はっきり言って説明部分なんでしょうがつまらなくて挫折寸前
それでも確かにルカもクロエも、ネヴァダもソーリンもキャラクターは嫌いじゃないし

ネヴァダとソーリンのやり取りも、ルカとクロエの絡み(?)も好みだったけど

なんだろういまいちな乗りだった

シリーズものになる予定だから説明部分が多かったのかもしれないけど
できれば冒頭で掴みはOKって展開が欲しかったかなと


                                   11月29日

もう2年以上もサンドラ・ブラウン作品を読んでなかったのか?と(読んでても感想残さなかったのか)
久々のブラウン作品、上下刊になってる「堕ちた刃」や「氷の城で熱く抱いて」でなく
分厚い本書をはじめに手に取ったのは、裏表紙のあらすじが一番好みそうだったから
嬉しいことに、久々に家事をするのも時間がもったいないと思ったくらいの一気読み
(最近はページ数の多い少ない関係なく1日で読み終えるってことなかったから 
 情熱が消えたわけじゃなかったと嬉しかった)
まさに昔初めてSB作品を読んだ時、その魅力に引きずり込まれた気持ちを思い出した
って言ってもたまたま、今の気分に合っていたのかもしれないけどとにかくおもしろかった

「火焔」 2009年 Smoke Screen 2008


ヒロインはブリット・シェリー チャンネル7の報道記者

ヒーローはラリー・ギャノン 元消防士

*知り合いの刑事ジェイと待ち合わせをしてバーで一緒に飲んだ翌日、ベッドで目覚めたブリットは
何故ジェイの家にいるのか覚えがないだけでなく、全裸で、おまけに隣にいたジェイが死んでいたという
理解不能な状況で、評判の高い報道記者という立場から真逆の、疑惑を追及される側になる
はじめジェイが末期癌を患っていたことで自然死かと思われたが、記憶喪失については信じてもらえず
捜査に当たる刑事から容疑者扱いされ、孤立無援で、生きがいだった仕事も取り上げられてしまう

同じ頃ジェイの死をニュースで知ったラリーは、5年前自分の人生を大きく変えてしまった事件と
ブリットの状況が似ていることに気づき、それまで隠遁生活に甘んじていた彼は行動を起こす
それはブリットを自宅から誘拐拉致し脅迫して事件の状況を聞き出すという過激なものだったが
正当な目的があるとはいえ、5年前ジェイと共に自分をどん底に落とした報道記者への復讐という
気持ちも多少あり、彼女から話を聞き出した時、過去の汚名を晴らす時が来たと確信する

何故彼が誘拐という手荒なまねをしてまで話を聞き出したかったのか、説明を受けたブリットは
5年前ラリーも全く同じ状況で目覚め、横には女性の死体があったという事件の始まりから
好きな仕事も結婚間近だった婚約者も失うという転落の一途をたどったいきさつを聞いて
同情はしても納得できないまま、彼から解放されることになるが
一人になり自宅へ戻る途中連絡をとった自分の弁護士から逃亡犯扱いされていることを知らされ
その直後何者かに命を狙われたことから、彼の話が本当だとわかり
間一髪ブリットを死から救ってくれたラリーと運命をともにすることになる
2人は5年前警察署の火災が発端となりラリーを巻き込んだ事件を含めて
それまでに多くの犠牲者を出してきた事件の解明に奔走することになるが・・*

いや~、これぞサンドラ・ブラウンです!冒頭からぐいぐい引き込まれて
やっぱこれこそ自分がロマサスにはまった作家さんなのよね~と、嬉しかった
「私でない私」「追わずにいてくれたら」「あきらめきれなくて」「知られたくないこと」とか
まだまだロマンス系の文庫作品が今のように選んで買えるほどは発売されてなかった時代
次はいつ?と待ちきれない思いだった頃、まさに夢中で読んでいたSB作品
特に男女の逃亡劇とか、スリルと緊張感でハラハラドキドキさせられて
それゆえ、訳本が出ないなら自分でなんとか読めるようになるしかないとはまった作家さん
そうは言っても、すごく好み~ってのと、まったく何考えてるサンドラさん?
こんなヒーローありえない~って、壁投げ本もあったことも確かで(世間の評価とはずれてますが)
あんまりひどいとしばらく回復ができないくらい、嫌いになったりもしてたので
そう言えば「最後の銃弾」も嫌いじゃなかったのにと、思い出した

とにかく今回のヒーローは、自分だけの感じ方かもしれないけど
SB作品の多くに感じる、女性っぽいヒーロー
(これはけなしているんじゃなくて、傲慢ヒーローではないってことで
単に当てはめる言葉が思いつかないってことです)
SB作品には手荒なまねをするヒーローも多いけど、もう心根は優しすぎ(でも草食系ではない)

とにかくブリットにもラリーにも何があったの?という疑問と同時進行で
2人が惹かれあっていく過程も、好みのパターン
自分をどん底に落としたブリットなんか好きになりたくないのに・・って思いつつはまるラリーとか
サスペンスものでも、ロマンス部分に納得できるから嬉しい
ただ黒幕の犯人は早い段階でわかってしまう
(これは翻訳のせいなのか原作でそうなのか?SBではなかったかもしれないけど
 前にも、会話で犯人がわかっちゃったお話があったけど、これはどうなんだろう?)
その時点で、すでに親友に裏切られて酷い目に遭っていたラリーさん可哀そう過ぎだったのに
わかってからは、あの人が犯人でないことを祈ったけど、やっぱそうなのねと悲劇だった

それでも最後の最後までハラハラドキドキさせられて
ラリーがブッチとサンダースと名付けた2人を追う謎の2人組のからくりはサプライズで楽しめた
ロマンスもサスペンスも文句のつけようもなく、大満足の1冊となりました


 

アイリス・ジョハンセンのドラマ化作品を探してた時
ついでに他の作家さんも検索して見つけたのが、この作品もドラマ化されていたと知りました

美人リポーター、ブリット・シェリー役が Jaime Pressly

 

最近の出演作は知らないけど、「ジャック&ジル」というドラマのオードリー役は印象的だった
彼女の役ではなく、「ウィード」に出ていたジャスティン・カーク演じるバートに心底惚れられる役で
このバートが「ウィード」の役と違って、すごく純粋で彼女を一途に思うって胸キュンキャラで
もうね、バート君の思いに泣けた泣けた
(ただし別れることになった後、キャラが180度変わったので、胸キュンキャラから一気に格下げに)
まあ、花のある俳優さんだから、看板リポーター役もうなづけるかと納得

ブリットと協力して、自分の汚名を晴らす元消防士ラリー・ギャノン役は
Currie Graham
この方も、いろんなドラマに出演されてるの観て印象が残る俳優さん
(そうかやたら見覚えがあったのは、ちょっと前「レイジング・ザ・バー」で観ていたからなのね)
ものすごいハンサムではないけど、役柄によってはセクシーさを感じたりもして
そういう意味では、原作のラリーは、もうちょっと細身で野生っぽかった(第一印象は)けど
この俳優さんなら、刑事役でも消防士役でもイメージできるから納得

 

主役の2人だけイメージに当てはめてみましたが、なにせロマンス作家の作品を映像化では
はずれる確率が高いから、これもいつか観ることができたら感想など残したいと思います



「堕ちた刃」 2008年 Play Dirty 2007


グリフ・バーケット 元NFLの花型プレイヤー

ローラ・スピークマン  航空会社副社長

フォスター・スピークマン ローラの夫 航空会社社長

*5年前八百長試合と不正賭博で刑を言い渡されたグリフ・バーケット
 刑期を終えて出てきた彼は、過去の栄光も財産もすべて失い
 国民的スポーツの八百長試合という不名誉な事件で顔を知られているため仕事のあてもなく
 申し出があった、航空会社社長スピークマンに会いに行くことになるが
 そこで思いがけない仕事の提案をされ、衝撃を受けつつも巨額の報酬は断るには惜しすぎると
 事故で半身麻痺になったため子供が作れないフォスターに代わって
 彼の妻ローラを妊娠させる契約を交わす

 グリフの優秀な遺伝子に惚れ込んだというフォスターの要求は信じられないもので
 普通精子提供だけして人工的に妊娠させるならまだしも
 実際に彼の妻と関係を持って妊娠することが条件だったため、取り決め通り日時を決めて
 ローラと会うことになったグリフは、ぎこちなく気まずい時間を何回か過ごすことになるが
 やがてローラに惹かれていき、妊娠させたらもう会えないとわかっていたため
 彼女とのことを終わらせたくないと思うようになり、接触しようと試みるが拒まれ
 4回目に会った後妊娠したと知った時には、ショックと絶望感に襲われる
 そして妻の妊娠を大喜びするフォスターの呼び出しを受け、彼の屋敷に出向いたグリフは
 複雑な気持ちでローラ不在の屋敷で対面することになるが、そこで思いがけない事態が起き・・・*


これは残念ながら、自分にとっては悪しきサンドラ・ブラウン作品となりました
上下刊に分かれているからつい短い作品だと錯覚してしまってましたが
上下刊合わせたら664ページだから、なんだこれも分厚かったのねと、それでも2日で読了
SB作品の上下刊で時々あるように、前半はこれまたハズレだったか~と後悔したほど
グリフもローラもフォスターも好きになれないキャラクターで


フォスターに関しては、優秀な遺伝子を持つ子供が欲しいなら、精子提供だけでいいはず
(確かに秘密を知る者を最小限にしたいってことはわかるけど
 それならローラとグリフの密会場所をホテルにするとかしないと、脇が甘いとか思ってしまった)
いくら半身麻痺になったとはいえ、ローラとはラヴラヴな言動取っていたから
金持ちの気まぐれとかでは片づけられない考え方で、どゆこと?と


ローラに関しては、フォスターの2番目の妻で、前妻の死後彼との恋愛を経て一緒になったあと
自分の運転していた車で夫だけが悲劇的な結果にみまわれてと、そこは納得しても、やはり理解不能

グリフに関しては、う~、グリフ、グリフ、なんてお馬鹿なの~ってもう徹底的に好きになれず
まず、フォスターのオファーを受けたあと、馴染みの娼婦と関係を持ったこと
そりゃあ、ム所を出たばかりで考えることはまずってのは理解できたとしても
そっち方面の仕事を契約したばかりなのに、プロに徹しろ~!と文句が出た
いくら頭が良く健康管理もしっかりしている高級娼婦とはいえ、やはり万が一ってこともあるでしょうし
フォスターに手渡された前金で、さっそくそこそこの住いに移るわ、お買い物三昧するわと
いやいや、あの気持ち悪いロダートにつけ狙われていなかったら、まったく問題ないけど
出所直後に脅されていて、そのあとも自分が監視されてると知ってたのに、あの無防備さ

ところが下刊で後半に突入すると、思いがけない(まったく予想外だった)展開となり
フォスターの本当の計画、ローラとグリフの関係、そしてグリフのそれまでの汚名の数々の新事実と
ラストの一か所に至っては胸のすく結末で(ここだけは認める)、グリフの恥ずべき過去の出来事も
実は・・って伏線だらけだったとわかる

ただしローラが夫に対する罪悪感から妊娠計画に応じたとわかっても(対等の恋愛ならありえない)
彼女が夫に失望したのが、自分の仕事を否定された時ってのが共感できなかった
まあ、後ろめたさでそこまではなんとか耐えるつもりでいたけど、仕事を否定されてプッツンって
考えれば確かにそうでしょうが、それでもやっぱり好きになれなかった

そしてグリフに至っては、もう前半でダメダメエピソードのオンパレードだったせいで
すべてのことに裏があったという驚き展開でも、彼のキャラクターの印象は修復不能状態に
酷い子供時代のせいで、多分刹那的な生き方しかできなかったと百歩譲っても
救世主であるコーチ夫妻を裏切ったことについてはラストまで知らされなかったから
(他のことは許せても、コーチを失望させたことだけは納得できないと思っていたから)
とにかく言い訳しない、自分のことはあとまわしというグリフの本当の姿がわかる頃にはイライラも頂点で
もちろんラストまで読んでみれば、意表を突く展開だったと知ることになるのですが
どうにもこうにも、きもいロダートにやられっぱなしなのもさらにマイナス点増やしてしまった
(ラストの展開は、マルシアのためにも彼がやらなかったら私がしたかったくらい腹立った)

 

それでも本当にラストまで読んでみれば、結局は面白い作品だったんだと納得もした
SB作品の主人公は、30代半ば同士とか、2度目の恋的でも本当は唯一無二の相手って感じで
2人とも過去に傷や痛みを持つ設定も多いから、よけいにラストのホットなシーンは
よかったね~、幸せになってね~と素直に思える
でもこのお話に関しては再読はありえないかと




続けて読めるか心配だけど、ひき続き読む予定なのが


「氷の城で熱く抱いて」 2007年 Chill Factor 2005

リリィ・マーティン  アトランタの雑誌編集者

ベン・ティアニー  アウトドア専門のフリーのライター


*大きな冬の嵐が近づくクリアリィの町では2年半前から5人の女性が失踪し未解決という
 住人を不安にさせる状況の中、現在この町の警察署長となっているダッチの元妻リリィは
 彼との離婚に決着をつけるため、クリアリィ山の山頂近くにあるコテージの整理に戻っていた
 結婚生活が幸せだった頃2人で来ていたコテージを手放すことになり
 その代金を折半して、まだ妻に未練を残すダッチときっぱり決別するつもりが
 リリィを説得するつもりでコテージまで来ていた彼と結局最後は口論になってしまい
 悲しい別れとなった後、一人で山を下りる途中悪天候で道路が見えにくい中
 急に飛び出してきた人影を避けるためハンドルを切ったために車を木に衝突させてしまう

 動揺して車から降りたリリィは、はねた相手がティアニーだと知り驚くが
 そのままでは2人とも凍え死んでしまうと、怪我をしたティアニーと共にコテージに戻ることになる
 すぐにダッチにメッセージは残したものの、連絡はとれず救助もままならないと知り
 嵐が何日も続くことを見越して生き延びるための準備をするが
 去年短い出会いとはいえ強烈な印象を相手に持ったリリィとティアニーは、お互いを意識し
 怪我を負っていても自分を守ろうとするティアニーにリリィの気持ちが傾きかけた時
 彼のバックパックの中に、連続失踪事件の犯人だと示す証拠の品を見つけてしまい
 惹かれていた相手が恐ろしい犯人だったら?と恐怖に襲われたリリィは
 否定するティアニーの言葉など信じられず、彼が持っていた銃と手錠で動けないようにして
 コテージにいることを知らせたダッチの救援を今か今かと待つことになるが・・・*


これも読んでてイライラする展開で、面白くないってことではないのですが
犯人と思しき人物が4人くらいいて、そのうち3人の描写を細かくされればされるほど
(リリィの元夫も含め)胸糞が悪くなるほど最悪キャラなため
こちらにはヒーローだとわかっているティアニーに対する、リリィの行動にイライラさせられた
それも2度も同じことを繰り返していたから、リリィには同情もできなかった
ダメ亭主がいたヒロインは基本苦手かな
 
お話の流れはティアニーが言い訳しない時点で、どんな立場かって推測できたし
犯人候補の一人には、あんな環境じゃあ犯人になっても仕方ないかと思えたり
禁断の恋カップルには、現実の世界でもちょくちょくあるから、本当ならキモイとか思いそうでも
女性の態度がきっぱりしていて、潔かったから文句はなかった
サプライズを狙って謎を引っ張るのもわかるけど、読んでてイライラさせられっぱなしでは
ラストにハッピーエンドが待っているとわかっていても、不快感が残る
久々のSB作品、これまでのところ一勝2敗ってことで、残る未読「殺意の試写状」に期待したい
 
邦訳タイトルについてとやかく言いたくないけど、今回だけは「やめて~!」と思ったタイトル
普通に 原題のまま「チル・ファクター」じゃダメなの?って
まったく「氷の城で熱く抱いて」って内容ではなかった気もした

救われたのは、連続失踪事件を捜査するFBIコンビ、ケント・ペグレイと部下のチャーリー・ワイズ
この2人がいい味出してて、キャラクターも登場シーンも楽しめた
 
                                           11月29日

 

 


 


 

「殺意の試写状」   2010年  Smash Cut 2009

 

「スターライト・デスティニー」 2009年 Demon Rumm 1987
 
キルスティン・ラム  作家
 
ライラン・ノース    人気俳優
 
*アクロバット飛行士で2年前事故死した夫の回想録を執筆中のキルスティンは
 その原作をもとにした映画化作品で、亡き夫チャールズ役を演じる俳優ライラン・ノースから
 役作りのため、デーモン・ラムと別名を持つほど命知らずでも親しみやすくファンを大事にした
 チャールズの家庭での顔を知りたいと、一定期間の同居を要請される
 人気俳優とは言え、ゴシップ紙の評判とは違って真面目に演技に取り組むライランは
 打ち合わせで初めてキルスティンを目にした時から、その魅力にノックアウトされ
 事故で死んだデーモン・ラムが、美しい妻を持ち幸せな結婚をしていたのに
 何故日々命をかけるような仕事をしていたのかと疑問を持っていたため
 自分が演じることになるデーモンの内面を知りたいと、同居を承諾させたまでは良かったが
 キルスティンを見るだけで欲望を覚えてしまう彼は、一緒に過ごせば過ごすほど気持ちは募り
 初めは警戒し距離を置いていたキルスティンも、その気持ちに応えてくれるかに思えたが
 いざ一線を越えそうになると、身を引いてしまう彼女に困惑させられる
 事故死した夫のことについても口が重く、ライランの追及を避ける態度に
 キルスティンが何かを隠していることを確信するが、それがなんなのかはわからず
 やがてライランは求めていたものを手に入れることになるが、同時に真実も知ることになり
 デーモンの秘密を知ったライランは決断を迫られることになり・・*

短いし、HQのようなお話の展開で、あっという間に読めて
ヒーローとしてはちょっとどうよ?という俳優業でも、HQと思って読めば一瞬でも浸れる
(ただしセカンド・チャンス・アット・ラヴ系かな)
なにせ四六時中た○っぱなしのライランさんが冷たくされても拒まれてもとにかくメロメロで
読んでると、デーモンさんの秘密とは?なんて、もうどうでもいいか~ってくらいになってくる
ただ、そうだろうなと推測はしてても、いざ真実を知るとちょっと無理がある気もしないでもない
もちろんあってもおかしくないのかもしれないけど
スリルシーカーだから、○○よりゲイ疑惑のほうが納得したかと
それともスリルで興奮するから、そっちは・・ってことか
まあ、そんなこともどうでもよくなるくらい、とにかくライランのメロメロ度ににんまり
キルスティンも、ああいう状況ならそうだよねと納得できるキャラで、文句もなし
今回のSBヒーローは傲慢系ではないけれど、男っぽいヒーローでした

 






















「ロード・トゥ・パーディション」 Road to Perdition 2002

これをみる前にダニエル・クレイグ目当てで「レイヤー・ケーキ」を観ていて
悪人とはいえ一見スタイリッシュ、でも詰めが甘くて格好良くないところもあるクレイグさんを堪能したので
いきなり本物のクズ野郎役かとわかり、ちょっとためらったけど
予想していたようなギャング映画路線ではないことに驚いた

トム・ハンクスはどうしても凄腕殺し屋には見えなかったけど(お人柄のせいです)それでも
家族を殺された男の復讐劇だなんて、事前チェックもなしだったから嬉しい裏切り
なにせポール・ニューマンさんとダニエル・クレイグさん目当てで録画しておいたものだから
途中から親子の逃亡兼復讐劇に変わったところで
憎たらしいジュード・ロウを何故生かしておく!と怒り(ということは、ラストは・・かと)
お話の展開が読めてしまったけど、なんか観終わった後清々しかった
当時宣伝文句で観て覚えていたような大作ではなかったけど
トム・ハンクスさんの出てる作品は(すべて観たわけじゃない)これまで裏切られたことないから
ほんとの意味では期待は裏切られなかったってことで、内容が予想外だったってことでした




「ダウト~あるカトリック学校で~」 Doubt 2008

残念ながら吹き替え版で観てしまって(吹き替え声優さんへの文句ではありません)
メリル・ストリープさんとフィリップ・シーモア・ホフマンさんの生声で観るべきだったとあとで後悔

これが予想を裏切ったというのは、まさかこういう展開だとは思わなかったから
おぼろげながら内容を知っているつもりだったけど、観終えてみればギワクは解明されておらず
感想を探してみたらいろいろな解釈があるのを知って、またまた驚いた

そういう見方か?とか、そうなの~?って様々なレヴューを目にしたので、ここは私も勝手に解釈

まず最終的にはフリン神父が不適切なことをしたか否か?は

・・・・・まだしてないと思う(いつかはしたと思う、ただしドナルド君に限っては同意の上じゃないかと)
初めはてっきりカトリック関係でよくある神父の性的虐待事件って勝手に思いこんでいたら
ドナルド君のフリン神父ラヴ視線や、その後母親による性癖確定発言により
彼が泣いていたのはそういうことされたからとは思えず、ここはフリン神父の言うとおり
単にワインを飲んでしまったからかと
ただしフリン神父が校長さまの追求に屈する形になったのは、やはり後ろめたい思いがあったからだと
(その結果彼は昇進したわけだから、現実の世界で過去の被害者が続々訴え出ていることを考えれば
 そんな腐った体質が、善良なホモセクシャルといえども悪ホモセクシャルを助長させたと想像できる)
だからどちらかといえば、メリルさん演じる校長さまに肩入れして観ていた自分は
ラストの号泣場面で、あれは彼女の努力が認められなかったせいかと取りたい
(決して後悔しているとかあのぶれない性格を忌まわしく思っているとかではないと)
一見厳格でオッソロしい校長でも、視力の衰えた老いたシスターにさりげなく優しかったり
フリン神父を追及するシーンで、あなたは過去に過ちをおかさなかったか?と逆に問われ
悲痛な表情でおかしたと答えた校長さまの告白は、それが個人的なものかもしれないけど
そうだとしても非常に悔いている印象だったし
もっと想像して同じような状況にあった被害者を救えなかったからとか思ってみたり
生徒の叱り方も、あんな先生が一人くらい学校にいてもいいと思うから
特にあの時代のつけが現在にまわってきて、次々聖職者の性的虐待被害者が名乗り出ている今
一人でも信念を貫いて闘っていた人がいたというふうにみたい

それにしてもメリル・ストリープさんがすごいと言われる理由に納得
ちょっと前に懐かしくて観てしまった「クレイマー、クレイマー」(何度観ても泣ける)では若くて美しくて
役柄としては、勝手な母親だけど気持ちもわかるって感じで
(公開当時に観た時は、嫌な女とか思ったしダスティンパパ支持派でしたが、歳をとって感想も変わったよう)
ブームになった「マディソン郡の橋」はあまりにリアルで(クリントさんのお歳も無理があったような)今一
若い頃に観た「ソフィーの選択」とかも再度観るには辛すぎると思って二度と観てなくて
最近では「プラダを着た悪魔」や「めぐりあう時間たち」くらいは観てましたが
やはりこの校長役には、本当に参りました~

 いい加減、録るだけとって放置してある「エンジェルス・イン・アメリカ」を観てみようという気になりました

「ジュノ」 Juno 2007

これもあちらでの公開当時、出演者を見て早く見たい作品だと思ったのに
いざBSで放送されても、録画しっぱなしでそのままになってしまい
地上波の吹き替えまで録画した自分にいい加減にしろと、なんとか観てみました

そして大きく予想を裏切られた

まずなによりエレン・ペイジ演じるジュノのクソ生意気な言動に何これ?って
いい年して十代の少女の言動にむかつく自分もおかしいっちゃおかしいのですが
エレン・ペイジちゃんは嫌いじゃないし、両親があのJ・K・シモンズとアリソン・ジャニィだし
養子縁組の相手夫妻は、ジェイソン・ベイトマンとジェニファー・ガーナーだし
出演してる俳優さんが好きな俳優さんばかりだったのも良くなかったのか
ジュノのパパ役のJ.K.シモンズさんなんて、
「クローザー」のチーフ・ポープ役に慣れたとはいえ
「OZ」での白人至上主義者シリンガー役とはうって変わっての満点パパで
継母役のアリソンさんも、ステレオタイプの継母ではなく適度に愛情があっていい感じだったし

それゆえに何故ジュノがあそこまで自分は何でもわかってる言動がとれるのか?って不思議で
養子縁組先の夫(ジェイソン・ベイトマン)とやたら趣味があって、妻(ジェニファー・ガーナー)がいない間に
何度も会っていたりするくだりでは、おいおいそっち系に持っていくのか~とハラハラして
そしたらなんのことはない、すっかりその気になったのは夫だけで
ジュノにははなからそんなつもりはなかったって?

って、ここまでは本当にジュノが好きになれなかったけど
このあたりから単に何も考えてなかっただけかとわかって
十代の時なんて自分もこんなものだったと思い出した
結局養子縁組先の夫妻は離婚しちゃうけど
ジュノは奥さんに赤ちゃんを託したし(あれだけ望まれてるのに、断るのは酷だよね)
そしてたまたまセックスしてみただけってポジションだった親友のブリーカー君
彼に対する態度も、他の女の子とプロムに行くと聞いて頭に来るあたりから
なんだ、そういうことかと、安心したりして
ラストに至っては、こんな幸せ結末でいいのか?って思ったくらいの展開で
それもこれもジュノの両親が幸せだったことや、親友兼一度のセックス相手に惚れられていたからなんだと
自分の幸福な立場にやっと気づいたか?ってことで納得

それでもやはり、この映画が公開されたあと(後だったと思うけど、記憶がいまいち)
アメリカで高校生の妊娠が流行ったニュース(これは確かにあった)聞いたりしてたから
そりゃあジュノみたいな環境なら、万事円満解決!で終わっても納得いくけど
それを見た十代の何も考えてない少女たちへの責任はどうなるの?って疑問も残ったし
(その子たちのその後とか特集して欲しいわと)
ジュノにしても養子に出した子供が将来どう思う?って疑問も残った

まあつまりはラストまで観れば、使われてる音楽も好みだったし、淡々とした展開も良かったしと
前半の不快な気持ちも消えてたけど
なんだろう、PTA的な発言は普段大嫌いだけど
この作品が十代の少女の妊娠ブームを煽ったって事実があったことを思うと
ちょっと変わってて面白い作品だったとは言えないところもあるかと
それで、この作品のライターさんがディアブロ・コディさんということでさらに納得

LaLatvで1シーズンだけ放送された「ユナイテッド・ステート・オブ・タラ」の脚本家で
こちらも出演俳優さんは好みの俳優さんばかりで、第1話は面白かったのに
話が進むにつれて、主役のタラが微妙なキャラクターになってきて
もう彼女も家族の愛情がなかったら、完璧病院行きとしか思えず
その彼女の子供たちも、母親があんな風なんだから、もうちょっとまともだろ?って期待を裏切って
個性的といえば聞こえはいいけど、ちょっと奔放過ぎ
(母親を見てたら反面教師になりそうだけどそうじゃない)
だからこの作家さんのパターンなのかもしれないけど
不快と面白いを分けるギリギリの線上にいるような気分で観終えた作品だったと思いだした