銀座駅の地下鉄に降りる階段を、
終電間際に降りると、
降りたところにおばあちゃんが立っている。
浮浪者っぽくないんだけど、
かばんを二つぐらいおいて、
いつも、じーっと小さい目覚まし時計を見ている。
この前、また終電間際にその階段を下りると、
いつもいるところより一つ上の踊り場に、
そのおばあちゃんがいた。
あれ? どうしたんだろう?
と思って通り過ぎようとしたら、
「あのー」
と声をかけられた。
「はい?」
と言うと、
「今、何時頃でしょうかね~」
「12時12分ですね~」
「ありがとうございます」
おばあちゃん、時計なくしちゃったのかな。