家族で本屋さんに入る場面があって、お母さんリー・アンが子どもたちを見にいくと、2人とも絵本を読んでいる。
息子S.J.がみていたのは多分、モーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」。
そして高校生の娘コリンズがみていたのが、
「はなのすきなうし」。
2人とも小さい頃に読んでもらって、好きだった絵本のよう。
でも黒人の少年マイケルは、小さい頃にお母さんに絵本を読んでもらったことがない。
その夜、S.J.とマイケルはリー・アンに「はなのすきなうし」をベッドで読んでもらう…。
「はなのすきなうし」
マンリー・リーフ 作
ロバート・ローソン 絵
光吉夏弥 訳
岩波書店
舞台はスペイン。
子牛のフェルジナンドは、草の上に座ってひとり花の匂いを嗅いでいるのが好き。
他の子牛は、飛んだり跳ねたり、頭を突っつきあったりしているというのに。
お母さん牛は、そんなフェルジナンドを心配するんだけれど、何が心配だったかというと…
他の子牛たちと同じように飛んだり跳ねたりしていないことや、花の匂いを嗅いでばかりいることを心配していたわけではない。
「ひとりぼっちで寂しくはないかしら」と心配していた。
お母さんは、フェルジナンドにそのことを聞いてみる。
そして寂しがっていないことがわかると、そのまま好きにさせてあげる。
そんなフェルジナンドが大きくなり、ひょんなことから、マドリードの闘牛場で闘う牛に選ばれてしまい…
というお話し。
フェルジナンドをそのまま好きにさせてあげるお母さんについては、絵本の中で、
「うしとはいうものの、よくもののわかったおかあさんでしたので…」
と書かれている。
振り返って私はといえば、
「人間とはいうものの、まったくわからんちんのお母さんでしたので…」
と書かれるかもしれへんわ ![ガーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/020.png)
![ガーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/020.png)
反省反省。遅いけど。
1936年に世に出た絵本。
日本では1954年に出版されている。
「小さい頃、この絵本が大好きだった」と紹介されたりする超有名人気絵本。
表紙はオレンジ色、可愛い感じで選ばれやすいかもしれないが、ページを繰ると中は白黒。
子どもにはどんなふうに見えているんだろう。
そのまま白黒?
それとも色が付いて見えているのかな?
これからもずっと読み継がれていきますように。