トレジャー・ハンター
11月22日、私は26歳の誕生日を迎えた。
学生時代にバイトをしている時に、
「お兄さんは何歳なの?」
と訊かれ、
「19歳です。」
と、ハキハキと答えていた事が遠い昔のように感じたこの日、私はマイケル・ジャクソンの映画を観に行った。
マイケルが最後にやろうとしていたツアー準備のドキュメンタリーで、彼のカッコ良さが際立った素晴らしい映画だった。
上映が始まる30分前、携帯をいじっていた私は、誕生日記念に購入したマイルチャンピオンシップ(G1)の二枚の馬券が、両方共に的中しているというミラクルに遭遇した。しかも二枚ともに☆万馬券☆というまさかのサプライズ。
「あ、当たってる\(゜ロ\)(/ロ゜)/」
私は、その場でフォー!!と奇声を発しながら、軽快にムーンウォークをしたい衝動を必死に抑えながら、先刻まで食べるかどうか迷っていたハーゲンダッツのアイスを、VIPにトリプルで食べる事にした。
「ありがとうマイネルファルケ(;_;)」
私は至福の面持ちで映画を鑑賞した。
昨日、ウイリーズ初の練習試合を行った。
まだ試合用のユニフォームが出来ていないため、各々が所持していたユニフォームを持参してのゲームだったが、私と同じく皆一様にリストバンドやスパイクなど、こだわりのStyleをしていた。座間の片田舎まで車で向かうと、そこはとある中学のグランドで、ナイターの証明設備が眩しい光を放っていた。
試合が始まると、久々の実戦を迎えた皆の動きはやはり固く、打線は湿りっぱなしとなった。四番に座った私は初回のチャンスを凡打で潰し、先発の新婚ホータはホームランを浴びるという体たらく。野島が二本ヒットを打っただけで、それ以外のメンバーは、一本もヒットを打てずに完敗だった。久しぶりの実戦で、打席に入った私の脚は緊張で震えていた。
気軽に始めた草野球だが、負ければやはり悔しい。試合後のファミレスでは、反省会となった。
「ホータの出来が良くなれば、充分勝負になる。継投の野島と渉は良かったわけだし。後は四番次第だな。」
自身も無様に4打席凡退の醜態を晒したゴリラが、なぜか上から目線で喋りだした。
「四番、雰囲気がありますねって相手のキャッチャーが言ってたからよ。」
野島が私に激励の言葉をかける。
「四番は不動だからな。」
キャプテンの竜が、私に声をかける。
年内に伊豆での強化合宿を計画し、解散となった。
「結果出したいな。」
来月に控えた矢沢永吉のライヴ参戦に備え、
[とまらないHa~Ha]
を、ボリューム全開で聴きながら反省をしつつ走っていると、私の横をゴリラの車が猛スピードで走り抜けた。いつものように、私に対するアピールだと思い眺めていると、その後ろを知らないワンボックス車が追走している。
どうやらゴリラは煽られているらしく、お互いに激しく車線変更を繰り返し、抜きつ抜かれつのカーチェイスを繰り広げている。
「まじバカだよなぁ(^.^)」
私はゴリラを援護するべく一気に加速してワンボックスを追走し、ワンボックスの前に出ようとしたが、最終的にゴリラがワンボックスを突き放したために追走をやめて帰路についた。
一夜明けた今朝、実戦の感覚を取り戻すために数多く打席に入りたくなった私は、ナイポジ君にメールをいれ、ナイポジ君のチームの助っ人が必要な時は声をかけてくれるように頼んだところ、早速今日、昼過ぎに保土ヶ谷球場に来てくれと頼まれた。
アップをする間もなく始まった試合の二回裏、ランナーを1人置いて私に打席が回ってきた。初球を見逃して二球目を振り抜くと、打球はレフトの頭上を越えるツーベースとなった。三打席目にもジャスってレフト前に運び、私は完全に自信を取り戻した。
「のーってくれ♪Ha~Ha♪ロックンロールナイト♪Ha~Ha♪(´Д`)」
心の中で、私は矢沢タオルを天に向かって放り上げた。
11月初旬…パチで激勝
11月22日…万馬券ゲット
11月25日…給料日
12月1日…ボーナス
二本のヒットに浮かれる最高のゴールドラッシュは、年末ジャンボの的中で締め括りたいと思っている。


